天野ナス。

ぼくは黒っぽい犬。じゅうにん家族。

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美しかったり可愛かったりすると人間は吸い寄せられてしまうらしい。
すこし美しければ「園芸植物」として大切にされるが
あまり美しくないと「雑草」と呼ばれ、むしりとられてしまう。
しかしこれはあくまでも「人間から見て」という注釈が入る。


人間は単純なので美や可愛さの基準も単純なのだとおかあさんが教えてくれた。
独特の考えの人ももちろんいるが
たいていはその時代時代で流行りがあるのだそうだ。
ぼくにはよくわからないが
ぼくはぼくをたいせつにしてくれるおかあさんがすきだ。

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茶々は通行人に人気がある。
門の前に座り道行く人に「馬鹿っ!うざいのよ!あっちいけ!」と罵声を浴びせることを日課にしているのにもかかわらず、
通行人からは「ちっちゃーい!かーわいいー!元気だねぇ!」などの声援を受けている。
きょうなんか「ちいさくってとってもかわいい」と言われた上に「ありがとう!」と感謝されていた。
小さいことはありがたいのか?
小さい=ありがとう の図式がぼくにはよくわからないが
茶々をみていると妙に説得力があり、「そうなのかもしれない」と思わせる力がある。
じじぃは茶々のことを「師匠」と呼ぶが、それも一理ある思った。

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桜の花が咲くと虫が寄ってくるというのは桜にも利益があって納得できるが
人間が寄ってきて木の下で騒いだりするのがどんなふうに桜の利益になるのか?と ふと考える。
宴の残りかすが肥料になるとか?

とにかく、桜が咲いたと言っては騒ぎ、散ったの、次は八重桜だの、やっぱり山桜は風情があるだの
勝手なことを口々に言って文章を書いたり句を詠んだり写真を撮ったり絵を描いたり歌にうたったり
活発にうごめいているさまはとても正常とは思えない。
いったいなんなのだろうか?
まだ考える余地は充分にありそうだ。

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先日、ぼくの兄(といわれている) リクが泊りにきた。
リクは車で20分ほどで着く「じじぃの従妹」のうちで「王子様」という職業に就いたらしい。
なんと甘ったれで抱っこ犬だ。
すっかり「王子様」になりきっていて
うちではとても落ち着きがなく、おかあさんに抱っこをせがんでいる。
だいたいぼくのいえは人数が多くてそれでなくてもなかなか抱っこしてもらえないのに
たまたま泊りに来て抱っこ抱っことさわぐとは、、、、
兄というものは我がままなのであった。
そしていまでもしつこい。
おかあさんが「まぁなんてかわいいの!」とか言ってて腹が立つ。
ぼくのほうがどうみてもハンサムだし。


贔屓や差別は良くないとされているらしい。
ぼくはおかあさんに贔屓されているが
それを悪いことだと感じたことは一度もない。
あまり好きでないことを良い風にいったりするのはどうかと思うが。

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