天野ナス。

ぼくは黒っぽい犬。じゅうにん家族。

2016年09月

DSC_2994
夏休みになると毎年うちに「偽おかあさん」というのがやってくる。
外国という、日本ではないところから来るのだそうで
だいたい1~2か月うちで過ごす。

「偽おかあさん」はお母さんによく似ているが、似て非なるものだ。
性質はじじぃに似たところがあって昔の出来事を恩着せがましく言ったりする。
「離乳食を食べさせてあげたの誰だと思っているの?」とかだ。
その頃のぼくはやっと目が開いたばかりで誰が何してくれたとか全然覚えていないんですけど
離乳食を食べさせて下さったのならありがとうございます、と言っても
ぼくがとてつもなく人見知りでなつかないので悲しい顔をする。
それでも不屈の精神で「偽おかあさんだよ 偽おかあさんだよ」と迫りくる。

最初から「偽」だと公言してくるところなどは好感が持てるので
うーんそろそろなついてみようかな?と思う頃に夏が終わって「偽おかあさん」はまたどこか自分の家に帰っていく。

DSC_0081
この夏、ぼくは3歳になった。
ぼくたちは人間よりも早く成長するので、、、
(・・・といえば聞こえはいいが寿命が短いというのがほんとのところだろう。)
とにかく、3歳といえども人間のような不束者ではない。
生きていくための大抵のことは勉強済みだ。

じじぃの換算によるとぼくは少年から青年になりかわるあたりらしい。
しかしおかあさんはあいかわらずぼくのことを「黒あかちゃん」と呼んでいる。
おかあさんのためにぼくはもう少しの間、赤ちゃんでいてあげようと思った。

このページのトップヘ