天野ナス。

ぼくは黒っぽい犬。じゅうにん家族。

カテゴリ: ぼくたち。

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散歩の途中でマルちゃんに会った。
ぼくは犬が苦手なのでおかあさんの後ろに隠れて話を聞いていた。
「この子はマルちゃん、マルチーズだからマルちゃん」 と
マルちゃんのおかあさんが言っていた。
しかしマルちゃんはキャバリアだ。

ぼくのおかあさんがマルチーズとキャバリアを見分けられないはずがないのに
おかあさんは「かわいいですね、マルちゃん」とこたえていた。

あの子はキャバリアだよね?とおかあさんに訊くと
「生死にかかわらない間違いは特に訂正しなくても良い場合が多い」 という。
笑いが取れそうな場合は訂正しても良い、とも言っていた。


ぼくはマルちゃんのおかあさんがどこかで恥をかきやしないかと
ちょっと心配になったけれど、おかあさんがそういうんだったら
マルちゃんはマルチーズということでもいいか、という結論に至った。

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うちでは女性チームはお酒に強く、男性は弱いか下戸だ。

最近はなぜだかあまり飲まないが、ぼくが生まれる前はモ二ちゃんやぽっちゅねえちゃんはおかあさんがビールを飲み始めると「わたくしもいただくわ」と所望して飲んでいたそうだ。
犬助おとうさんもお相伴にあずかり飲んでいたけれど、ある日飲みすぎて千鳥足のあと壁に手をついて苦悩のポーズをとってしまい、その後は「ぼくは結構です」というようになったそうだ。
ブチや助男先輩はそもそも下戸で飲めない。
ピバールにいたっては誰も勧めもしないからどうなんだかわからないけどのんでいるところをみたことがない。
ぼくは気味の悪いものには近づかないようにしているので飲まない。
じじぃはとても癖が悪い。
飲み始めると止めることができなくなるうえに、弱い。
モ二ちゃんにからんで「おとうさんなんか大嫌いですわ、格好の悪いのですもの。」と言われ軽蔑されている。
ぽっちゅねえちゃんがひとりでがんばって介抱している姿をときどき見かける。

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茶々は通行人に人気がある。
門の前に座り道行く人に「馬鹿っ!うざいのよ!あっちいけ!」と罵声を浴びせることを日課にしているのにもかかわらず、
通行人からは「ちっちゃーい!かーわいいー!元気だねぇ!」などの声援を受けている。
きょうなんか「ちいさくってとってもかわいい」と言われた上に「ありがとう!」と感謝されていた。
小さいことはありがたいのか?
小さい=ありがとう の図式がぼくにはよくわからないが
茶々をみていると妙に説得力があり、「そうなのかもしれない」と思わせる力がある。
じじぃは茶々のことを「師匠」と呼ぶが、それも一理ある思った。

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先日、ぼくの兄(といわれている) リクが泊りにきた。
リクは車で20分ほどで着く「じじぃの従妹」のうちで「王子様」という職業に就いたらしい。
なんと甘ったれで抱っこ犬だ。
すっかり「王子様」になりきっていて
うちではとても落ち着きがなく、おかあさんに抱っこをせがんでいる。
だいたいぼくのいえは人数が多くてそれでなくてもなかなか抱っこしてもらえないのに
たまたま泊りに来て抱っこ抱っことさわぐとは、、、、
兄というものは我がままなのであった。
そしていまでもしつこい。
おかあさんが「まぁなんてかわいいの!」とか言ってて腹が立つ。
ぼくのほうがどうみてもハンサムだし。

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ぼくたちが住んでいるところには季節というものがあって
それはだいたい4つに分けられている。
春 夏 秋 冬 だ。
ぼくは夏のはじめにうまれたので
「春」という季節は最後に経験した。
冬は寒い。寒いとけっこうつらい。
そんなかんじで四か月ほどすごすと
地面が暖かくなって落葉樹は緑を取り戻し草の芽が出てくる。
それからついに花盛りの時を迎える。
とくに、「桜」という木に花が咲くとあたりがざわめきだしてさらには浮かれだす。

花は好きだ。
おかあさんが植える草に咲く花を片っ端から食べて叱られる。
でも「桜」みたいに節操なくたくさん一気に咲くものはちょっとびっくりする。
それに「木の花」は高いところに咲くからぼくが見るためには首に負担がかかりすぎる。
というわけで、そんなに興味はないのだけれど
おとうさんや、とくにおかあさんは「花見」というものをしたがって
それにぼくたちを無理やり連れて行って無理やり写真を撮ってご満悦。
理解しがたいけど、おかあさんが喜ぶのならぼくは良いと思ってる。
まぁそんなふうに「春」というのが始まるわけです。

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