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ロバート・デ・ニーロの古い映画を見た
レイジング・ブルだ

デ・ニーロが演じたのはプロボクサー
現役時代から引退後まで
その体型の変化を
20数キロとも言われる体重の増減量で演じきったことが
公開当時話題になったことをよく覚えている
そしてこの作品がデ・ニーロに初めての
アカデミー主演男優賞をもたらしたこともまた然りだ

モノクロームである
1940年代から50年代のニューヨークを描くのに
そしてこの希望の欠片すらない映画に
この手法は良く似合っていると感じた

そう 希望の欠片すらないのだ
前半の成功物語から後半は転落物語
しかし成功物語の頃からすでに
転落というか破滅の予感が付き纏う

本物のプロボクサーと見間違うような圧倒的なデ・ニーロ
引退して太ってしまった元ボクサーを退廃的に演じるデ・ニーロ
どちらも素晴らしかった

破滅型人物の転落物語を破綻的に描いた
映画「レイジング・ブル」
見ることが少々辛かったほどに満足である

1980年製作 監督:マーティン・スコセッシ