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2023年12月27日

グリーグ

いつものことながら、新しい曲のアレンジに向かうときはひるむものです。できないんじゃないか、とか、合わないんじゃないかとか、そういうネガティブな感情が起きてしまいなかなかエンジンがかかりません。とくにグリーグとなると、冒頭からして超有名ですし、おそらく知らない人はいないんじゃないかって、だから何をやっても見劣りしちゃうよなって、そんな風に思うと、なかなか手につかないんです。大曲の場合はなおさらです。そうやっていく日も何にもできない時間が過ぎ去っていきます。それで、何も考えずに、まずピアノの独奏パートをプロットしてみました。これは音符を写すだけですので、写経のようなものです。グリーグの足跡をたどりながら、遠いフィヨルドの凍てつく大地と、切り立ったリアス式の入江を連想しながら、厳しい自然に対峙しながらこの作品に取り組んだのだなぁ、などと思いながら写していきました、それにしても音符が多くてびっくりです。こんなのひとりで弾けるのだろうか?左手で凄い流れるようなスケールの連譜に乗って右手で複声の旋律を奏でたりするんです。その連譜を書き込むのに一苦労です。13連譜とか15連譜だったり、もう縦横無尽に駆け抜けて行くんです。いやぁ、これを弾く人は尊敬だなぁ。そんな風に、本当に1ページずつ写していきました。実に地道な作業です。でも、この曲をマンドリンのバックでやってみたい。そう励ましながら、牛歩の歩みの如く前進していきました。協奏曲や交響曲は大抵1楽章が長いのです。ですので、l1楽章の音を写し切れたときの達成感はまるで登山で頂上に立ったときのような感じだったかもしれません。2楽章は短くて、するりと終わったようでした。3楽章はいかにもグリーグらしい舞曲で、農民の収穫を祝って踊るときのステップを踏むようで、楽しくなりました。一旦弾みがつくと一気に終えることができました。いやぁ、大変でしたが、何ともいえない充実感でした。グリーグの協奏曲は冒頭は誰でも知ってふと思いますけど、まるで長い旅に出かけるように、次から次へと風景が移ろいでいきます。こんなところもあったのか、と改めてこの曲の凄さに気づくこともできました。一通りピアノのソロパートができると、あとはスコアをみながら、ここはマンドリン、ここはドラ、いやチェロがいいかなぁと割り付けていきました。ギターは何をしようかなとか、このあたりは妄想しながら進めていきました。不思議なもので蒸気機関車が発進するときはものすごいパワーがいるのと同じで、ひとたび動き出せば、あとは慣性の法則よろしく転がっていきました。北欧の曲は弦でやってもトレモロのように奏するところもありますので意外にマンドリン合奏でやっても味わいが出るかもしれません。シベリウスなども、まるで木々の葉が風にビュービュー吹かれて震えるような音がよく使われていますが、グリーグにもそういうところどんな音が鳴るかを楽しみに、更けゆく夜空を仰ぎながら、お酒を傾けるのでした。002D7D3C-B62A-48B6-95FE-4B17CEF4E518  

2021年11月30日

4楽章

4楽章のこと

冒頭のフレーズ、2拍目、指圧いたしましょう!
8分音符は単打にするか、短いトレモロにするか、迷うところですが、その先のことを考えると、単打でいいかなぁと思います。ただし、スタカートにならないように。ダーアダンみたいに、わずかに余韻を残して凄みのある意味深い音になるように工夫してください。その音は弱くならないように、むしろ出っ張るくらいにしてください。
3からも同様に終わる8分音符は存在感のある音で、さらに4からは1拍のフレーズの終わる音は16分音符になりますが、性格としては同じようなイメージの単打音でお願いします。
6からは再びフレーズの終わりは8分音符になりますが、ここもフレーズの終わりは少し長めに抜いて行くように、それでクレッシェンドいたしましょう。
8は、その前で終わった音が繰り返されるイメージで広がるようにクレッシェンドしてください。Sostenutoの表記はありませんが、ここは定石通りためたいと思います。
9はAllargando。ここもよくあるように。障害を超えて行くように、向かって行くエネルギーを感じさせるように。決して怯むこともなく果敢に乗り越えていく感じです。なんだ坂こんだ坂と唱えながら!

10のドラは突き抜けるように咆哮してください。最初の2分音符のイメージですが放ってダーアーンとやってください。
ダーアーンディーダー ディーイン ダダーンという感じ。このアーンというところ指圧&放物線的に伸びるイメージです。これは18から加勢するチェロも同じです。

10のドラ以外のみなさん4分音符は拍分しっかり響かせてください。タンではなくターンというイメージです。

26からのマンドリンの最初の2分音符はトレモロで敷き詰めるのではなく、2拍目の裏入り後にトレモロを止めて余韻を残すように弾いてください。放ったときの響きがハーモニーとなって聴こえるようにしてください。ここはかたくなな感じを出しましょう。27の頭の付点4分音符と3拍目の2分音符も同様に放ってください。これらトレモロの音はテンションを保持するように、保持して放ってください。

27中低音の2分音符も同様に弾いてください。

34のアウフタクトはおおらかに息づいて。34〜39まではは全体的にレガートいたしましょう。ちぇろ、ローネ、ベースもたっぷりと音を鳴らしてください。2分音符は次の拍にかかるくらい鳴っててください。そうするとおおらかな感じが出せます。36のような音形も1拍目、3拍目ですね4分音符を長めにとることで広がりを表すことになるでしょう。

40、41からは頭をくっきり描いて勢いを感じさせるように、3、4拍で抜くことも重要だと思います。42からは2拍ごとのパルスで、勢いをつけて抜くように。43の前半までですね。すると43の後半の開始音は抜いたところから44に向かって突進していくように盛り上げてください。

44のマンドリンのみなさんは3連譜をくっきり描くように踏みしめるように轢弾いてください。45の2拍目の音をしっかり保持してください。
46の後半は山をつくってください!
この44のギターの後打ちはギターだけですのでくっきりやってください。ブンパブンパよろしく、たのんます!

50〜53は2小節ごとに流れるように、とくにドラとセカンドのみなさん、レガートでお願いします。ここの管パートはスラーは2小節にいたしましょう。

58からのマンドリンは難しいですね。ここは難所なので、しっかり練習されてください。とくに2拍目の音の響きです。パツパツにならないように。1拍目の3連譜もしなやかに。急がない感じでたっぷりと描いてください。タリラリーラリーラリーラです。このタリラリーの感じをなだらかにできるようお願いします。2拍目に向かって盛り上げて2拍目にはスフォルツァンドとなっていますが、自然に盛り上げて到達する音で結構です。この2小節は横の流れのほうを意識したいと思います。むしろ2拍目の音で指圧するようなイメージです。

一方で、60からは2拍単位の縦がくっきりしていくように、がっしりとしたものを描いてみたいと思います。そり立つ絶壁のように。それでもタリラリーラは同じように、ただし少しくっきりとやってください。リーラのリをグッと押すようにすればその感じが際立つことでしょう!その形を維持しながら、次第に弛緩していきます。

64のファーストは、ここも難所ですね。トレモロが思うように乗らない可能性があります。でもここはレガートなのでトレモロでまいりましょうタカタ タカタ タカタとダブルでやるということも検討してみてください。ややルーズにピックを保持してテンポの移ろいをコントロールしてください。(ピッキングで弾くようにしてアップをダブルノートするみたいに)

65のギターはファゴットと重なってますが、全く問題ありません!いい感じですので、この調子ででよろしくお願いします!
70からのフレーズですが、最初の3連譜でグッと気持ちを入れて盛り上げて71からの音型で弱まって行く感じです。ここからこれが出る度に同じようにやってください。なんていうか、勢いみたいなもの、弾みをつけるように!

66からのクラリネットですが、ここは67ですこーし、ほんのりとゆったりしてください。しかし、失速しない程度に柔らかくなっていってください。68で戻すようにいたしましょう。ここは淡々と進んでいってください。ほぼインテンポでまいりましょう。すっきりと一定のテンポでしみじみとまいりましょう。この甘い調べはクラリネットにピッタリですね。
68、69で山をつけますが小節を跨ぐあたりをふくよかに、念入りな感じで来てください。
大きくしていくところはほんのりとテンポがおちるのかもしれません。というか念入りな感じです。69、70、71はすっきりと抜けていってください。再び72から盛り上げますが、ここも入念に!

68からのトレモロパートは細かいトレモロにしましょう。ピックを少しぶらぶらさせて、回転数を上げる感じです。それで潜伏している感じを出しましょう。どこか張り詰めたようなものも欲しいです。ピアニッシッシモではあるけどテンションはずっとキープしましょう。70のクレッシェンドは凄みのようなものが欲しいです。

76、77のクラはここは小山で。

79はセカンド、ドラはほんのりと小山を!

80、81はクラ、もう一回小山です。でも76、77よりさらに小さな小山です。

83はまったりとなって(僅かに弛緩して減速)84のアウフタクトはたっぷりととっください。ただし大げさにはならないように、ほんのりとです。ここからのファーストはいいところですね。いやぁ、ここ、泣けますよね。84、85大きなフレーズで捉えて84でやや加速気味に、気分が高揚してきて、うずうずして居ても立っても居られない感じです。それで向かっていきますが85の2拍目をたっぷりと、おおらかにいたしましょう。86、87も同じように。88〜91までは一つの流れでゆったり拡張しながらクレッシェンドしてまいりましょう。91の後半はゆったりとしてください。

92に入ったらここからはブルドーザーで一切をなぎ倒して墾田するように突き進む推進力をともなった音楽に切り替えましょう。イチニイサンシイとやるときにイチーニーサンーシーのイチーとかサンーみたいなところを指圧でグッとやりながら、それでも突進していくように入念に描いてまいりましょう。ギターもザーンとやるときに波が水しぶきを上げながらザブーンとくるような満身創痍の音でザーンとやってください。ザーンというよりはザブーンという感じです。

93、94は拍子のパルスをくっきりさせてサバサバとして、包丁でチョンチョンチョンチョンオッパッピーみたいにチョッパーを効かせて、お茶の子さいさいみたいに、歯切れ良く!マンドリンの8分音符は頑なな感じでくっきりと!

96〜99はこの2つのパターンを繰り返します!

100〜103はおおらかな横流しの音楽にしましょう。2小節単位のフレーズにいたしましょう。ここはおおらかに!

100からのチェロとローネ、ベーの動きは謎めいていますね。今度ここをやってみましょう。横流しの中でのことではあるのでおおらかに捉えることだけは確かだと思います。
ドラの動きと合わせてアンサンブルを固めましょう。シンコペーション的になっていますので、ザーンという感じでしょうね。やってみましょう!

104、105はパルスでサバサバいたしましょう。

106からはコンパクトに、ファーストはかたくなな感じで歯切れよく、3拍目の16分音符がもたれないようにキュッとしてください。

112からのセカンドはレガートを効かせてコーラスのように歌ってください。とくに最初の4分音符2つの音を丁寧にティーラーラーとやるときのティーラーですね。

114からはセカンドに導かれるようにギター、ローネ、ベースも最初の4分音符を歌ってください。

118ファーストキュッとやる16分音符が続きますので、がんばってください。119ではついに16分音符ばかりに!コンパクトに風車をぐるぐる回すみたいにいたしましょう。

120、121のファーストは最大の難関です!ここは急がずに、トロトロのトレモロでいい塩梅でレガートで登っていってください。みなさんのチームワークに期待しています。ここは難しいのでよく音を取って置いてください。次回の練習でここは念入りにいたしましょう。
仮面のオッパッピーータカタカタカタカタカタカタカタカタンのところもしっかり決めてください。がんばりましょう!
登りつめたところのG音が綺麗に鳴るようにしてください。ここはとっても美しいところでもあります。登っていくときにディミニュエンドが
かけられたら最高だとおもいます。最後のあたりはスーッと弛緩していくようにできたら最高です。みなさんで力を合わせればできると信じています!

122からはティントンティン ん ティントンティンとドラ、チェロ、ローネ、ベースで4分音符で降りていきます。このティントンティンの後の休符ですが、これが短くならないようにいたしましょう。実際の長さよりほんの少しだけ長めにとっていただけたら落ち着いた感じに聞こえます。不思議なものです錯覚みたいなものですがインテンポでディジタル的にやると前のめりになっているように聴こえてしまうのです。テイントンティンの最後のティンで終わる、そのブレスのようなものが欲しいのです。ティントン終わり ティントン終わりみたいにです。それでベースとローネが2拍目から出ますがその音符を少しだけ長くとると落ち着いた感じで描くことができるでしょう。

128からも同じで3拍目からティーラーと弾きますよね。それで次の129の2拍目を長くとる。つまりここは弱起の3拍ではじまって、次の小節の前半で終わる。そのおわるときの音は長くなるのですね。そういう感じで行きたいと思います。
129トレモロは2拍目の前半でやめて余韻を残してください。それでふわっとなると思います。(マンドリン、ドラは3、4拍はスラーのイメージ次の小節の2分音符までスラーにしましょう。その後も同じように。)

132はスフォルツァンドでディミニュエンド。ギターの旋律だけは133の前半くらいまでは気落とさずに。居残り当番みたいになります。その先はディミニュエンドします。

136前半のセカンド、ドラはレガートで!その先は128でやったのと同じように。

142、143のギターはパターンが変わりますので、ここは歌ってください。143のH音には山形のアクセントがついていますが、この音はヴィブラートをかけましょう。

144チェロ、ローネ、ベースの頭の4分音符はテヌートして音符の長さ分佇んでくださいいたしましょう。
145ファースト、これは3連譜の最初の音をくっきりと。

152でフォルテになりますが、慌てず3連譜を3つづつ、くっきりと描いてください。連譜最初の音が短くならないように、存在感のある音でくっきりと。

153ドラの最初の4分音符はくっきりと。ズーンとやってください。テヌートのようにその音の存在が際立つように。その後の8分音符はコンパクトに。

157、158の3拍目の3連譜は、その最初の音をキュッとやるようにトゥイッティティというふうにクイっとやる感じで弾みをつけてみましょう。正確なタイミングで。このモチーフは3楽章のものでしょうか、変形してますが。

170のギターは付点音符は8分音符と16分休符に変更してください。その8分音符もスタッカート気味に弾むようにしてください。
その前は2楽章のなだらかなフレーズですが、ここからパルスを感じさせるように切り替えます。ティッタターこのッのところに隙間があるように小気味いい感じでパルス的にリズムカルに表してください。

176、177はおおらかに描きましょう。177の4拍目をたっぷりととります。178突っ込まないように!ここのメロディはチェロとギターですが、くっきりやるというよりは2小節間のスラーをかけてレガートでまいりましょう。182、183も同様です。

184からは全体的に刻んでいる感じにいたしましょうきっちりしている感じでツンツンツンツンと弾みをつけるような感じですね。料理職人が道具でも整えるかのようにせっせと器具を点検してるみたいに、せっせと整えるような感じです。テキパキしているような感じでお願いします。

184からのギターですが、8分音符は全てスタッカートで、付点8分音符は8分音符と16分休符に変更してください。
184〜189までのメロディは22小節ごとのスラーでレガートしてなだらかな丘をつくるように息づいてください。少しずつ大きくなっていってください。

184からのマンドリンの音形はちょっとやっかいです。チョイイン チョイインと
やりますがこの頭のチョにクッと入れるような感じです余韻で弾んだようにしてみてください。オクターブ上がったほうは相対的に少し弱くなっていいと思います。このパターンで少しずつ聴こえてくるように大きくなっていってください。ここの頭の休符を正確に取ってください。ふー チョイイン チョイインですね。ふー というのが休符です。イチーという感じで何もない休符も間を弾くように!

190、ここはたったの1小節ですが、たっぷりとした音楽になって!堂々とまぐろが横たわるように、くじらでもあざらしでもいいです。おー、これが今日の獲物なのだなぁ!

191は対照的に料理職人ですので颯爽と!こっちはどちらかというと前のめり気味に、やっぱり颯爽とした感じというのが相応しいです。

192は獲物、まぐろです。こちらはたっぷりと。

193は調理人。

この交互に現れる感じをくっきりと描き分けたいとお思います。
そうするためにそれぞれの小節の最後でブレスいたしましょう。
まぐろのほうは悠然たるたっぷりとしたブレス。トトロのあくびのように!
料理人の方は4拍目で。ターリッラッリーラーーー4拍目をたっぷりととりましょう。

194、195は調理人が繰り返されますが、毎回4拍目をたっぷりととりましょう。

196になるとそれまでの3、4拍のところの繰り返しになりますので2拍目も長く4拍目も長くとなります。このパターンを4回くり返した197の最後のブレスは長めにいたしましょう!

198はいよいよまぐろの全体像が表出します。誠におおらかに。このメロディは2小節のスラーのイメージで、広がりのあるおおらかなものを描いてみたいと思います。

200マンドリンの3拍目のスフォルツァンドは激しい音で、その音しっかりと保持して(弱くならないでください)それで201のダブルノートは大きいままで畳みかけるように降りてきてください。ここは崖を駆け下りような壮絶な音楽にならなくてはです!
202、203も同様に。204〜207はなんとクレッシエンド!どこにそんなエネルギーが残っているのか!そう考えると余力を残しておかなければですね。

208、ここですね。ここが到達点。ここは鈴木静一みたいになってすべての音をテヌートかけてまったりといたしましょう!213の最後の後打ちは8分音符になっていますが4分音符になって余韻をたっぷりと残して立ち止まりましょう。余韻を切ってから、改めてゆったりと209へ、ここはしみじみとした音色で、とぼとぼとまいりましょう。210まではゆったりとしたテンポでまいりますが、ここは4つで振ります。
210からそのままのテンポで進んでいきますが2つで取ります。226でぐっとテンポを落とします。ここは気持ちを込めましょう

211に入ったらテンポを戻します。2つ振りですのでこの切り替えをしっかり共有しましょう。とくにローネ、ベースの4分音符の刻みを決めてください。ここは気配で合わせましょう。アンサンブルですね!

211からは情熱的に最初の2小節はクレッシエンド次の2小節はディミニュエンドで。クレッシエンドは前のめり気味で、ディミニュエンドは弛緩して。次の2小節はクレッシエンド、次の2小節はディミニュエンド。ここのチェロがんばってください!情熱的に!ドラもきれいにハモってください!ここは美しいところですね。

235からはもう一山ありますね。そして迎える237、ここのチェロは聴かせどころです。この曲で一番いいところかもしれません。ここはたっぷりとまいりましょう。2拍目から3拍目までの跳躍!ここは丁寧に描きたいです。

243からはマンドリンですね。いやぁここからは凄いです。247の頂を目指して盛り上げていきましょう!4小節かけて盛り上げていきますので、これは大山ですね。富士山だなぁ!
折り返しのディミニュエンドもまた4小節かけてですね。

251からは旋律は4小節の山を、ギターのアルペジョはふくよかに253、254の小節の山で。これを繰り返します。

238からのファーストは再び難関ですね、この3連譜をいい感じで乗ってきてください。その先261からは16分音符になりますが、急に早くならないように、遅めに弾くくらいでちょうどいい塩梅になるでしょう。

まだ先がありますね。長大な曲です。ほんとに。

267からは4小節のなだらかな丘。管楽器は1小節ごとに小山を、でも全体としては4小節の山になるように、スクラムを組んでください!

ギターは旋律を追いかけてエコーみたいに聞こえるように。ここは力を抜いて!

271からはドラのみなさんホルンに変身してください。次第にテンポを上げて275に突進いたしましょう。ところが275に入ったら少しテンポを落としましょう。堂々としたテンポでそれでも前のめりにはなって突き進んでいきましょう。ここは感じを掴むのに一苦労ありそうです。

277は流れも保ちつつアラルガンド致しましょう。とくに278後半の3連譜あたりで、力を込めて、それで279に入ったら今度はテンポを上げて突進します。一気に飛び出すように!
288で再び減速!289からの4小節間はおおらかに。

293からは再び奮起して前のめりになって!

299からは2楽章のコラールのように1小節ごとにブレスして!

305は絶頂!そこから8小節かけて減衰します。富士山の裾野のように!

313からは減速します。4つで振ります。

320のティンパニのアウフタクトからさらに減速します。ドラの旋律は神妙な感じで。放心状態、恍惚となって。323あたりがどん底です。

325でアテンポしますが一気に盛り上げて、326後半でアラルガンドします。

327、328hはユニゾンでソステヌートしましょう。悲劇的に悲痛な叫び声のようになって。

331はこの楽章最大の音でフェルマータかけましょう。
332ではまんどの響きだけが残ります。

333からはソステヌートを効かせて、小節線を乗り越えるところをくっきりと、たっぷりと!2小節ごとに2拍目を長く!

337からはテンポを戻して2拍目、3拍目をを強く!強い音は少し幅広に!
この終わりは勇壮な感じなのに、どこか物悲しさのようなものも感じさせます。空虚なものすら感じさせます。おそらくそれはドボルザークが終始抱いていた故郷に馳せた思いが所以なのかもしれません。そして最後の残る残響にそれが表されているのかもしれません。

いやぁ大曲です。大曲ですが、あっという間でしょう。
みなさん、ここにしかないマンドリンオケの新世界を描いてまいりましょう。
よろしくお願いします。

2021年11月末日

小穴 雄一DA6DD4E5-C9D9-4F86-976B-ED10A28B3400  

3楽章

3楽章のこと

この曲、難しい!この2小節で3拍子になってるのがスラブ的なのかなぁ?チャイコフスキーにもいっぱい出てくる。でもめちゃくちゃ楽しい!これはスラブ舞曲そのものなのですね。民族衣装の袖を振り回しながら踊りまくるんでしょう。これ、ほとんどアンコールのスラブ舞曲とおんなじノリですね。

さて、この曲1小節を3拍でカウントしないのがいいかもです。むしろ4小節を4拍に感じるっていうんでしょうか。1小節を1拍とすると4小節で4拍です。そうやって捉えてみるとノリだったり流れのようなものが掴めるかもしれません。

まずこの旋律ですね。これを固めましょう。「スッタカタッ/タッタッスッ」ですね。これが随所に現れます。スッは休符です。次は「スッタッタッ/タカタッスッ」。このパターンで大事なのはスッとタッが対等だってことですね。スッがつまり最初の8分休符の
長さですね。休み過ぎは禁物ですが短すぎるとつんのめってしまう。三角形が均等にくっきり描けるといいですね。後半もタッタッスッ3拍ありますが音符も休符も対等になると締まります。これを正確に、くっきりといたしましょう。低音で出てくるところも同様です。「1 スッタカタッ/2 タッタッスッ」「3 スッタッタッ/4 タカタッスッ」このセットで4拍子になります。

ここで譜割りの話しですが、このスッタカタッというやつを弱起とするかどうかですが、ほんとうは弱起なのでしょう。それが証拠に42からの4小節で捉えてみるとこの2小節3拍子がぴったり当てはまります。

そう考えてみると5小節目からは3拍子が3回と捉えれば13小節で弱起になります。14小節からは4小節。という具合に。でもこれだとわかりづらいので間違っているかもしれませんが5小節からずっと4小節単位で捉えてみましょう。そうやっていろいろな指揮者の捉え方について見てみました。

チェリビダッケ ミュンヘンフィル https://youtu.be/_9RT2nHD6CQ
遅い!気配で信号を送っている感じ。
よくわからないけどティンパニが炸裂するところは1拍で捉えているように見えます。

マルゼーナ フランス国立放送管弦楽団 https://youtu.be/OV0KkYUa6iA
とにかく速くてついていけない感じ。ティンパニ炸裂は弱起ではなさそう。

カールベーム ウィーンフィル https://youtu.be/iXXifoVTLjo
この人やっぱり尊敬だなぁ。棒は謎な感じもあるけど、棒を振ってるんじゃなくて音楽を導いている感じ。それでオケのアンサンブルが引き締まってる感じ。

三橋さん京都交響楽団 https://youtu.be/Ak6SugzsoE4
普通に4ずつに聴こえます

伊藤さん洗足学園マリンバオケ https://youtu.be/K0vfNm8thbA
こんなにマリンバ奏者がいるなんてびっくり!
普通に4で取ってる感じ。

ベッカン ギムナジャ クランジ交響楽団 https://youtu.be/O_tPb4JFgmw
明らかに4つに感じてる。繰り返しのときによくわかります。

シモノフ NHK交響楽団 https://youtu.be/qdxV9JJaAqo
この方かなりユニークな指揮ぶり。かなりはっきり4つで取っています。

というわけで、はっきりはわからないけど、4つでいいのかなぁ。でもそれが無難な感じもします。なので4つでまいりましょう。

5小節から4つずつ振っていきます。そうすると52までは4つきれいに収まります。
53、54、55は半端で56から4つ。

5〜8 小節の頭に気持ちを入れるように。2分音符はハレー彗星のように。

9〜12 ここも軽く小節の頭くっきりとさせてください。ズンタッタみたいに。

13〜16 17〜20 管(フルート、オーボエ、クラ)

21〜24、25〜28 ファースト セカンドはさりげなく始めてクレッシェンドを効かせてください。2小節ごとになだらかな山を作るように、でもしなやかに流れるように。

29〜32 経過句 ここは引き締めてガッチリとまいりましょう。速くなって崩れてしまわないように、くっきりと弾いてください。

33〜36、37〜40 ここは硬めの音で短めにくっきりと、しっかりスクラムを組んで、一音一音張った音で飛ばしてください!

41〜44、45〜48 マンドリン対管の掛け合い!ドラとギター下のみなさん、といっても全員でもいいかも。はリズムが難しいですがこの流れがしっかり聴こえるように!がんばってください。

49〜52、53〜54は低音のみなさんのメロディ!これ埋もれないようにくっきりとお願いします!チェロは41からのドラに合流してこのリズムをくっきりと歌ってください!

53、55は半端ですが56〜59は全員でスクラム組んでくっきりユニゾンしましょう!

なんだかすっきりしますね!

60〜63からのマンドリンですが、3拍目を意識してください。
タリラーーータリラーーーこの「ーー」の間を共有したいと思います。突っ込んでしまわないように!

64〜67 ここは難しいところ。減衰していきますが、67で次の68からのテンポを決めます。
64からのセカンド、ドラ、チェロのみなさん。1拍目の音は2つとも、よく響かせてください。2つ目の音は16分音符ですが、余韻のある音でお願いします。

68〜71、72〜75 フルート、オーボエ
76〜79、80〜83 クラ(クラのメロディ遅れないように、また音が大きく鳴りすぎないように、技術的に難しいと思いますが、がんばってください)

84〜87、88〜91はファースト、柔らかく弾いてください。8分音符はピッキングで結構です。

92〜95、96〜98 (ここは1小節短いですね)ギター、チェロです。伸びやかに!

99で最初のテンポに切り替えます。

99〜102、103〜106 マンドリン。この間の4分音符刻みは頭を軽く叩いてください。

107〜〜110 はマンドリン対ギターの対話。

111〜118は 2+4+2 と、やや変則的。 ここは難しい。
113〜116 まではクレッシェンド。半音ずつ上がっていくチェロとローネの動きが聴こえるように。117〜118で一気に盛り上げて119〜122のチェロ、ローネ、ギターをくっきりと。
このあたりチェロ、ローネ、がんばってください!

123〜126、127〜129(ここは3つと半端)2小節で3拍子のパート咆哮してください!
ここはフォルテが3ですので最強音でまいりましょう。
ギター129の音ですが3拍目の4はタイを外してください。130の音は131と同じ音に置き換えてください。

139〜133、134〜137、138〜141という括りで。

142〜145、146〜149 付点2分音符の頭はアクセントをつけて。
150〜154 ここのクラはくっきりと。

154〜157 チェロ、おもむろに。レガートでなだらかな丘を描いてください。
ギターはフルートの後です。

162〜165 ここのセカンドの入りおもむろに。ここもまんなか膨らませてください。ギターも一緒ですね。

166〜169 ドラ、なだらかな丘を。おもむろに!
170〜171ここは2小節、半端です!ここでフルートとオーボエ。

172〜175 オーボエの次でギター入ります。このギターは次第に弛緩していきましょう。

176からの音形ですが、1拍目の音の長さを適切に。短くならないように。
ティーティラッという感じで。このティーというところを丁寧にテヌートするようにいたしましょう。

188〜191 は大きくなりますが、広がるようにゆったりといたしましょう。

193からはちょっとやってみたいことがあります。
イチニッとサン ってやってみたいです。
ニッというところ、2拍目ですね、そこをふわっとやる。ウィンナワルツみたいに自然に!

3楽章はこのあたりで。

小穴
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2楽章

2楽章のこと

1楽章が一番難物なので、しっかり書き留めようと思いましたが、二楽章のことも少しだけ書いてみます。これ、あくまでも私見なので備忘みたいなものです。

2楽章はほんとうにいい曲ですね。どうしてこんなにいい曲画像あるのかというくらい、いい曲ですね。楽器は違えども、この曲に取り組めるだけで幸せです。

まずは冒頭部。このコラール、実際のオケでもこの吹き出しはいきなり難所ですね。揃わないんですね。これをどう弾くか、うーん、2分音符の連なりですね。どうしましょう?
ひとつのアプローチとしては、2分音符を置いていくように弾くっていうやり方ですね。これがいいかなぁ?拍を16分音符で刻むとしたら、ダーーーーーーーですね。伸ばしている音をアで表すと、ダアアアアアアアです。この最後のアでトレモロをやめてしまって余韻にする、これでどうでしょう?ダアアアアアアンってやる。それで少しだけ終わるところを撓む(たわむ)ようにゆったりとする。つまりダアアアアアアーンみたいに余韻を味わって次の音を弾くみたいに。
さて、このダの音のイメージですがピアニッシモではありますが、しっかりと立ちあがる音にしたいと思います。くっきりとしたピアニッシモです。2小節目の後半は少し深い奥行きの感じられる音でワイドに入念に、入魂といってもいいかもしれませんね、何か意味のある感じで3からはゆったりと広がりながらクレッシェンドしてください。最初の2分音符はまだ冒頭の弾き方で後半、とくに4拍目はたっぷりとためましょう。4分音符で動く人がきっちり聴こえるようにリードしてください。チェロの上ですね。動いているのはその方だけです。今は完全に埋もれてしまっていますので思い切って主張してください!

4小節目ですが4拍目を長くとってふわりと音を抜きましょう。管楽器のみなさんは5小節の頭までタイになっていますが4拍目の終わりがそれくらい伸びるというふうに捉えていただければと思います。5小節目の弦はあらためて弾き直してください。そのときの音はコンソルディーノ、私たちだとスルマニコですね。弱音で厳かな響きでお願いします。最初の付点4分音符も全部トレモロで埋め尽くすのではなく音符の終わりでふっと余韻してください。それで次の8分音符をくっきり捉えてみてください。その8 分音符にはテヌートがついていますので、入念に弾いてください。このあたりはトレモロは短目にして余韻で次の音につなげるようにいたしましょう。 

7からのギター、とってもいい感じになってきています。この調子でお願いします。
付点の音たっぷりとやるのですが、付点8分音符の半拍あたりのところを意識して運んでいただくとくっきりするかもしれません。ラーララーなんですがラーアララーです。アのところは音は伸びてるだけですが、半拍の裏の場所を入念に描くようにしていただけるとくっきりするでしょう。11では下の人が8分音符で動きますので、半泊の表と裏が曖昧にならないはずです。ゆったりしている中でラーラリリーとなるわけです。ここは聴かせどころだと思います。次回の練習でやってみましょう。

21のギターの3連音符はよく響いて、深い音でゆったりと弾いてください。後半から引き継ぐファーストもしなやかに、モレンドしてください。さいしょの8分音符のイメージはやや長めになるように、ゆったりとされてください。それでディミヌエンドですね。遥か彼方遠くの方に遠ざかるように。

22からのマンドリンは冒頭と同じように2分音符ごとにトレモロをふわっと抜いて、区切ってみたいと思います。音の立ち上がりはしっかりといたしましょう。23の後半からドラが加わりますが、ここは深い音で入念に。24でクレッシェンド。後半ファーストの下、4分音符はくっきりと。ここでソステヌートして盛り上げます。

25前半の音は長めにたっぷりとって後半は広がりのある音で敷き詰めましょう。この音は長めに響かせてマンドリンは1拍目で、それ以外のパートは2拍目をたっぷりとって、ふわっと抜いてください。抜いた感じがタイの先の音になるくらいにいったら抜いてください。
抜いたら改めて弦のみなさんは3拍目を掴んでください。この間にブレス分の空白ができてもいいと思います。つかむ音はコンソルディーノです。ピアニッシッシモですが、聴こえるように弾いてください。

27ファースト最初の付点8分音符の弾き方はギターと同じように、半拍目のところを意識して裏のタイミングを測ってください。このときチェロは半拍で動いていますので、ここは丁寧に描いてください。

30後半のセカンドはシンコペーションがくっきり聴こえるように主張してください。

32、33はクレッシェンドしながら加速。33の後半から34にかけてゆったりとなっていきましょう。

46からは少しテンポを上げて、そわそわしたようなものを描きましょう。セカンドとドラのトレモロ刻みですが音が変わるところをくっきりとさせましょう。48は拍で動くパートが移りますがそれをくっきりやることで焦燥感を醸し出しましょう。

52で一気に大きくします、後半はゆったりと!53はさらにおおらかに、ギターの3連音符の動きは入念にラレンタンド。54は53で遅くなったテンポよりは少し戻すイメージです。

54からのベース、ギターはスウイングするように!
ファーストの32分音符はよく響いて、伝説の音のように。これはいったいなんでしょうか?エコーしているようにって言うのでしょか?どこかのヴァーレイにコヨーテか何かが遠吠えでもするのでしょうか?どちらかというと遅れ気味に聞こえる方が伝説的に聞こえるかもしれません。タリラリラリラリラーではなくターリラリラリラリラーという感じです。最初の音を長めにとる感じです。

64、65はやや前のめりにクレッシェンド。66、67は落ち着いていくディミニュエンド。67の終わりはたっぷりと、ゆったりしてブレス。68、69、70は前のめりにクレッシェンド。1小節長くなりますね。 71は絶頂、そこから2小節かけて衰えていきます。弛緩して72で減速。73からはそれ以上は遅くならずに淡々とまいりましょう。76、77で減速いたしましょう。弱くもなりますので減衰というべきかもしれません。特に最後の2拍はたっぷりと!

78からは八甲田山ですね。雪が降りしきる中をかき分けて歩いていくような感じでしょうか。コンソルディーノで、内にこもりつつも深い音で、ピアノですがしっかりと聴こえる音で歩んでいきましょう。ここのチェロがいいですね。ひとつひとつの8分音符はピックを柔らかく保持して、それで細かいトレモロで、羽音を立てるようにしみじみとお願いします。チェロとギターは小節ごとに山を築くように、小節の真ん中あたりが聴こえて来るようにしてみてください。このあたりのセカンドやドラも、チェロやギター流れてに、木霊して響き渡るように立体感のある空間を意識できたら最高でしょう。セカンドもトレモロで分割でお願いします。80、81も同様に小節ごとの盛り上がりでいいのですがその程度は次第に弱まっていく感じですね。82はディミニュエンド。ここは少ーしだけ減衰できるといいと思います。僅かですが。83、84は2小節のやまにいたしましょう。ここはグッと盛り上げてください。85、86は2小節ディミニュエンド。モレンド。ペルデンドッシいたしましょう。スモルツァンド。

そして87はどん底です。深い谷底のように低音の和音は少し大きめに。バグパイプのように!

89の1拍目はたっぷりとソステヌートいたしましょう。淡い希望の光が差してきます。

90からの6連譜の旋律は天使の横笛の音楽!アマディの横笛の歌Plfferataのように!一つひとつの16分音符をいきいきと弾んで、愛らしく、踊っているように、ピョンピョン跳ねながら遠くの方からやってくるように。3拍目、4拍目で5つ目の音は何か問いかけるように。疑問形でお願いします。3拍目は疑問形で、4拍目はそれに応えるように。対話してください。その8分休符の時間はちょっと間を置けたら最高でしょう。

95のマンドラ、頑張ってください。これが聴こえないとここはもちませんので。よろしくです。

95は後半の2拍でソステヌートいたしましょう。とくに最後の拍でためましょう!

96のチェロとギターですが1拍目から2拍目にかけて凄みのあるクレッシェンドをかけて存在感を醸し出してください。とくに上り詰めたCisの音。ここはしっかりと指圧してぐっと音を強調してください。ギターは押すことはできないかもしれませが確固たる音で鳴らしきってください。これが聴こえないとです。それで勇壮な感じをくっきりと描いてください。こういうのはライトモチーフっていうでしょうね。全編を貫いている重要なモチーフの一つです。これが埋もれてはならないのです。「出たー!」何かとてつもない怪物みたいなものが忽然と姿を現すみたいに!

96後半から97前半にかけてのドラですが、こっちは歌が欲しいです。その前のチェロ、ギターと同じようにやるのではなく、柔らかい音でハーモニーの美しさを際立たせてください。それほど強い音でなくともハーモニーさえしっかり表現できれば聴こえてくるでしょう。ここは咆哮する野獣と美しく歌う美女とのダイヤログなのでしょう。

96後半のマンドリンはさらにアウェイになって、これも重要なライトモチーフの一つですね、これはまるで天井人の歌うコーラスのように聴こえてきます。最初の付点音符の音を丁寧にテヌートしてください。96の最後の音と、97の最初の音はピッキングにいたしましょう。

ここは3つの要素が有機的に展開しますのでそれぞれの要素が聞こえるようにいたしましょう。

115からのファーストはフレージングを次の小節の頭までとしてください。116は1拍目の裏から次の117の頭までのフレージングで。117は1拍目の裏から118の頭の4分音符までのフレージングとしてください。
118の頭の4分音符はフレーズの最後ですので長めにとってください。2拍目からは220の頭までの長いフレーズで、それで220の頭1拍目の音は長くとってください。

220から弾き始めるコラールは冒頭と同様に2分音符の最後はトレモロをやめて余韻をたっぷりとってください。音の立ち上がりに気をつけてください。

123のギターと124のマンドリンのフレーズは1拍目の裏から3拍目の表まで、3拍目の表から次の小節の頭までとしてください。

以上です。

よろしくお願いします。

小穴
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2021年11月19日

新世界より 1楽章

新世界、少しずつ出来てきましたが、まだまだです!!

ドボルザークは旋律が美しいです。ですので、それぞれの旋律をどのように表現するかがとても重要だと思います。いまの状態ではただ黙々と音を拾っているだけ、まぁ弾くだけで精一杯というところもありますが、ひとつひとつの旋律の弾き方をしっかり統一して臨みましょう。そうすることで、旋律に命が吹き込まれるでしょう。ここを目指したいと思います。

一楽章
冒頭のギター。4分割でテンポを表すしかありませんが、実際には4つに区切ってしまうと台無しになってしまうでしょう。単打音で一番響くのはギターだと思って、ここはギターアンサンブルにしました。最初の音がどこまで響かせられるかにかかっています。4分割ですが、連なっているものを描くのであればむしろ8分割くらいのパルスを意識した方がいいのかもしれません。単打音ですと伸ばしている間をしっかり保つということが求められるでしょう。

9小節の4拍目の付点音符。この16分音符はエネルギッシュに描きたいのですが16分音符の後半で唸るようなものを弾き出して欲しいと思います。つまりディーラリではなく、ディイラァリィです。ディーと抜いてしまわず、ディイとイのところをぐっと力を込めるのですね。(この弾き方を音にグッウッと推すことから「指圧奏法」と呼ぶことにしましょう)その裏の32分音符は単打音になりますが弱くならないように、くっきりと聴こえるように。そして次の小節の頭もまた32分音符ですがこの小節を跨ぐ2つの音は対等でなければなりません。それで揺るぎない感じを出すことができるでしょう。両方とも短い音ではありますが、何の音なのかわかるように響かせて切る。この感じです。「ラリ」ではなく「ラァリィ」です。

16小節の中低音のフレーズ、これは主要なモチーフですね。付点16分音符と32分音符の組み合わせ、それに続く逆転する32分音符と付点16分音符の組み合わせ。この付点の音符は16分音符のあたりで指圧奏法でグッと入れるようなものが欲しいですね。拍子からはみ出ないギリギリの範囲内でくっきりと描くようにできたらと思います。このモチーフはすべてこの弾き方が当てはまります。モチーフにこのような表情を持たせましょう。

19からのセカンドとドラは16分音符のシンコペーションは16分音符の後半に指圧でお願いします。その先の2つの32分音符は「ラリ」ではなく「ラァリィ」でお願いします。

22小節、2つの32分音符ですが、ダッ、ダッではなくダァ、ダァでお願いします。何の音なのか、その響きが聞こえてから切る音でお願いします。2つの音を投げ捨てるのではなく、置いて、くっきりと提示するように!

23のマンドリンのスフォルツアンドのイメージですがトレモロはタカタカタカタカ(タはダウン、カはアップです)と弾くとしたら最初のタカタカを強くくっきりやって次のタカタカでディミニュエンドしますあとはピアノで音でキープします。

24 Allegro motto チェロとギターの旋律、ここは例のモチーフですので最初の付点4分音符の前半4分音符分のあたりと次の小節の付点4分音符の後半はそれぞれ込込でお願いします。

27のマンドリン、8分音符4つですね。これが意外に難しいです。いちばん良くないパターンは速くなってしまうこと。最初の8分音符を丁寧に歌ってそれで浮遊しながら舞い降りるようにソフトランディングするイメージです。決して直線的にならないように、放物線を辿るように降りてください。ここでセンスの真価が問われることでしょう。セカンドはその先の8分音符はピッキングで結構です。ただよく響かせてください。

ファーストはその先31での経過句では16分音符で駆け上がりますが、これもしなやかに、決して急がずにふわっとできたら最高です。どちらかというと、前半でテンポに乗ってくっきりと弾いて後半では少し緩めて抜くように表せたら最高です。絶対に突っ込まないようにしてください。絶妙の加減でふわっとやってみてください。 

28からの低音、4分音符は指圧でお願いします。そのあたり8分音符の動きはサラサラとレガートで弾いてください。2分音符のほうは2拍目を指圧で!

32オーボエとセカンドは付点4分音符は指圧効かせてください!

39から展開する旋律は指圧を一層際立たせて、そのことで凄みを出しつつ盛り上げてください。39は2小節単位で向かう、退く、向かう、退くを表現いただけたらと思います。もちろん指圧をしながらということになりますが!ここは凄みを出してください。開拓は容易ではない。幾多の障害や困難を乗り越えていかねば、そんな感じなのでしょうか。

47は一旦リセットしてそこから4小節かけて盛り上げていきましょう。小節ごとのフレージングをしっかり歌ってください。大らかにカメラが引いていくとパノラマが開けていくように広がるようなクレッシェンドです。

51、52はそれまで4小節単位でのクレッシェンドでしたが、ギヤチェンジするように加速的に舞い上がるように盛り上げます、それでフォルテに達しましょう。
53でファルテのレベルに達したら、4小節単位で盛り上げて57、58の2小節でグッと盛り上げてフォルティッシモに達します。

53の低音ですが、ここは付点4分音符は指圧しますが1拍目の音も指圧してください。この8分音符の存在をしっかり主張してください。デーヤーではなくディヤーアーです。ィが8分音符の指圧、アーが付点4分音符の指圧です。このパッセージは絶対に埋もれてはならないと思いますので、しっかりと主張してください。

63からのマンドリンのみなさん、ここはもちろん拍の頭の付点8分音符は指圧奏法になりますが、1小節の音形そのものがモチーフの単位として感じられるようにいたしましょう。颯爽とした感じになるようにできたらいいですね。風を切るように、少し威張っているようなものだったり、得意満面、ドヤ顔ですね。どんなもんだいみたいに!

63はチェロも重要です。8分音符は短めに、それで4分音符はしっかり指圧してくっきりと描いてみてください。こちらも颯爽とまいりましょう!

65からはみなさんそうですが、4小節のフレーズが2回です。

73、74はファーストとチェロ、ギターの対話。ファーストは付点8分音符指圧で、チェロ、ギターは8分音符の指圧で、チェロ、ギターのほうが音が短いのでグッとくるものが描けたらと思います。ぼやぼやしない感じですね。コンパクトにキュッとやってみてください。

78あたりからのファーストの8分音符3つの流れですが、最初の音、短いですが指圧お願いします。タリラではなくターリラーでお願いします。最初の音のターとしっかり歌ってください。この音形はすべて同様です。

77のクラリネットとバスーンは遅れがちですので2拍目がきちんと間に合うようにさらりと奏してください。ここは難しいですね。クラリネットの頭の休符が長くならないように、飛び込んできてください。その先、81あたりからもタイでアウェーになりがちですのでテンポを見失わないように留意してください。ここは難しいデスが、はまるととっても素敵です!
できたらタイのところで少し盛り上げてください、そうすると郷愁の念のようなものが聞こえてくるでしょう。故郷に寄せる思いのように。この曲、新しい世界アメリカの様子を描いたのではなく、新天地に出向いたら、そこから遠い祖国に思いを寄せているっていう曲なのかもしれません。

87からは遠のいてまいりましょう、美しいディミニュエンドを効かせてください。
少しずつテンポを落としていきましょう。91になったら息を潜めて、管のメロディがピアノでもしっかり聴こえるように、エスコートに回ってください。

91からのフルートとオーボエのパッセージは穏やかではありますがコンパクトな感じでくっきりと小気味良く歩んだください。93のタリラリラーというところですが、タリラリというところがもたもたしないように、いきいきとした感じでお願いします。その先2拍目のラーというところはたっぷりと音を保持されてください。このパッセージはこの要領で運んでください。

99からのセカンドも同じように。弾きづらいのはわかっていますが、ここは91からの管同様にタリラリラーをくっきりと描いてください。みんなで同じニュアンスで弾けば埋もれてしまうことはないと信じています。ここはセカンドだけがメロディを受け持っています。がんばってください!

99からのセカンド以外のみなさんはどん底のピアニッシッシモでそっと奏してください。
105はピアニッシモで。まだ小さくていいと思います。しかしタリラリラーはもたれないようにこのパッセージは丁寧に表してください。

115からテンポを少しずつ戻していきましょう。121でもとのテンポに戻ります。それ以上は速くならないように留意してください。

121はくっきりと描きたいのでマンドリンのみなさんはこのパッセージは容易ではありませんが愚直にタリラリラリラリとくっきり弾いてください。実際は2小節くらいは音が下がるので音量は下げずに3小節目くらいからディミニュエンドしてください。

125からは4小節単位でガッツリ、伸びやか、ガッツリ、伸びやかを繰り返してください。ガッツリの方はクレッシェンド、デクレッシェンドをやや大げさに、伸びやかのほうはなだらかに。交互に表してみましょう。

143くらいから少しずつ減衰していきましょう。146でゆったりとテンポを落とします。
149はmenoという感じですね。ゆったりといたしましょう。
 
149からのフルートですが、最初の4小節は 向かって、抜く、向かって、抜く向かうところの2拍目を少し入念な感じで丁寧に描くようにしましょう。抜くほうの2拍目はたっぷりと、この揺らぎが自然にできればボヘミアらしさが醸し出せることでしょう。

153からの2小節は一括りで、ルンルンと遊んでいるようにやってください、154の後半はたっぷりといきましょう!155の3連譜は丁寧に、入念に降りてください。とくに前半ですね、156はのびのびと!ここはすごくいいところですね。自由気ままな中にも一定の秩序のようなものあって、ある意味隊列からは逸脱はしない、でも少し遊び心のようなものもあるといいですね。

156のファーストの16分音符!ここが見せ所です。ここはブーメラン奏法でふわりとやります。157のトレモロに吸い寄せられるように自然につながって行けたら最高です。

157からはファーストとセカンドに旋律が引き継がれますがフルートのときよりは少し前にいくようにいたしましょう。157の2拍目はたっぷりと(2拍目の裏を、ほんのりとたわむようにたっぷりと弾いてください。158で戻して、159の2拍目もまたたっぷりと弾いてみてください。160はおおらかに。161、162はルンルン飛び跳ねて、遊ぶように、163の3連音符は丁寧に、とくに1拍目を入念に弾いてください。163から164の2小節が一つのベクトルとなるよう、しなやかに弾いてください。この3連譜が絡む旋律はやっかいです。トレモロが思うように乗らないんですね。3連譜の3つの音の長さが均等にならないほうがいいですね。微妙な揺らぎが欲しいところです。最初の音をていねいに弾く感じです。それでふんわりとした浮遊感のようなものが描けたら最高でしょう。そうなんです、この曲やはり何処か宇宙的なのでしょう。遊泳するように運んでいかないとです。

165は反復ですが、少し生気を帯びていきしなやかな3連音符の形を維持しつつ、次第に加速していきます。

167から4小節で一気に加速してもるあげていき、171ではAllegro moltoのテンポになるようにいたしましょう。

やれやれこれでやっと提示部終了です。
今回は繰り返しは省きたいと思います。展開部に突入いたしましょう。

181からの4小節はマンドリン対低音の対比になっています。次の4小節は同じことの繰り返しですがディミニュエンドして遠ざかります。

189からの4小節は経過句ですが、ここのファーストの音形はちょっと厄介ですね。小節の前半はしっかりと指圧してくっきり描いてください。ここはギターのアルペジョが聞こえるといいですね。アルペジョも前半が聞こえると音に意味が灯ると思います。丁寧に運んでみてください!8分音符も拍の頭の方に指圧でお願いします。

193のドラは天国的な音でお願いします。音量はいらないのですが、、しっかり押さえて澄み切った音でまいりましょう。ここはこの曲でとっても美しいところだと思います。
ここはファーストとセカンドのハーモニーも重要です。トレモロの回転数を間引いて、音の響きを保持するように、それでハーモニーがしっかりと響き渡るようにしてください。

197のピッコロは天使の澄み切った音で!ここのベースのピチカートもしっかり聴こえるようにヴィブラートしてください!

201からのマンドリンのモチーフはシンコペーションの4分音符、指圧よろしく。音符の硬派ですね。押すときにしっかり音がハモって心地よく響くようにいたしましょう。

205からのチェロ頭の付点8分音符はしっかり指圧してくっきり表してください。ここは短いトレモロでグイッとやるのがいいかもしれません。

207ファースト頭の8分音符は指圧よろしく!209のときはCisではなくCになる感じをしっかり指圧して伝えてください。この辺り、きめ細かいですね!

213は突進する開拓の蒸気機関でしょうか。薪をがんがん焼べて、メカニックなものを描いてみましょう。この辺りのギターはなんだ坂こんだ坂って言わんばかりです!ドラは颯爽とまいりましょう。突き進む感じです。セカンドは薪ですね。ファーストは火の粉でも飛び散っているのでしょうか。頭の指圧は厳しく、グッとやってください。少し荒々しくなっても構いません。

217は少しなだらかでもいいかもしれません。指圧は緩めるっていうことかもしれません。

221は蒸気機関車が突進する音楽。225はなだらかな音楽という具合に交互に表現を変えて変化を持たせましょう。

228からは小節単位で火の粉の音楽。4回繰り返して盛り上げていきます。ここは伴奏も頭の音を短く指圧して2拍目は伸びやかに、このセットで盛り上げていきます。

233からはちょっとした難所ですね。意外とセカンド重要かもです。ここから連なるこの音形の1拍目の付点8分音符をしっかり指圧せねばです。ディット ディットという具合に。

235、236は難しいパッセージですが、クレッシェンドです。しかも畳みかけるように、くっきりト弾かないとです。曖昧になっては台無し、しっかりした音で凄みを出さねばです!

237からは荒らしのように、テーマを咆哮させましょう!

241からのドラはひたすら蒸気機関車のモチーフを続行。一方でマンドリン新たなモチーフが登場。1拍目の4分音符は拍数めいっぱいに敷き詰めるような感じでまいりましょう。ここは拍の後半で超指圧をお願いします。

253は全ての楽器で指圧を!マンドリンは付点8分音符の後半で、中低音のみなさんは1拍目の後半で!8D55C2E8-DD1F-4DAC-8A89-18E7D1909257  

2021年11月11日

ウール

一部では、ウールというウィーンの作曲家の曲をやります。とっても不思議な曲です。響きが透き通っていて、キラキラしています。ドイツやオーストリアあたりでは、ツプフ奏法と称して、ピッキングを主体としてカラカラいう音で紡いでいきます。もう一つの対局にあるのはナポリの風景でしょう。あちらはトロトロのトレモロでこれでもかと言わんばかりに、カンツオーネを歌い上げます。今回1部は好対照な組み合わせですね。
さてウールの作品ですが、この作曲家、マンドリンの曲をたくさん書いているわけではないようです。この作品もオリジナルは弦楽三重奏にマンドリンが入るという変わり種で、のちにVinzenz Hladkyがマンドリンオーケストラ用に再編しました。珍しくマンドラコントラルト、リュートそしてハープ(今回はピアノで代弾き)なども加わり各楽器も分割されていて、マンドリンオーケストラのための とあるように大掛かりなものです。
4つの楽章から構成されていますがそれぞれ以下のようなタイトルが添えられています。

一楽章 Capriccio (嬉遊曲)
二楽章 Sundliche Landschaft (南国の情景)
三楽章 Zahnrader (歯車)
四楽章 Frohe Wnderung am Morgen(朝の清々しい散策)

とても不思議な曲と最初にお伝えしましたが、この曲とっても幻想的な曲なのです。まさにメルヘンファンタジーですね。お伽噺のように、きっと何か物語が背景にはあるのかもしれません。
一曲目の嬉遊曲ですが、いきなり時計がチクタクと刻むような音で始まります。何者かに追われているようにも聞こえます。やがて何かの迷宮を連想させるような壮麗なパッセージが忽然と現れます。そのあとは深い森の中を彷徨うような旋律が続きます。その間も時計はひたすら刻み続けます。しばらくすると、どこか滑稽なトロルみたいな生き物が登場します。すっとんきょうな面立ちで、ユーモラスな表情で動き回ります。お伽噺にはモンスターはつきものですね。

二楽章はゆったりとした音楽。どこかジャワ島かどこかで、心地よい海風にあたりながら、のんびりと過ぎて行く時間に心ゆくまで浸っているような感じです。ストレスからは一切解放されて、昼寝をしているかのようです。このうえなく美しい曲です。

三楽章、歯車。これは文字通り時計のなかに敷き詰められた歯車がひっきりなしに動き回るような、ちょっと目まぐるしい曲です。ジブリの物語にも、必ずメカニックなものが登場しますよね。あんな感じです。機械は正確に動き回っていますが、ときには狂うこともありますね。一旦狂い出すと大変です。取り返しのつかないこともあるかもしれません。もはやコントロールを失った歯車たちは、それども止まることなく動き続けます。

四楽章は清々しい朝の散策の音楽。歩行の様子はガボットの様式で表されています。ときどき深呼吸でもするかのように伸び伸びとしたパッセージが現れます。胸いっぱいに森の新鮮な空気を吸い込んで爽快な気分に浸ります。気分が高揚でもしたのでしょうか、唐突に踊り出します。ここは古いジグのステップを踏みながら、坂道でも下っていったのでしょうか?
最後は再び散策に戻ります。ふと立ち止まると、傍には可憐な花が咲いています。あぁ、なんて美しいのでしょう、と深いため息をついて終わります。
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2021年11月04日

新世界より

ついに交響曲をやることになりました。ドボルザークの「新世界より」は全曲で40分を超える大曲です。二部はこれ一曲になります。4つの楽章から成っていますので4曲といってもいいかもしれません。数回練習してみましたが、どの楽章も結構マンドリン合奏にもあっているかもしれません。じつはイギリス人の曲をやろうと呼びかけたのですが、誰も知らない曲はよくないと、あっさり却下されてしまいました。「新世界より」は人気のナンバーでづし、とくに二楽章の家路は小学校の頃下校の音楽でも放送されていましたし、キャンプファイヤーなどに行くと炎を囲んで歌ったりもしました。おそらく知らない人はいないかもしれません。それくらい私たちには身近な交響曲かもしれません。この曲のマンドリン合奏用のアレンジを慶應マンドリンクラブから依頼されたのは、かれこれ15年前のことでした。(初演2005年6月4日)できるのかなぁと随分頭をひねったように思います。家路の旋律はなんといっても、あのコーラングエが印象的ですし、ホルンやトランペットやトロンボーンなども咆哮します。そういう楽器もなくできるのだろうか?それでも大学の定演はいつだって時間がないと決まっていますので、悠長なことは言ってられません。とにかく新世界を切り開くように気持ちで前進するしかありませんでした。フルオーケストラのようにはいかない、でも、考えてみたらピアノの連弾でもできるのでですから、そう考えてとにかく突き進みました。今回当時突貫工事でやっつけた楽譜をもう一度眺めながら、こうした方が良かったかもしれない、と改めて見直してみました。慶應マンドリンクラブにはフルートとクラリネットしかいませんでしたが、アメデオにはオーボエとファゴットはいますので、木管アンサンブルの響きも活かしつつ、再構築してみました。ただ、ここで目指したのは、マンドリン合奏の独特な響きの味わいで綴ってみようということでした。マンドリン合奏におけるギター存在もとても重要です。単打音の響きはギターが一番長いということも踏まえて、ギター合奏を多用いたしました。フルオーケストラが多彩な油絵だとしたならば、さながら水墨画のようなタッチで、この作品の陰影を表してみたいと、そんなふうに取り組んでみました。しかしドボルザークの旋律は美しいものです。楽器が異なっても、その旋律に浸ることができて、ほんとうに幸せいっぱいです。改めてこの冒険に挑んでくれるかけがえのないメンバーに敬服いたします。そして皆で共同して、ここにしかない文字通り、新しい世界を練りあげてまいりたいと思います。image  

2017年06月02日

合奏は楽しい

やっぱり合奏は楽しい。誰かに合わせるんじゃなくて、一緒に弾くっていう感覚に居れたら幸せそのもの!こう出たら、ああ応えるみたいのもいい。こうなると対話みたいになってくる。仕掛けるっていうのもいい。挑発して巻き込むなんていうのも楽しいに決まってる。慰めあったりもあるなぁ。でも、どれもこれも一人ひとりの主張があってのもの。どんな風にいきたいのかっていう主体性、これがないと分かりにくくなる。でもそれを表すのには技術がないとなぁ。これが伝わらない。さっぱり通じない。デフォルメして、くっきり描いたほうがいいこともある。はっきり示さないほうがいいこともある。IMG_1522  

2017年06月01日

選曲のこと

また随分時間が経過しました。あっという間ですね。
次回のアメデオのプログラムについてまた話し合う時期がやってきました。さて次回は何をいたしましょう?そろそろネタも尽きてきたかなぁ?いや、そんなことはありません。まだまだやりたいことは尽きません。ここのところ日本の曲はやっていないので、久々に日本の歌を丁寧に取り組んでみるのもいいかなぁと思ったりもします。久々に日尾先生から連絡があり、共演の可能性もありそうです。マザーグースをもう一度やってもいいかなぁとは思っていましたが、日本の子供が歌うなら日本の歌がいいかもしれません。日本の作品をやるなら、いつかやってみたかった伊福部昭さんのかっこ交響譚詩がいいなぁと思います。大栗裕さんのシンフォニエッタ第一番もなかなか意欲的な作品です。なんというか、地面の中から妖気のようなものが、湧き立つような迫力のある作品です。毎年いろいろな思いが錯綜しますが、選曲はみなさんの思いで決まりますのでどうなるかは話し合いの行方次第です。いろいろな意見が通いあいながら、決まっていきます。その過程もなかなか面白いものです。さぁ、次回はどのような曲に決まるのでしょう?いつもわくわくします。image  

2016年10月03日

あっと言う間に33回

2年ぶりの投稿。
何か書いても、おそらく誰も気がつかないだろうなぁ。
でも、こっそり思っていることを記しておくなんて、秘密の隠れ家に身を潜めているようで、それもまた乙なものです。

さて、今年もアメデオの練習が始まりました。練習が始まる時期、この時期はわくわくした気分で練習に臨みます。いったい、どんな風に音が鳴るのかなぁと考えると、それだけでウキウキしてしまいます。編曲しても実際の響きを確かめていくと、修正したほうがいいことにいろいろ出くわします。今年もいい感じに響いています。

今年はついに夢が叶いました。レミゼが演奏できることになったのです。この作品のアレンジの許可を得るのに随分奔走しました。32回でやりたかったのですが、段取りは間に合いませんでした。始め東宝に連絡したら一回の公演では3曲までしか演奏できないことになってると言われ、アメリカのMusical Theatre International(通称MTI)という組織にも打診しました。メドレーの合唱アレンジを出版しているHal Leonardにも打診しました。合唱の楽譜は出版されているのだから、その楽譜で演奏できないはずはないだろうと考えてのことです。編曲者M. Huffさんにも直接やりとりをしました。ただ誰に聴いてもたらい回しにされるだけでした。結局、日本でレミゼの出版物を管理している渡辺音楽出版社に行きつき、こちらで楽曲使用許可を得、日本著作権協会より出版利用許諾書なるものを交付いただきました。許諾番号1610786-601とあります。つまり、レミゼのアレンジは正式に出版されるというわけです。出版といっても、発行部数は今回参加するアメデオのメンバーと合唱団「白浜坂高校合唱団」(以下白高)のみなさんの数限定です!

レミゼの合唱譜はいくつかバージョンがありましたが、最終的にEd Lojeski さんのアレンジによる楽譜をベースに進めることにしました。出版社はHal Leonard でした。この出版社の楽譜は安くてびっくりです。ネットで注文したら、どっさり10冊も届いてしまいました。最低ロットの設定がそうなっていたのですね。同じ楽譜が10冊もあってもなぁと、ちょっと凹んでしまいました。でもいいです、楽譜が手に入ったのですから! 合唱編曲者のEd LojeskiさんについてはHal Leonard のホームページに紹介されていました。ポップスの合唱が専門のようです。このアレンジはYouTubeにもいくつもアップされています。

http://youtu.be/bKh6vmYjf5g
http://youtu.be/5OE2jCyChxY
http://youtu.be/Np7U-WOhJXY

(以下 Hal Leonard ホームページ掲載内容)
Ed Lojeski is acknowledged as one of the finest choral arrangers/directors in the business today. His arrangements have a special meaning to vocal groups and choral directors who seek material beyond the standard and ordinary. Much of his writing success derives from his own wide experience as a nationally known performer and show producer. Mr. Lojeski has served as an accompanist and musical consultant for movie productions such as Where The Boys Are, The Unsinkable Molly Brown, Hello Dolly and Shaft and on TV films for Mannix, Medical Center, Gunsmoke and Mystery Movie of the Week. Mr. Lojeski has also written shows for Robert Goulet, Trini Lopez, The Nicholas Brothers and George Shearing. He has served a pianist-conductor and/or vocal coach for Elvis Presley, Johnny Mathis, Kathryn Grayson, The Lettermen, Tony Martin, Cyd Charisse, Charles Nelson Reilly and Karren Morrow. Choral groups under his direction have appeared on television and in the Hollywood Bowl. Ed Lojeski is a prolific writer of pop choral arrangements that are designed to bring maturity of sound to the young chorus and an edge of excellence to advanced groups. Mr. Lojeski's arrangements are exclusively published by Hal Leonard Corporation.

いろいろ聴いてみましたけど、なんとなくパッとしない印象だったので、今度共演いただく白高の指導者三好さんに聴いてみました。ひょっとするとキーが低いのでしょうか?どうも冴えないんだけど?すると、いや、大丈夫です。すでに稽古始めましたが、すでにいい感じの予感がします。キーはあれ以上高いと無理です。あれは歌う側の責任です!なるほど、心強い!最初の歌合わせは11月23日、楽しみにしています。

さて、レミゼ、オケの難所は、まず出だしのAt the end of the dayこれが難しい。フラット4つというのはマンドリン系は音が鳴りません。おどろおどろしくも凄みのようものを表したいのですが、ペンペンしてて、へなちょこな感じで、いかにもお粗末な響き。しっかり音をとってうねるような音楽にいたしましょう。2回合わせましたが果てしなく遠い道のりのようでした。

もう一箇所はOn my ownの雨音のようなアルペジオ。このアンサンブルは難しい。ここは次回じっくり取り組んでみましょう。テンポは一定のものを保ちつつ、1拍と3拍を念入りに。揺らぎながら、前に進んでいくように。ここはほんとうに美しい。

2016年10月3日
小穴


  
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