優柔不断な幻想を見ていた。彼、彼女はとても優しく留まる事を知らない欲望の持ち主で常に迷っていた。道が二つわかれようものなら彼も彼女も止まる事しかできないであろう。なぜなら優柔不断、最大の悩み悪。一人で生きていくことはできないだろう。
だけれども彼らは二人だったから。
とてもとても長い月日立ち止まったところで彼らは二人何より強い絆がある。零れそうな涙だろうが僕が掬い取って地面に落とさないよう悲しみを広ませないようするからと彼が言えば彼女はとても彼に対して愛を感じるであろうしずっとそんな言葉を待っていた(言ってもらっても足りなくてしょうがない)まだまだ二人の距離は縮まらない。
少しの時間、少しの時間。ずっと立ち止まっているわけにはいかないだろうと彼は思い始めていた。彼女は引き止めそうだ、いや引き止めるはず、引き止めてくれるはず。もはや願いだ。優柔不断は僕のアイデンティティ、これがなけりゃ死んじまう。だってここで先にいったりしたら彼女を置いていく事になるんだもの。彼女に言ってもついてきてはくれないもの。そうだろう?きっと。
彼が思いつめていたのは知っていた。だけど私はきっとここから動けないだろう。彼についていきたいけれどきっと悲しい。彼についていくのは嬉しいけどここから動きたくないの。私は優柔不断で変わっていくのが怖くて仕方が無いから。
動けない、動きたくない。離れる事は二人の死だ。