39)

48)

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「NHKスペシャル|終わりなき人体汚染~チェルノブイリ原発事故から10年~」を4回に分けて文字に起こしました。文字おこしの最終回は、知的障害を持つようになった原発労働者がMRI検査を受けたところ前頭葉に空洞が見つかったこと、そして、汚染が最もひどい地域、の周辺に広がる汚染地域でも、最もひどい地域と変わらない体内被曝が見られたこと、を伝えています。

このエントリーは、以下のエントリーからの続きです。

原発作業員の脳が萎縮、CTスキャンで判明…ドキュメンタリ「終わりなき人体汚染~チェルノブイリ事故から10年~」文字おこし(3)

(文字おこし、続き)

36)

ウラジミルさんは、再び脳の専門病院を訪ね、詳しい検査を受けることになりました。

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16)

28)

37)

脳の状態に問題はないのか。MRIという画像診断装置を使って、詳しい検査を受けます。

48)

その結果、脳に異常が発見されました。

39)

前頭葉と呼ばれる、脳の前の部分に白い塊があります。神経細胞が死滅したあとです。前頭葉は、計算や思考など、創造的な働きを担う中枢です。ウラジミルさんの知的障害の原因は、ここにあるのではないかと医師たちは考えています。

39)

脳の更に深い部分にも、神経細胞が死滅したあとがありました。ウラジミルさんの疲労感や脱力感の原因は、これではないかと診断されました。

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20)

「検査の結果、ご主人の脳に異常が発見されました。」

32)

「一連の症状がチェルノブイリ事故の後、始まったことを考えれば、」

06)

「放射能の影響とみるべきでしょう。」

13)

「放射能が脳の中に入り込み、脳を破壊していったのです。」

41)

「簡単に治せるものではありません。あんな大きな病巣がありながら、」

03)

「大事に至らなかったのが不思議なくらいです。」

12)

「もっと拡大していたら助からなかったでしょう」

32)

「気を落とさないでください」

52)

「大丈夫です。涙を見せたら夫にショックを与えてしまいます」

19)

チェルノブイリの放射能が、10年もの間、ウラジミルさんの脳を、少しずつ確実に破壊していたのです。

40)

妻のタチアナさんは、診断の結果を夫に告げず、残された身体の機能を出来るだけ維持していく生活をしようと決意しました。

06)

最近、チェルノブイリ原発事故による、人体への汚染について、またひとつ、新しい事実が発見されました。

38)

汚染が5キュリー以下で、人体への影響が比較的少ないとされてきた黄色の地域に、赤の高濃度汚染地域に匹敵する人体汚染が起きていることが分かったのです。

50)

チェルノブイリ原発の西。【ポレーシア地方】ベラルーシとウクライナの国境沿いに広がるポレーシア地方は、プリピャチ川沿いに開け、広大な森と豊かな水に恵まれた農村地域です。

12)

【ゼルジンスク村】ポレーシア地方にある、人口1000人足らずの村、ゼルジンスクに、事故後初めて検診車がやってきました。

26)

39)

00)

11)

汚染の高い地域から巡回してきたため、この村の人々は、事故後10年目にしてようやく検診を受けることになったのです。その結果、意外な事実が明らかになりました。

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52)

ゼルジンスク村の人々の体内に蓄積された放射能の量が、極めて高かったのです。

03)

【ゴメリ特別病院検診部 ナターシャ・ジノビッチ婦長】

「驚きましたよ。例外なく皆被曝量が高いのですから。」

16)

「ここは土地の汚染が低い地域のはずなのに、住民の被曝量は最も汚染の高い地域と変わらないのです。どうしてこのような高い数値が出たのか、よくわかりません」

38)

なぜ、この村の人たちの体内に、多くの放射能が蓄積されたのでしょうか。

50)

その原因を突き止めるため、ベラルーシ国立土壌研究所のグループが調査を続けています。

07)

その結果、原因解明の鍵は、土にあるのではないかと見ています。一般に、土に含まれる粘土分は、放射能を取り込んで、外に逃がさない性質を持っています。

32)

ところが、この村の土には粘土分が少なく、ほとんどが粒子の粗い泥炭です。

42)

このため、放射能が植物に急速に吸収されやすいというのです。

49)

【ベラルーシ国立土壌研究所】

実際に、ゼルジンスク村の土の放射能を測定してみました。

22)

結果は、1068ベクレル。汚染は、それほど高くありません。

51)

しかし、牧草の放射能は、

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土の15倍、15544ベクレルにも及んでいます。

17)

この村では、放射能が、土よりも牧草に大量に蓄積されていました。その結果、この村に降り注いだ放射能は、土から牧草へ、そして牧草から牛へ、

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さらにその牛が出す牛乳から人間へと、次々と濃縮されていったのです。

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ゼルジンスク村の人々は、汚染の高い地域と同じレベルの被曝を、この10年間受け続けていたのです。

30)

調査の結果、この村と同じ性質の土がポレーシア地方全体に広がり、およそ1万平方キロ、チェルノブイリ原発事故による全ての汚染地域の1割近くに達することが分かりました。

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17)

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ベラルーシ国立土壌研究所のグループは、人体への影響という視点から見たとき、放射能汚染地図が大きく書き換えられることになると警告しています。

44)

チェルノブイリ原発事故から10年。新しい放射能汚染の姿が見え始めています。放射能が人体に何を引き起こすのか、その実態の解明は、まだ始まったばかりです。【終わりなき人体汚染 ~チェルノブイリ事故から10年~】

(文字おこし、完)

このエントリーは有志の方にお手伝いいただきました。ありがとうございました。

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【動画まとめ】NHKスペシャル|終わりなき人体汚染~チェルノブイリ原発事故から10年~