2011年9月1日(木)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演しました。テーマは、首相交代、廃炉工程案、放射能汚染ゴミの処理「クリアランス」の規制上限引上げについてです。今回の放送は2回に分けて文字おこししています。(1)(2)続けてお読みください。

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動画

20110901 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://youtu.be/pp4pMb921sw

※初稿です。誤字脱字の修正は随時致します。

(書き起こし)

千葉「では小出さん。たね蒔きジャーナルとしては、1週間ぶりになりますが、よろしくお願いします。今日は毎日新聞論説委員の落合さんと一緒にお話を伺います」

落合「落合です。よろしくお願いします。」

小出「こちらこそ、よろしくお願いします」

千葉「さてこの1週間の間にいろいろニュースが出ておりまして。まずこれからお伺いしたいのですが。え、総理大臣が脱原発を言っていた菅さんから、同じ民主党でありながら、止まっている原発はできるだけ早く再開したいという意見を持っている野田さんに替わりますけれども。これは小出先生、どうおもわれますか」

小出「はい。まあ始めから政治が大嫌いだというふうにお伝えしてきたつもりですけれども。えー…、残念です」

千葉「やっぱり、残念ですね」

小出「はい」

千葉「わかりました。そしたらですね、こちらの、ニュースに参ります。えー、これは昨日、東京電力が福島第一原発1号機から4号機の廃炉に向けて、核燃料を原子炉や燃料プールから取り出す作業工程案というのを初めて公表しました。でそれによりますと、まずロボットで原子炉建屋の中を除染して、格納容器の水漏れを直して、中を水でいっぱいにして燃料を冷やして取り出す、といっているのですけれども。これって以前できないって言っていた、冠水、水棺じゃないかと思うんですけれども。」

小出「はい」

千葉「そんなこと現実的にすすめることができるんでしょうか」

小出「多分できないと思います」

千葉「やっぱ、できませんか」

小出「はい」

千葉「えー、これ、まずロボットで原子炉建屋の中を除染して、という計画なんですけれども。これもできるんでしょうかね。」

小出「もちろん完璧にはできませんけれども。人間が入れるという状況にするまでにはやはり、何がしかをロボットにしてもらわない以外には、でき…作業が進まないと思いますので。なにがしかロボットによる除染という…ことは、多分必要だと思います。ただそれだけでは人間が入れるようにならないと思いますし。なかなかこれは大変な作業だろうなと思います。」

千葉「そうすっとまあ、そう進めていったあと東京電力の案では格納容器の水漏れを直してっていってるんですけれど」

小出「(笑)。これはまずできません」

千葉「はあー。やっぱりそんな直せるような状況じゃないんですか」

小出「はい。あの、多分そうだと思います」

落合「どこが1番難しいのでしょう」

小出「えー、1番難しいのは。えー、融けてしまった炉心というものが、もともとはその圧力容器というものの中にあったわけで。その中にある限りは作業は比較的容易です。米国のスリーマイル島の事故があったときにも、融けた炉心が圧力容器の中にありましたので、なんとかなりました。しかしすでに圧力容器を融かして下に落ちてしまっているわけで。それを取り除こうとすると、今東京電力が絵に描いたように、格納容器全体を水没させなければいけないわけで。私はまずそれができないと思いますし。それをやったところで、融けた、融け落ちたものがですね、ペデスタルという部分に落ちてる筈なんですが」

千葉「ペデストルですか?」

小出「ペデスタル、と呼ぶ圧力容器のすぐ下の部分なんですね。それで東京電力の、えー…、まあ今回のロードマップによると、そのペデスタルの部分に全部、残っているという、まあそういう期待のもとに書かれているのですけれども。恐らくそんなことはありません。え、すでにペデスタルから外に、外にって言うかそのペデスタルに人間が入るスペースがあるのですけれども。そこを通ってもっと外に出てるはずだと私は思いますので。それを回収することは、まず、今のような東京電力の工程表ではできません。東京電力はまあなんとか取り出したいということで、彼らの希望通りになっていて欲しいという、ことで今回の工程表を描いたと思いますけれども。実際にはもっともっと困難な状況のはずだと思います。」

千葉「それにあのー、今アメリカのスリーマイル島の事故の話が出ましたけれども。あのー…、そこでは今回東京電力が出したような工程表で対応したというようなことを話しているんですが。今回は、3つもメルトダウンした原子炉があるんですので、全部同じやり方で対応できるってことはないですよね」

小出「多分ないと思います。まずあの、1号機に関しては、すでに、東京電力も、国も原子炉そのものがメルトダウンをしてしまった、と認めてしまっているわけですし。えー…、炉心、圧力容器そのものが、もう底が抜けていますので、少なくともスリーマイル島のような事故収束はできません。全く別なことを考えなければいけませ、いけませんし。2号機と3号機に関しては未だに炉心がどこにあるかすらがわからないというそういう状態で、未だに事故が続いています。」

千葉「じゃあ、まったく絵に描いた餅という気がするんですけどもねえ」

小出「そうですね」

千葉「ええっとなると、どう処理していったらいいんでしょうか…」

小出「わかりません。今回の事故は本当に人類が初めて遭遇するという、それほどの事故になってしまっていて。えー…、今現在の状況がどうであるかも分かりませんし。これから収束のための作業をしながら、1つ1つの状況がどうかということを見ながら、新たな作業というものを考えながら、未知の領域に踏み込む必要があります。」

千葉「…。まあそういった中で、今回東京電力がだしてきたというのは未知の領域にも踏み込めていないと、いう話だったわけですね」

小出「はい。非常に楽観的な絵を書いたんだと思います」

千葉「わかりました。そしたら次はですね、汚染された瓦礫の問題なんですけれども、環境省は、瓦礫を燃やしたあとも、8000ベクレルから10万ベクレルの放射線量の灰について。正式に一般廃棄物最終処分場での埋立処理を認めたということなんです。で灰をセメントで固めて、えー、雨水の侵入を防ぐ処置をした処分場で、処分してくれということなんですが。これである程度の安全性は保たれるんでしょうか。」

(書き起こし、ここまで。以下に続きます)
続き:小出裕章「約100倍も汚染が強いゴミもそこらに埋めてしまうしかないと言い出している」9/1(2)

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