※このエントリーはコメント欄に貴重な意見をいただいています。
米どころ新潟県の汚染が心配だ。
TOPの画像は、「Peace Philosophy Centre: 政府は広域汚染調査をどうして小出しにするのか」さんから引用したもの。このエントリーでは、この画像について以下のような説明なされている。
「@planetta321 さんがこの早川氏の分析と文科省の汚染マップを組み合わせてくれた(この文科省の地図は空間線量の方)。
やはりこの新潟に向かっている「群馬ルート」の行き先が気になる。もちろん他の全てのルートも。」
「これらの最新の計測や分析から、改めて、政府がどうして事故後すぐこういった広域の調査を行わずに、こうやって少しずつ遅らせて小出しに発表する のか、と思う。これを見ると日本最大の米産地新潟の汚染が心配になる。群馬県にまで広く延びている汚染地域の帯、そして埼玉と東京の西部を覆う帯は、新潟 と長野、山梨の汚染を調べる緊急性を示唆する。茶の汚染が出た静岡も。宮城の北部に濃い汚染が発見されたら岩手、秋田、青森、そしてもちろん北海道の調査 もすぐしなければいけなかったと思う。人々が汚染列島の現実に少しずつ慣れて諦めるようにしているとしか思えない。@PeacePhilosophy 」
@planetta321さんが、文科省発表の汚染マップと早川由紀夫氏の作成した汚染ルートマップ(後述)を組み合わせて、上記のマップを作ってくださいました。どうもありがとうございます。線量の高い場所がどのようなルートで汚染されたかがひと目でわかる素晴らしいマップだと思います。
これまで、私のブログでは、岩手県の心配をしていたが、私は視野が狭くなっていたと思う。新潟もまた心配だ。汚染マップを見れば、岩手県よりも心配になってくる。
私が見ていた汚染マップは、以下のもの。
※矢印と丸は私が記入。
右上の宮城県都岩手県の境界あたりの、薄いブルーの部分が気になっていた。だがよくよく見れば、上記で矢印で示した群馬県の濃いブルーの箇所を心配すべきであることがわかる。
というのも、あまりにも有名な早川由紀夫氏の汚染ルートマップでは、汚染ルートが以下のようになっていたからだ。
「早川由紀夫の火山ブログ」より、「汚染ルートとタイミング」(9月30日改訂)。(矢印と丸は私が記入)
そう、群馬県の濃いブルーの箇所は、2つのルートで構成されていたのだ。そして、「群馬ルート」と呼ばれる汚染ルートは、群馬県を通過して北上している。
再び、TOP画像を確認する。
私の推測だが(皆さんも同じように推測するだろう)、汚染された空気が、「群馬ルート」によって、神奈川県から北上。その時に雨が振って、「東京」「埼玉」「群馬」に放射能の雨を降らせながら、汚染を広げていったのだろう。汚染の帯は北上するに連れて、広く大きくなっている。
それにしても、こんなに回り道をしてまでも放射能が新潟県に向かっているという事実に愕然とする。
このまま新潟に放射能の雨を降らせ続けたのだとしたら・・・新潟の汚染はどうなっているのだろうか。同じく岩手県も。2つのルートが合流している岩手県の汚染マップはどのようになっているのだろうか。
新潟県の米の汚染に関する報道は以下の通り。
=====(引用、はじめ)
汚染検査終了、新潟産米は安全
2011.9.22 02:12
県産新米の放射性物質汚染の有無を検査してきた県は21日、湯沢町で収穫したコシヒカリから放射性物質は検出されなかったと発表した。これで、水稲作付けがない粟島浦村を除く29市町村すべてで検査が終了し、県産米が“シロ”であることが実証された。
県は8月19日に越路早生(わせ)など収穫時期が早い早場米について検査を開始。今月6日からはコシヒカリなどの主力品種の検査を続けてきた。
検査終了を受けて、泉田裕彦知事はコメントを発表し、「本県産米の安全性については心配していなかったが、実際に生産現場での調査が終了して安心した。 引き続き、流通段階でも放射能検査を実施するなど、消費者に安全なお米を届けられるよう取り組みを進めたい」との所感を明らかにした。引用元:http://sankei.jp.msn.com/region/news/110922/ngt11092202120000-n1.htm
=====(引用ここまで)
タイトルの「安全」という言葉に、不信感を抱くのは僕だけではないだろう。文中にデータも引用せず、新潟県の発表をそのまま疑わずに書いているだけのこの記事を私たちがどのようにして信じれば良いというのか。
ということで、新潟県のHPを調べみると、検査結果が掲載されていた。
こうなっていた。
すべての地域で、「検出されず」なっている。不検出について以下のように説明がなされていた。
=====(引用はじめ)
【定量下限値】
Cs-134:10Bq/kg
Cs-137:10Bq/kg
注)定量下限値とは・・・分析方法で分析種の定量が可能な最小値、分析機関が測定に基づき証明できる最小値です。なお、検出限界値は、測定において検出で きる最小値であり、放射能の特性として、同じ機器で測定しても、検体毎に検出限界値は変動するもので、定量下限値より当然低い値となります。
検出されずとは・・・検査対象の核種毎に、定量下限値未満であることを示します。
=====(引用ここまで)
要するに
Cs-134:10Bq/kg
Cs-137:10Bq/kg
以下のセシウムが含まれている可能性があるということだ。
実際に、4月の段階で、新潟の水田の土壌中で、セシウムは検出されている。
上記の調査は、調べた場所についての記述がない。こういう発表の場合、この調査結果が、もっとも新潟県にとって「利益」があるものではないかと思うのが、自然だろう。まったく嫌な世の中になったものです。
さて、赤く囲った部分の、セシウム137は半減期が30年。放置しておくと、30年後に放射能が半分になるということ。
しかし、実質的な半減期は、30年より短くなる。
というのも、稲を受けると、稲が少しずつセシウムを吸い上げて、米の中に集まりそれを出荷するからだ。
つまり新潟県の汚染(だけに限らないが)を少しずつ人間が食べることで、日本中に広げていくことになる。もちろんそのうちの幾らかは体内に残り、そ れ以外は糞尿として下水処理場に集められ、処理場に高濃度の放射能が溜まる。それを処理したものが、埋立地に埋められる。大した処理もせずに。その埋立 も、住民の反対で今は思うように進まず、一時的な保管所に溜まる一方だ。使用済燃料が増えていく一方であることと、同じ運命をたどっている。
ちなみに、
Cs-134:10Bq/kg
Cs-137:10Bq/kg
以下は「検出されず」、ということでOKとなっている。なぜ、これ以下を調べたくならないのだろうか。基準値以下だということで調べる義務はないのだろうが。
検出されず、ということは「見えてない」ということだ。
3.11以降、私たちは、「見えてない」ということにいつも怯え続けている。
※皆さんのご意見を下部のコメント欄にください。ご批判やご指摘もお待ちしています。あなたの意見を私と読者の皆さんが待ち望んでいます。
コメント
コメント一覧 (13)
稲はセシウムを積極的に吸い上げる植物ではありません。
セシウムを多く吸い上げるというヒマワリですら微量です。
ほとんどは雨水に流されて、河川や地中に移動します。
病院では、血管を撮影する際に数万ベクレルの放射性物質を注射します。
多くは尿として流れていきますがそれは危なくないのでしょうか?
調べれば、1瓶1億ベクレルの放射性物質も売ってますが・・・。
月まで行った宇宙飛行士は、放射線を大量に受けていますが、
12人中9人は生存。しかも平均寿命越え(80歳以上)しています。
放射能という言葉にビビり過ぎじゃないですか・・・。
色々と調べたのですが
チェルノブイリで悪性が証明された
放射性ヨウ素は、やばいと思いますが・・・、もう手遅れだし・・・。
中部 セシウム1764ベクレル/キログラム
船見 同 1752ベクレル/キログラム
白根 同 306ベクレル/キログラム
両川 同 332ベクレル/キログラム
6月6日の、こちらは浄水場での結果では、
満願寺 セシウム45544ベクレル/キログラム
戸頭 同 4129ベクレル/キログラム
と、この程度出ています。ヨウ素も2ケタ3ケタ出ています(その当時)。
日本海に面する新潟市である程度出ていることになります。
7月26日には、新潟市沖でとれたマダイの内臓から、21ベクレル/キログラムのセシウムが検出されてもいます(県発表)。
4月23日採取で、6月3日に県が発表したという、サザエから0.73ベクレル/キログラムのセシウム、というのもありました。
「群馬ルート」は、日本海に抜けていると思います。ならば、その途次で、も、ではないかと。
ですから、下越は過去の大気内核実験でのセシウムの降下物が多いですね。一番多かった1963年頃は、玄米1kgで11ベクレル位で、私はそれを食べて育ってきたのだと思います。
土壌検査の結果からは、玄米への移行係数を農水省の倍の0.2としてもセシウム134で2ベクレル、137で6程度と見ていたので、定量下限値10ベクレルでは検出されずになると予想していたので、その通りの結果が出たと思っています。悪くて1963年頃のお米と同程度の危険性と判断してます。
航空機モニタリングの結果も、新潟県の面積を考えれば時間がかかるのは仕方がないと思います。
>もっとも基準値よりかなり低く、全く心配のいらない値だったけど
でも、全く心配のいらない値って、これまでも覆されてきています。だから、僕は、「全く心配がいらない」という言葉を信用しないようにしているんです。
特に雨どいの下とか雨水が貯まりやすい所が比較的高かったらしい
もっとも基準値よりかなり低く、全く心配のいらない値だったけど
検出限界が高いのは単に処理が間に合わないので仕方ないと言う事情があるみたいです。
検出限界10Bqで検査をするのでさえ何十分もかかってやっとひとつのデータが得られる。
時間をかければ検出限界を下げることも出来るそうなんですが、手間がかかる上に検査依頼が何百~何千という数来るんですから、精度を上げるのは物理的に無理なんだそうです。
>こうやって少しずつ遅らせて小出しに発表するのか
についてですが、文科省のサイトを見ると分かるのですが。ヘリコプターで、往復しながら、広い範囲をスキャンしているようです。
各県、それぞれ計画的にやっている用にも感じられます。ただ、後にやっている埼玉・東京が既に発表されているのに、新潟県の公表が遅れているのは解せませんね。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitoring_around_FukushimaNPP_MEXT_DOE_airborne_monitoring/
こうした調査結果がでてないせいなのか、表向きかもしれませんが、新潟では自分たちのところは大丈夫だと思っている人が多いように感じます。スーパーで野菜の産地に気をつけても外食は普通にするとか・・・
これからびっくりするような数字が出てくるかもしれないと思います。