※資料「セシウム134、137の空間線量率推移グラフ」を掲載しました。
※コメント欄に、「放射性瓦礫等の地方受け入れ」に関する意見が並んでいます。
2011年10月10日、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演しました。環境省がとりまめた「除染に関する基本方針案骨子」の内容について批判しています。
※初稿です。誤字脱字は随時修正いたします。
=====(文字おこし、ここから)
水野「小出さんこんばんは」
小出「こんばんは」
水野「よろしくお願いします」
平野「よろしくお願いします」
小出「よろしくお願いします」
水野「今日はまず除染についてのニュース。これについて伺いたいと思います。」
小出「はい」
水野「環境省が基本方針を出したんですが。年間20ミリシーベルト未満の被ばく線量の地域については、2年後、2013年8月の末までにこの被ばく線量を半減させる方針だと言うんです。」
小出「はい」
水野「これって実現可能なんですか、2年で」
小出「えー……。半減させることはいわゆる居住区に関してはできないことではない、と私は思いますが。えー……、でも、いったい何を、いわゆる、国ですね、国の行政機関が言ってるのだろうなと、私は思います。なぜかといえば、国というのは、日本に住む人達には1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をさせてはいけない、させない、と言ってきた国だったはずなんですね。それが20ミリシーベルトを仮に半減させたとしても10ミリシーベルト。自分たちが決めた10倍ものものをいったいどうやって人々に被曝を許すというのでしょうか。」
水野「しかしながら10ミリシーベルトになれば、例えば20ミリシーベルトが10ミリシーベルトになれば、これで除染はできたってことにするというのが国の方針なのではないでしょうか」
小出「はい。ですから、私はおかしなことだと思います。半分になるといううちの効果の殆どは、セシウム134という放射性核種が半減期2年ですので、半分になれば……2年経てば半分に減ってくれるというただそれだけのことです」
水野「じゃあ、あ、2年というのはそこから来てるんですか」
小出「そうです」
水野「ほっといても半減期2年で……」
小出「134の分は当然半分になると。137のほうが減らないけれどもその分を何とか頑張って全体として半分にしようと言ってるだけのことなのであって。ごくごく限られた生活空間だけのことを言えば、できないことはないかもしれない、と私は思います。でも。実際には生活空間というのは人々の自宅とかあるいは道路だけではなくて。山もあれば田畑もあるわけですから。実際上はそんなことはできないと私は思います。」
水野「全体としてはできないということですね」
小出「はい」
水野「じゃあこれは、いかがでしょうか。子どもについてはですね、学校や公園など子供たちが多く活動する地域、ということをまあ優先的にやるということでおよそ子どもについては60%被曝線量を減少させるということなんです」
小出「はい。20ミリ……」
水野「2年後に」
小出「20ミリシーベルトを60%減少させたところで、8ミリシーベルト、ですね。なんで子供に対して、今回の福島第一原子力発電所の事故を引き起こしたことに関して何の責任もない子供に対して、今まで許してきた被曝の8倍ものものを、2年後になってもまだ許すと、この国は言うのですね。」
水野「そしてさらに、年間1ミリシーベルト以下にするべきということですが。これは長期的には目指しましょうというのですよ。」
小出「(笑)。皆さん、考えてください、もう本当ふざけた国だと私は思います」
平野「これ先生、言葉だけのですね、なんかあの、実績作りで。これ、しかもこれ、環境省のですね。政務官がこういうことを言ってるんですけど。環境省そのものがそんなに除染について、あのー、専門的な知識をもってですね、あった役所じゃないですよね」
小出「そうです」
平野「で、全く専門家がほとんどいない、放射能汚染に関してはいない、役所ですよね」
小出「そうです。はい」
水野「でも、環境省が言うというね、イメージとしてね」
平野「イメージだけ……」
水野「環境のことに厳しいお役所がそう言うんねやったら大丈夫か、というイメージになりませんか」
小出「なりますよね。ええ。それに利用されたんだと思います。環境省が。」
水野「国の責任で中間貯蔵施設を確保しなきゃいけない。つまり除染した後の汚染された土などを何処へもってくかという話ですね」
平野「そうですねえ」
水野「それ、どっか場所は決めなきゃいけないと言いながら具体案は示されていないんですよ。」
小出「はい」
水野「どうしましょう? この除染されたものを」
小出「困りますね。」
水野「これについてなんですがね。あのー、全国の自治体で受け入れてくれという国がお願いしているという話がありますよね」
小出「はい」
水野「昨日、日曜日に小出先生は滋賀県の大津市で講演会を持たれたと聞いておりますが」
小出「はい」
水野「多くの方が、大変多くの方がお集まりにだったようで。私どもの番組の記者もその席におりました。」
小出「はい」
水野「で、ある京都から来てらっしゃった方が質問に立たれたと聞いております。」
小出「はい」
水野「汚染された土や瓦礫などの処理について、自分の住んでいる京都市が受け入れる方針だということなんだけど、私としてはとてもそれについては不安であると、嫌だと。小出先生どう思われますか、って聞かれたんですよね」
小出「そうでした」
水野「小出さんどうお答えになったんですか」
小出「はい。えー、この場でまた答えると私は皆さんから怒られることに。」
水野「昨日も怒られたんですか」
小出「そうです。」
水野「あら。なんてお答えになったんでしょう」
小出「えー……、私は今、福島第一原子力発電所の事故が起きて、膨大な瓦礫が生じてしまった、現実を目の前にすると。福島県だけでそれを処理する、できるとは思えない、のです。で、福島県にももちろん子供も住んでいる、のです。何としても私はこの番組で言ってきましたけれども。子供の被曝を減らしたいと思ってきたわけですし。福島県だけで瓦礫の始末ができない、子供を含めて被曝をさせざるをえないというのであれば、やはり、全国で引き受けるしかないと私は思います」
水野「全国で……汚染されたものの処理を引き受けるしかない」
小出「はい。」
水野「ただですね、この質問なさった方は京都市の方だそうですけど。京都市にも子供は大勢住んでますよ」
小出「そうです」
水野「じゃあ京都市で、これ、処理すれば、あの、いわゆる焼却センターで処理するという方針のようですけど」
小出「そうです」
水野「京都市の子供は守れないじゃないですか」
小出「はい。ですから私は、焼却施設、現在の焼却施設そのままで燃やしていいとは思っていないのです。えー……放射性物質を含んだものを、たぶん現在の焼却施設で燃やすと、放射性物質が排気系の中に、排気の中に出てきてしまうと思いますので」
水野「そうですよねえ」
小出「えー、排気系に高性能なフィルターを取り付けるなどして、えー……、空気中に放射性物質が飛散しないようにすると、いうことをまず大前提にしなければいけないと思いますし。それをやった上で、やはり全国が分担するしかないと私は思います。」
水野「そのフィルターのお金は誰が出すのかとか、誰がまた取り外して新しいフィルターとりはずして、どうせまたどうせ汚れるでしょう?」
小出「東京電力に払わしてください」
平野「うん……それ先生ね。まあ夏以降、例えば松明とか花火の話があって、なんかこう自治体同士の不幸な話になってきてるんですけれども」
小出「はい」
平野「私自身はあの、これは今度の除染のまあ政府の基本方針の中にですね。原発事業者がですね一義的な責任をもって処理するという、まあこれ除染なんですけど。これ中間貯蔵施設の原発の事業者がですね、東電がですね、あの東電の敷地にやらすというのが一番私は自治体がこう、お互いに不幸な思いをしなくて済むような気がするんですけど。先生がよく言う東電の食堂に汚染されたですね、食料を持ち込みなさいということおっしゃってるんですけど。それと同じに私は東電がかなりのことをやるべきだと思うんですよね」
小出「できると思います。えー、まずは福島第一原子力発電所の敷地、まあかなりの敷地があるわけですし。えー、現在まあ、事故の収束のためにまあ、大変苦労してるわけですから、その敷地の全部が使えるわけではないと思いますけれども。でも其の敷地の中に持ち込むというのは当然必要だと思いますし。福島第二原子力発電所というのがあるんですね。あそこは、今回の事故はかろうじてあんまり悲惨なことにならなかったわけですけれども。でももう2度と使えないと思いますし。あの敷地を核の墓場にすればいいと思います。」
水野「ただ、そうすると、福島第二原発の周辺の方にとったら、なんとか今回大きな事故がまぬがれたのに、私らが核のゴミの場所ですまなきゃいけないのかってなりますよね」
小出「なりますよね。大変難しい問題だとおもいますけれども。放射線というものは、その、何百メートル、何千メートルと飛ぶものではありませんので。えーそれなりの手立てをすれば周辺の人が福島第二原発に入れた放射能のゴミから被曝をするという可能性はかなり少なく出来ると、私は思います」
水野「ほうー。そうした適切な措置を東電の力と東電のお金でまず、やるべき……?」
小出「東電は倒産して私は当然だと思ってるのですけれども。倒産するまでとにかくすべての力を出しつくさせるべきだと私は思います。」
平野「そうですねえ」
小出「はい」
水野「うーん……。私例えば思うのですけど。ごみ焼却センターで全国でいろんなところで処理しますとね。そのごみ焼却センターのまわりの方達はどうするのか。あるいはごみ焼却センターの作業員の方たちは被ばくしないのか。このあたりだって、」
小出「被ばくします」
水野「なさいますよね」
小出「もちろんします。ですからそれなりの注意を全てしなければ、いけません。作業員の方が被曝をしないように、これまでは全く無防備だったわけですけれども。福島県内の放射能に汚れた瓦礫を搬入すると言うのであれば、作業員の方々が被曝をしないような、それなりの防御策を講じなければいけませんし。さっき聞いていただいたように周辺に放射性物質が飛び散らないように、フィルター等を新たに設置するというようなことも必要だと思いますし。更には、んー…‥、燃やそうとなんだろうと、放射能が消えるわけではありませんので、灰の中に残ってきた放射能をどうするかという課題が残ってしまいます」
水野「灰をどうしたらいいんですか?」
小出「わかりませんが。今私が考えているのは、福島第一原子力発電所にこれから石棺を作る必要があります。それから地下にバリアーを作る必要があります。膨大なコンクリートが必要になります。そのコンクリートの母材に使うのがいいと思います。」
水野「ああー、灰をコンクリートに母材にしていく」
小出「はい」
水野「でもそうしたら最初汚染された土や瓦礫を各自治体にまず運ぶときにも、周辺の道路でずっと被曝するでしょう?」
小出「ええ、まあ……」
水野「それで、灰戻すにも、また被曝するでしょう?」
小出「はい、まあ……」
水野「日本列島そこらじゅう被曝ですよ」
小出「それはもうすでに、放射能が日本列島中に降り注いでいる。あるいは世界中に降り注いでいるわけですし。これから食物という形で何を行ってもどうせ日本中汚れるのです。この瓦礫の問題だけを取り上げてこれが大変だというのは当たらないと思います。」
水野「はい。ありがとうございました」
小出「はい」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」
=====(文字おこし、ここまで)
=====(以下、資料やブログ主の考えていることなど)
最後のくだりの水野さんの発言は、放射性物質への認識があまりになさすぎて私はとても残念に思います。
水野「でもそうしたら最初汚染された土や瓦礫を各自治体にまず運ぶときにも、周辺の道路でずっと被曝するでしょう?」
基本的に汚染された土や瓦礫を運ぶときには密閉した状態で行われなければいけませんし、そうするでしょう。密閉性が保たれている限り、放射性物質は外に飛散しません。事故が起きて密閉性が失われた場合は例外として飛散しますが。水野さんは、放送に携わって長いですからもう少し専門的な知識の上で発言できるようになっていただきたいものです。
さて、以下は、放送中に小出裕章氏が言及したセシウム134に関する空間線量率の推移予測です。ツイッターでフォロワーの方から教えていただきました。私のブログの読者はよくものごとを知っている人ばかりで、いつも刺激を受けています。ありがとうございます。
■資料「セシウム134、137の空間線量率推移グラフ」
『7月17日に、放射線防護学が専門の野口邦和さん(日本大学専任講師)がいわきで講演したときにも話されていましたが、福島の放射線量は3年で半減します。』
『今後、土壌に残って問題となる放射性物質はセシウム137と134です。137の半減期は約30年ですが、134の半減期は約2年です。これら2つの物質が流失した量はほぼ同じ(チェルノブイリの場合はこれが2対1と、半減期の長い137が多かったそうです)。』
引用元:長谷部あつし ≫ 3年で半減する放射線量/「原発なくせ」を世界に
長谷部あつしさんのブログからの引用です。長谷部あつしさんは元日本共産党福島県議会議員(いわき市)です。
図は、現在を「1」としたときの、今後の空間線量率の推移予測のグラフです。小出裕章氏も言っているとおりセシウム134の線量が減少しています。2年後には、全体の線量は現在の6割強に下がります。つまり、現在を「20ミリシーベルト」としたときは2年後には、12ミリシーベルト強となることを示しています。
長谷部あつし氏はブログの中では、現行の一般人の被曝上限1ミリシーベルトについては一切言及せず、除染が有効であると主張しています。子供の被曝に関して言及していないことは無知であり、法律を無視していることは、無法者であると言えます。なぜ立法府である議員たちが法律を無視しようとするんでしょうかねえ。
=====(関連記事、引用)
除染:「年1ミリシーベルト以上」政府基本方針案
環境省は10日、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の除染や汚染廃棄物処理に関する政府の基本方針案をまとめた。国が指定する除染対象地域を、事故による追加被ばく線量が「年1ミリシーベルト以上」とし、汚染廃棄物は排出した都道府県内で処理または中間貯蔵することなどを示した。汚染の対処を国の責任で行うことを定めた特別措置法(来年1月全面施行)に基づくもの。11月上旬にも閣議決定する。
除染について政府は当初、汚染度の高い警戒区域や計画的避難区域内は国直轄とする一方、それ以外の地域では被ばく線量が年5ミリシーベルト以上の区域を国が指定し、除染作業は自治体が行うとしていた。これに対し自治体が反発したことから、指定する地域を「年1ミリシーベルト以上」に引き下げた。
また、国直轄で除染する警戒区域と計画的避難区域の中で比較的線量が低い地域については、14年3月末までに除染作業を行うことを目指すとの目標を掲げた。
この基本方針に基づく除染作業は▽警戒区域と計画的避難区域は環境相が「除染特別地域」に指定し、国が直接作業を行う▽それ以外で年間被ばく線量が1ミリシーベルト(毎時0・23マイクロシーベルト)以上の地域は環境相が「汚染状況重点調査地域」に指定し、自治体が除染する区域や計画を立てて実施する(除染費用は国が負担)--となる。
住民の被ばく低減に向けた目標も明記し、被ばく線量が年20ミリシーベルト以上の地域を「段階的かつ迅速に縮小することを目指す」とした。20ミリシーベルト未満の地域については住民の年間被ばく線量を2年後の13年8月末までに▽一般の人は半減▽学校、公園など子どもが生活する場所では60%減を目指し、長期的には「1ミリシーベルト以下」を目指すとした。
また、国の責任で処理する「指定廃棄物」について、放射性セシウムの濃度が「1キロ当たり8000ベクレル超」とすることを決めた。
基本方針案では、指定廃棄物は排出した都道府県内で処理することと併せ、除染後の土壌など汚染廃棄物が「相当量発生している都道府県は中間貯蔵施設を確保する」と明記した。その後の最終処分については「今後の技術開発の状況を踏まえて検討する」とした。【藤野基文】
◇除染に関する基本方針案骨子
・国が指定する除染地域は、事故による被ばく線量が年1ミリシーベルト以上とする
・高濃度の汚染廃棄物や除染後の土壌は排出した都道府県で処理または中間貯蔵する
・事故による被ばく線量が年20ミリシーベルト以上の地域を段階的かつ迅速に減らす
・事故による被ばく線量が年20ミリシーベルト未満の地域での住民の被ばく量を2013年8月末までに半減させる
・公園や学校など子供が生活する場所の除染を優先し、被ばく量を2013年8月末までに60%減少させる
毎日新聞 2011年10月11日 11時44分引用元:http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111011k0000e010044000c.html
=====(引用、ここまで)
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