2011年10月7日、佐藤優氏が、文化放送「くにまるジャパン」に出演しました。小沢裁判に関して、「牛丼」という分かりやすいキーワードを用いて説明しています。佐藤優氏もまた、大変わかりやすく政治に興味を持たせてくれる人ではないかと私は思っています。


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音源
http://youtu.be/cFBM_8ksaBo

※初稿です。誤字脱衣は随時修正いたします。

=====(文字おこし、ここから)

野村邦丸「8時42分です文化放送くにまるジャパン、コメンテータージャパン。今日は作家の佐藤優さんと一緒です。お伝えするのは1本です」

※音楽

伊藤佳子「民主党小沢元代表。初公判で社会的抹殺と批判。政治資金規正法違反の罪で強制起訴された、民主党の元代表の小沢一郎被告は昨日初公判のあとに記者会見し、自らが被告の立場になったことについて社会的抹殺だと述べ、潔白を主張しました。

このなかで小沢元代表は自らが被告の立場になったことについて。社会的に抹殺する暗殺であり、生命を奪う殺人以上の残酷な暴力だと述べました。また、不当な捜査であり、裁判は一刻もはやくやめるべきだと、改めて潔白を主張しました。

この他、議員辞職する考えがあるかどうかを問われると、小沢元代表は、『何も違法なことはしておらず、そんなことを考えるつもりは全くありません』と述べ、離党や国会招致に応じる考えもないと強調しました。

一方、問題となった土地の購入に当てたとされる4億円の原資については、『私のお金です。詳しく聞きたければ、検察に聞いてください。私の知らないところで全部調べられているんだから』と述べるにとどまりました」

野村「さ、佐藤さんの目にはどのように映ってますでしょうか」

佐藤優「変わった人ですね。」

野村「小沢さんが」

佐藤「ええ。と思います。2つに分けて考えなければいけないと思います。まず、裁判。小沢さん絶対に捕まえたいと思っていた検察が、2度も徹底的に捜査して起訴できなかったと。しかも小沢さんとの共謀だって話になっている石川知裕さんの供述って言うのが、これ、録音が明らかになって。それで、相当これ、圧力のもとで取られて、真摯じゃないと。いう形で別の裁判で却下されてるというこういう状況にある。こういうので、検察審査会が2度強制起訴したから、この裁判にかけてると。この裁判、本当にこういうやり方でいいの? っていう話、は1つ」

野村「まず1つ」

佐藤「ええ。そこに対して私は、小沢さんに対しては同情的っていうか、小沢一郎じゃなくて小沢次郎でも小沢三郎でもいいんです。同じようなことが誰かにされるってのは、非常に私よくないと思ってるんです。

それと小沢さんという政治家をどう評価するかっていうのは、全然別の話。

それで、実は司法によって、政治家は社会的に抹殺できないです。鈴木宗男さんの例があるんですよ。司法によって有罪になって、今、喜連川の社会復帰促進センターに居る、刑務所の中にいる。しかし彼は直前まで政治家としても活動を2回選挙を抜けてやったわけで。

司法によって政治家が社会的に抹殺されるっていう発想が、僕はそこがまずズレてると思う。

あと、もう1つは、小沢さん、例えば牛丼屋さんとか行ったことあるかって、僕聞きたいと思います。でね、4億円のお金ってことになると、これ、牛丼100…数十万食ですよ。」

※スタジオ笑い

佐藤「そしたら1人……1日1回食べるとして数百年分の牛丼、(※聞き取れず)になる。こういうお金っていうのが、動くっていう政治っていうのが、普通のことなのかと。法に違反してないっていうことと、そういう政治でいいのかってことを、政治家がどう受け止めるってことはすごく重要なんですよ。

僕はこのニュースを見てですね、鈴木さんのことを思い浮かんだんです。実は鈴木さんが刑務所に入るその日なんですね。鈴木さんの事務所で、あの、二人で話をして。そのあと、あの、かた焼きそば彼好きなんで……あ、あ柔らかい焼きそば、餡をかけた焼きそば好きなんですよ。それにちょこっと酢かけて食べるの彼は好きなんです。その焼きそば食べながら。多分刑務所の中に焼きそばないと思って。

それで彼がしみじみといったのが、こう、佐藤さん、と。俺やっぱりズレてたと思うんだよね、と。それ、あの、400万円っていうお金を彼は官房副長官になったお祝い金としてもらった、と。それで領収証を切っている。それだから賄賂じゃない、と。彼はそう思っている、と。自分は無罪だと思っている、と。

しかし佐藤さん、と。お祝い金で400万円のお金が来るっていうの、これ社会通念に照らして正常じゃないよね、と。その、かた焼きそば……この焼きそば一杯だって、なかなか普通のサラリーマンっていうのは食べることできないんだ、と。みんなお財布のことを心配して、と。そういう時代になってるってことが捕まるまでわかんなかった、と、やはり永田町で保守系の政治家としていることによって、感覚が完全に麻痺してた、と。

だから鈴木さんは自分の麻痺してた感覚を教えてくれたってことで、この事件で逮捕されたことは、その件に関して彼は感謝してましたよ。そうじゃなかったらもう1回再スタートできなかった、と。金銭感覚やっぱりおかしかった、と。

小沢さんにその感覚あるかどうかですね。だから僕はこのニュースを聞いて、小沢さんと鈴木さんというのはだいぶ違う感じの人だなあと思ったんですよ。俺の金だからどうでもいいじゃないか、なーんてことは、鈴木さんだったら言わなかったと思う。

そもそも小沢さんは、あの、起業家でもない。ずうっと政治家で来た人でしょ。なんで4億円持ってるんですかってことに対して、国民はものすごく厳しい目なんだってことが皮膚感覚でわかんないと思うんですよね。だから、この会見を見ながら、なんていうのかな、昔の映画を見てるような感じがしました。だから、小沢、非小沢っていう時代が、終わったなーって感じがしたんですよね。あーズレてると。こういうふうに思いました」

野村「あのね、さっきね、よっちゃんに伝えてもらったとおり。4億円については私の金であることはそうなんだけど、原資については検察がもうぜーんぶ調べてると。私の知らないところまで検察は知ってるんだから、検察に聞けって言った事自体がずれちゃってるってこと……」

佐藤「ズレてると思います。それじゃ徹底して捜査してくださいと。あるいは検察の調べた内容に関して、あの、言えば、の、いいと。こういう話になっちゃいますよね。」

野村「あのー、ま、野党もね、小沢一郎さんの証人喚問は難しいにしても。参考人招致ってできないもんかって言ってる。野田総理が、昨日あたりも答弁で答えてるのは、ようするに司法の場で裁判やってる最中なんで、そこに立法の場に連れてくるっての、ちょっとこれ、なじまないんじゃないかって答弁してましたけれども」

佐藤「必要があればやってもいいと思うんですけど。ただそれよりも、前提として、その場合、真相究明に役立つと思います? 結局国会の場に連れてくるっていうのは晒し者にして、政争の具になるわけですよね。

だから、状況がよくわからないけれども、野党は徹底的に攻撃して打撃を与えると。それ与党の方は、今度は腹の中で嫌いだなと思っても、守ると。こういうゲームで、もう飽き飽きしたゲームなんですよ。

本当はなんでこんなお金が動くような政治があるのか。あるいはなんで、この検察ってものがこんなに力持っちゃってるのかと。あるいは検察ってヤメ検になった人が今度は弁護士になったりしてと。こういう業界って何なのっていうようなことで。国民がほんとうに知りたいことあるんですよね。

ところがそれが全部建前の世界の中で、もう分かりきったゲームだけをやると。それで面白くないなと思いながら新聞記者も書くと。こういうようなあのゲームのところにエネルギーをかけるべきじゃないと思うんですよ。その観点で私は、国会でもうこういうことやるの反対。それこそもう小沢さんのニュースが大きく扱われること自体、今そのテーマについて話しているからちょっと矛盾しているんですけれども。それ自体が、あの、偽装争点だと思うんです。

日本の国家によって重要なことは、もう小沢さんは終わった人なんですから。あそこで裁判やるって、ああやってますねと。建設的な政治どうできるかと。日本の経済どう出来るかと。そこに国会も社会もエネルギーかけるべきだと思うんですよ。ですからその意味で。菅さんが終わるときにトロイカは終わってると。トロイカもう退場してるですよね。ですから、過去の人について過去の事件があったなと。

鈴木宗男さんはおりの中にいるけど今でも僕は生きてると思うんですよ、政治家として。それは、さっき言ったような、この、お金に対する感覚ってのは、国民の現実に近くなってるから。お金で乖離してる人は僕はダメだと思いますね。」

野村「ちなみに4億円です。240円の牛丼なら166万6667食。280円の牛丼だった場合は、ちょっと少なくなります。142万8571食、えー買えるということでございますけれども」

佐藤「いずれにせよ数百年分にな……」

=====(文字おこし、ここまで)

このシリーズをこれまで全て読んできましたが、文句なしに面白い本だと私は個人的に思います。復興編はまだ読んでいませんが時間があるときに読みます。

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ついでに過去のインテリジェンス人生相談も。

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過去の本を中古で買って試し読みしてみるといいと思います。佐藤氏の考え方を知ると、頑固な自分の考え方がなんだか柔らかくなるような気がするんです。なんかベタぼめ気持ち悪いですね。でも好きなんですよね。

=====(ブログ主の考えていること)

この放送では、他のメディアやジャーナリストが語らない小沢論が展開されていると思います。

私が佐藤優氏を好きなのは、大変相手の立場や心情について細かく言及する点です。「内在的な理由」というものを重要視します。「外在的な理由」というのは社会的なとか政治的な理由です。「内在的な理由」とは、その人が持っている個人的な理由です。宗教だとか、心情だとか、まあそういったことです。

●「外在的な理由」

●「内在的な理由」

この2つの理由で人間は動くと考えて、佐藤氏はいつも分析を行っています。

皆さんも何かを考えるときに、この2つを念頭において考えてみると、これまで気づかなかったことに気づいたりすると思います。

例えば自分が、反原発なのはなぜかというときに、この2つを考えてみる、とかそういう感じです。ちょっとやってみてください。

話は戻して。

とくに「内在的な理由」を考えることに佐藤氏は長けていて、徹底的に相手の、心情や立場を調べて、その人物の行動を解き明かそうとする傾向にあります。

システムで何かを解決するという発想ではなく、人間が何かを解決する、という発想を佐藤さんは持っているんだと思います。実際佐藤氏は外務省の官僚としてロシアの政治家たちと大変強いパイプを持っていたといいます。そういう事が可能なのは、人間とどう付き合うかについて考え続けているからだと私は思っています。

そこが佐藤氏のラジオの聴き応えとなり、本の読み応えになっています。

※皆さんのお考えを下部のコメントにてお聞かせください。お薦めの本などがありましたらそれも教えてください。私と読者の皆さんがあなたのコメントを待ち望んでいます。

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