異常だ。

昨年末に井戸水が放射能汚染されている報道があり、書こう書こうと思いながら年を越してしまっていた。

地下水汚染が、当然のように報じられ、国も当然のような態度を決め込んでいる。だがなんの検証もされていない。こういったなんとなく進行する異常事態が僕は気持ちが悪くて仕方がない。

「放射能汚染水」「水不足」「水道停止」安全な水はどう確保する? (主婦の友新書)

報道は以下の通り。


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福島第1原発:井戸水からセシウム検出 南相馬の4カ所 - 毎日jp(毎日新聞)

『2011年12月26日 19時29分
環境省は26日、東京電力福島第1原発事故後に設定された福島県内の緊急時避難準備区域(9月末に解除)にある飲用の井戸水中の放射性セシウムの濃度を調べ、南相馬市の4カ所で少量を検出したと発表した。最大で水1リットル(キロ)当たり14.7ベクレルで、厚生労働省の暫定規制値(1キロ当たり200ベクレル)以下だが、来年4月施行を目指す新基準値(同10ベクレル)を3カ所で上回った。

調査は同市と広野町、楢葉町の1317カ所で10、11月に行い、同区域の他の自治体などは継続中。南相馬市原町区北長野の2カ所と同区北原の1カ所で、1リットル当たり11.4~14.7ベクレル、同区萱浜で1.3ベクレルを検出した。検出下限値は5ベクレルで、他の井戸は不検出だった。環境省によるとセシウムが付いた付近の土が混ざった可能性があるという。井戸は個人所有で、結果を知らせており、多くの人が飲む恐れはほぼない。【野田武】』(※引用ここまで)

僕は新聞をとってないのでわからないが、これは新聞の1面TOPで報じるべき内容だ。実際はどうだったのだろうか。

この報道の中の言葉が本当にひどくて、日本語のていをなしていなすぎて、めまいがした。

『少量を検出したと発表した』

こういった言葉を東京電力が未だに使っていることを厳しく批判しなくてはいけない。『少量』ではない。事故以前と比べさせなくてはいけない。実際に、この井戸水は、新しい基準が施行されれば使えなくなる。そして、現行の暫定基準値に照らし合わせれば飲んでも良い、ということになる。

報道の最後の結びの文句もひどい。

『多くの人が飲む恐れはほぼない。』

これは一体どういう意味なのだろうか。これが、多くの人に事実を伝えようとする姿勢だろうか。枝野全官房長官の「直ちに影響はない」よりひどい。なにより、こういった可能性について、マスコミが判断しようとしていることが間違えている。

彼らが印籠のようにかざす『客観報道』という大義名分に従うとするならば、

『井戸は個人所有で、結果を知らせている』

でとどめておく必要がある。

そこを、

『井戸は個人所有で、結果を知らせており、多くの人が飲む恐れはほぼない。』

とマスコミが判断しようとしていることに、無理がある。

表現を批判するのはここまでにして。

井戸水からセシウムが検出されたことは、地下水が汚染されていることを意味する。

地表に降り積もった放射性物質が、この9ヶ月の間に、地下水まで滲み込むのだろうか。

僕は科学者ではないから、科学的に論じることはできない。だからあくまで常識を重ねあわせて考える。

まず今、国が除染をしようと頑張っているのは、除染すればある程度、効果があると想定しているからだ。それは、降り積もった放射性物質が地表から数センチ(5センチくらいと言われていたりする)の間にあると想定しているからだ。

だが、地下水を汲み上げる井戸からセシウムが検出されている。

このセシウムはどこから来たのか。

地表から染み込んだのだろうか。だとするならば、現在考えているような地表数センチの土を除染する方法では効果がうすいことを意味する。

地表以外から来たと考えると、どこから来たのだろうか。地下水そのものが汚染されていることが考えられる。その汚染はどこから来たのだろうか。多くの人が原発の地下からきていると考えるだろう。

だがこれも、僕の中では推測でしかない(根拠を知ってる人はぜひ教えてほしい)

南相馬の地下水が汚染されているというのは事実だ。この原因を解明することは大事だ。

同じ日に、環境省も地下水の汚染について発表している。

EICネット[国内環境ニュース - 旧緊急時避難準備区域(南相馬市、田村市、川内村、広野町、楢葉町)の放射線モニタリング測定結果 一部まとまる]

『環境省は、平成23年12月26日、旧緊急時避難準備区域(南相馬市、田村市、川内村、広野町、楢葉町)の放射線モニタリング測定結果を一部とりまとめ公表した。
 今回の測定は、旧緊急時避難準備区域の復旧を支援するための放射線モニタリングアクションプランに沿って実施しているもの。
 今回公表したのは、自治体の要望を踏まえて、10~11月に実施した飲用の井戸水等地下水のモニタリングのうち、これまでに分析が終了した南相馬市の一部、広野町、楢葉町の測定結果。
 公表によると、放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)について、南相馬市の3箇所で5.6~5.9Bq/LのCs-134、4箇所で1.3~9.1Bq/LのCs-137を検出した。この値は、原子力安全委員会が示している「飲食物の摂取制限に関する指標」※を大きく下回っている。

※放射性ヨウ素(ヨウ素131):300Bq/kg以上
 放射性セシウム(セシウム134、セシウム137合計):200Bq/kg以上』

環境省は、セシウム134とセシウム137の数値を分けて発表していた。つまりこの環境省の発表を毎日新聞が、先述のように報道したということになる。その上で、『原子力安全委員会が示している「飲食物の摂取制限に関する指標」』のみに従って「下回っている」と発表している。

環境省は、環境汚染を少しでも少なく見せようと頑張っている。

僕が一番危惧するのは、この地下水の汚染の原因について一切誰も語ろうとしていない点だ。地下水は汚染されていないというのが公の発表ではなかったか。それがいつの間にか、地下水は汚染されているのが当たり前でしょう、という大前提が作られている。

こういった異常事態が「静か」に進行していることが、とにかくもう気持ちが悪い。

=====(加筆1。2012年1月3日21:02)

コメントにて、情報をいただきましたので加筆掲載いたします。

井戸水調査に関する、環境省の発表資料です。

環境省 報道発表資料-平成23年12月26日-旧緊急時避難準備区域(南相馬市、田村市、川内村、広野町、楢葉町)の復旧を支援するための放射線モニタリングアクションプランの測定結果について(お知らせ)

=====(追記ここまで)

いま、飲み水が恐ろしい!―果てしなく汚染されている“水”の新事実 (21世紀ブックス)

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