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2012年1月24日(火)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。老朽化が進み、圧力容器の脆性遷移温度が96℃となっている玄海原発1号機の試験片が廃棄されたことについて言及しました。


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20120124 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章 - YouTube

原発ゼロ世界へ―ぜんぶなくす―(発行:エイシア出版)

=====(文字おこし、続き)

※「原子力対策本部・議事録なし 作成へ「刑務所に入れるとか、そういうことができない限りは何をやっても意味が無い」小出裕章 1/24(1)」からの続きです。

水野「これ…証拠がなくなっているという意味でですね、あの、こんな話も驚いているんですが。九州電力の玄海原発。これは36年以上経っている原発で、あの、前にも小出先生が仰っていた最も危険性の高い、原発の1つであると」

小出裕章が「玄海1号機の定期検査」を解説ーー脆性遷移温度「98度」の原因を調べる必要ある。 12/1(1)

小出「はい」

水野「いうようにお話くださいましたよね」

小出「そうです」

水野「その理由も…あの…詳しく教えていただいた言葉あるんですが」

小出「はい」

水野「この、玄海原発の老朽化をめぐって、専門家が審議する会議が東京で昨日開かれたんだそうです」

小出「はい」

水野「そこでですね、九州電力はなんていったかっていいますと。原子炉の健全性に問題はないと。つまり大丈夫ですということを説明、したわけですね」

小出「はい」

水野「で…専門家からは、いやどうなんやといろんな意見が出て。でも分かってきたことはですね、原子炉の中に試験をするためのかけらっていうんですか?」

小出「はい」

水野「試験片」

小出「そうです」

水野「というもの、入れてるんですよね」

小出「はい」

水野「その一部を…九州電力が保管していなかったと」

小出「はい」

水野「いうことがわかり」

小出「はい」

水野「これ、廃棄した可能性があると、」

小出「はい」

水野「いう、情報が伝わってまいりました」

朝日新聞デジタル:九電玄海原発、試験片を廃棄か 原子炉劣化の目安 - 社会

小出「はい」

水野「で、こんなことありうるんですか……」

小出「えーとですね……。原子力の圧力容器という鋼鉄製の容器が、どれだけもろくなっているかということを、これまで調べてきているのですね」

水野「はい」

小出「もともと、金属ですから、え……曲げて…曲げたり、叩いたりしても壊れないというもののはずなんですけれども。」

水野「ええ」

小出「原子炉が動いていると中性子という放射線に被曝をして」

水野「はい」

小出「その金属がどんどんガラスのようにもろくなるというそういう物理的な性質がある、」

水野「もろくなってしまう。はい」

小出「はい。え…それがどれだけもろくなったかということを調べようと、ずうっとまあ、してきたのですね」

水野「はい」

小出「んで…いったいどこまでやればどこまでもろくなるかということがわからなかったんで、試験片というものを入れて、調べるということをやってきた、のです」

水野「試験片というのはつまりその、金属と、」

小出「はい」

水野「あの…外側の金属とおなじような、物質」

小出「はい、同じ組成のものを、え…圧力容器の中に貼りつけて」

水野「貼りつけて。」

小出「え…それがどこまでガラス…のようになっているかということを調べようとしてきた」

水野「それを取り出して」

小出「はい」

水野「調べるというやり方なんですね」

小出「はい。あの、わた…限界の1号機の場合には、6個あったのだと思います」

▼[PDF]玄海原子力発電所 1 号機原子炉容器の照射脆化に対する健全性について

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水野「ほお」

小出「はい。それをあの順番に取り出してきて、え…どこまでガラスのようになってきたかということを調べてきたのですが」

水野「ええ」

小出「4個目まで調べたはずだと思いますが。え…その時に、98度を下回ってしまうとガラスだと、いう結果がでた、のだったと思います」

水野「これは確か、その、原子炉のうつわがどんどんもろくなってきたときには」

小出「はい」

水野「温度が低くなればなるほど、割れやすいんでしたっけ?」

小出「そ、そうです。あのだから普通の温度であれば、元々金属というのは叩いたってただ凹むだけの、割れるようなことはないわけですけれども。え…中性子という放射線に被曝をすると、え……普通の温度でもガラスになってしまう可能性あるということで調べてきたんですね。」

水野「はい」

小出「それでいまや、もう98度以下であるとガラスだと言ってるわけで。普通の温度であればもう限界の原子炉はガラスなん……です」

水野「ガラスと同じような脆さなんですね」

小出「はい。になってしまっている」

水野「つまり、例えば今、運転を全部止めて」

小出「はい」

水野「温度をどんどんどんどん下げていったときに」

小出「はい」

水野「普通の温度になったら」

小出「はい」

水野「そ、ガラス…」

小出「になっていると」

水野「の中に、核燃料が入っている状態だと、思わざるをえない」

小出「そうです」

水野「ということですね」

小出「そうです。ただし、原子炉の運転を止めたときには原子炉…の温度はまあもちろん冷たくはなっているけれども、圧力がかかるわけではないし、特別あの異常な事態がなければ圧力容器がガラスであっても壊れないと言ってるのですね」

水野「へえ……」

小出「はい。ただし、あのー、え……なにか地震などに襲われてですね、原子炉…が過渡的(※でいいのか?)な状況になって」

水野「はい」

小出「冷たい水を入れて原子炉を冷やさなければならないとかいう状況に追い込まれたときに」

水野「はい」

小出「その、ガラスになってしまった、圧力容器が本当に健全でいられるかどうかということが、とっても心配なのです」

水野「はい」

小出「はい。え…そのことをずうっとまあ、原子力を進めてきた人たち、は心配をしてきたわけで。」

水野「はい」

小出「そのために試験片というものを入れて、テストをするということをやって来た、のです。え……それが限界の場合には予想以上にその……うん…高い温度でも圧力容器がガラスになってしまうという結果が出てきてしまって。」

水野「ええ」

小出「どうしたものかと言って彼らが悩んでるというそういう状態です。」

水野「しかしながらその試験片、かけらのうちの一部が、廃棄された可能性があると」

小出「はいはい(苦笑)。そうですね。ですからこれまで、え…多分4つ、試験したと思いますけれども。」

水野「ええ」

小出「え……中性子に被曝していますので、それ自身が放射能になってしまっているのですね。」

水野「ええ」

小出「で、放射能になってしまっている固まりをどこまでガラスに近づいたかということを試験してるわけですけれども。もう試験した物自身、その、試験片自身が放射能の固まりですので。いつまでも持っていたくはないという思惑は、まあ誰でも思うと思いますし」

水野「そうやけど……」

小出「もう一度やらなくてもいいというふうに思ったということはありうることだと私は思います。ですから本来であればもちろんとっておいてですね、後からもう一度試験をしたい、してみるということは本来であればそうだと思うけれども。え……思わずに捨ててしまったという可能性はあると思います」

水野「ええ……?」

平野「これはあの、取扱いに関する法律で、こういうその廃棄をしても特に罰則のようなことはないんですか」

小出「あっ。えーと放射性物質としてもちろん廃棄しなければいけませんけれども。え……もち…普通のだからゴミとして捨ててはいけないけれども。試験も終わったので、放射性物質として廃棄をするということであれば罰則規定はないは…ないと思います。」

平野「ふーん」

水野「ふうーーーん。だけどそんなことは誰の責任において、どこにどういう形で廃棄したっていうの残りますでしょう」

小出「あっ。それはもちろん残ります。それはもちろん残ります。」

水野「そうですよね」

小出「あの、ですから、本当にその追跡を使用と思えば、え……何月何日に廃棄したドラム缶の中にそれがあるということはわかる、わかります。ですからその、もう一度そのドラム缶を開いて、その中から取り出して、もう一度その検査をするとかいうことは可能な…でなければいけないし。今でもできるだろうと私は思います」

水野「うーん。やはり、こういうふうに証拠となる物がなくなったと言われると、やはり素人の私なんかは、じゃ、その証拠にはなにか重大なことが解るその秘密が隠されている、から、無くなったんじゃないのというふうに疑うんですよ」

小出「はい。えーと、でも、その、九州電力にしても、なにか隠そうとしたのではなくて、もう試験が終わったので捨ててしまったという可能性はあると思います。」

水野「ええーーー…………」

小出「ただしあの回収は私は可能だと思いますので。」

水野「ええ」

小出「回収してもらって、え……本当にどこまでガラスになっているかということを、の、実証的なデータを得るために使って欲しいと思います」

水野「ねえ。大切なデータですよね」

小出「はい」

水野「ありがとうございました」

平野「ありがとうございました」

=====(文字おこし、ここまで)

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