2012年2月2日(木)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。アメリカの原発がベントで放出したトリチウムの危険性について再度語りました。核融合や六ヶ所の再処理工場の危険性を伝えています。

おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能


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▼20120202 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

=====(文字おこし、ここから)

千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにお話を伺います。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます」

小出「はい。こんばんは。よろしくおねがいします」

千葉「お願いします。え…今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」

千葉「やー藤田ですー。よろしくおねがいしますー」

小出「はい。藤田さんこんばんは。よろしく」

千葉「えーさて、小出さん。今日はですねえ。」

小出「はい」

千葉「リスナーの方からメールがスタジオにたくさん届いていますので」

小出「はい」

千葉「え…それをお伺いしてまいります」

小出「はい」

千葉「え…まず、今週火曜日にですね、小出さんにアメリカの原発事故に関連して放出されたと言われるトリチウムという物質についてお話を伺いました」

アメリカ原発ベントで放出 トリチウムの危険性「細胞の中にでもどこでも入ってきてしまうし。有機物に化合するとDNAの一部に」小出裕章 1/31(1)

小出「はい」

千葉「え…水素と同じものですが、放射能を持っていて、環境に出てしまうと水そのものになってしまって、回収の方法がないというおはなしにはかなりびっくりいたしましたが…。それに関連して、え…このような質問が来ております」

小出「はい」

千葉「…えーと、トリチウムという放射性物質があるとは初めて知りました。もともと自然界には存在する放射性物質のようですが。原発の排水や核実験などでトリチウムはどれくらい増えているのでしょうか、という質問なんですが…。」

小出「はい。えー、元々自然界にはですね、ごく微量ですが、あります。どうしてそんなものがあるかというと、宇宙から宇宙線というものが地球に降り注いでいるのですが」

千葉「宇宙線てあの、なんか、光線みたいなもんですね」

小出「そうですね」

千葉「はい」

小出「はい。その宇宙線が大気中の、え…原子と反応してトリチウムを生成するというそういう反応の仕方がありまして。」

千葉「はい」

小出「え…地球には昔からトリチウムという、まあ三重水素と言ってる水素の三倍重たい水素なんですが」

千葉「はい」

小出「が、あるのです」

千葉「はい」

小出「んで…、まあ、昔から人類も他の生き物もトリチウムに被曝をしながらきた、のですね。え…でも人間が…いわゆる核反応という反応をさせる力を持つようになった、つまり原爆を爆発さ、させたり、水爆を爆発させたり、あるいは原子炉を動かしたりということになってから、トリチウムという、その、放射能を持った水素を大量に生み出すようになりました。え……例えば1950年あるいは60年代にかけて大気圏内核実験というのが、まあ、数限りなくまあ何百回も行われたわけですけれども。」

千葉「はい」

小出「その行われた核実験では、え…す…今までにあったトリチウムの約100倍というようなトリチウムを大気中にばらまきました。」

千葉「今までにその地球上にあったトリチウムの約100倍」

小出「はい」

千葉「およそ100倍が、その実験でばらまかれたわけですか」

小出「はい。まあなん…10年15年20年近く大気圏内核実験というのは続いたわけですけれども」

千葉「はい」

小出「その期間にわたって、放出したトリチウムの総量はこれまで地球上にあったトリチウムの100倍という、そういうものを放出してしまった、ということになりました」

千葉「はあーーーーーーー」

小出「で…その上で今、原子力というのをやってるわけですけれども」

千葉「はい」

小出「例えば今、六ケ所の再処理工場を動かそうとしていますが。六ケ所の再処理工場は多分毎年毎年、え……地球全体で自然に作られているトリチウムの、と同じくらい放出してるんじゃないかな、放出するのじゃないかなと思うぐらいを、多分放出します」

千葉「その一箇所、一箇所だけで」

小出「はい。」

千葉「ですか」

小出「はい」

千葉「はあーーーーー。そ(苦笑)。じゃあもう、うー。限りなくじゃあ、もしかすると、トリチウムを増やすことになっていくかもしれないわけですね」

小出「そうです。えー原子力をやる限りは必ず増えていってしまいますし。もう1つの問題は、え……核分裂は、核分裂、まあ現在やってる原子力は核分裂生成物という放射性物質をつくり出してしまうので、汚い、ということはまあ原子力を進めてる人たちも認めてきたわけで。」

千葉「はい」

小出「え…そのために核融合が出来ればクリーンだと言ってきた、のですね」

千葉「はあはあ」

小出「え…ところがその核融合というのは、実はトリチウムを燃料にするんです。」

千葉「はあー」

小出「はい。え…自然界にあったのの何百倍というようなトリチウムを毎年毎年燃料に使うというような技術が核融合、という技術でして」

千葉「はあ」

小出「す…なんかみなさんは夢のエネルギー源だと思われているかもしれませんけれども、そんなことをやったらもう地球が放射能まみれになってしまうと、私は危惧してきま、きました。」

千葉「え? その核融合をやるためにはじゃあ大量のトリチウムを作らなきゃいけないわけですね」

小出「そうです。それが燃料なんです」

千葉「ええー! それが、まずトリチウムありきで核融合が行われるということ、なんですね」

小出「はいまずは、はい。点火する前にはトリチウムを集めておかなければいけませんし。一度核融合を添加したあとは自分でトリチウムをどんどんどんどん生み出しながらそれを燃料にするというそういうシステムにしなければいけないのですが」

千葉「はあ」

小出「水素というのは閉じ込めるということは大変難しいので。多分大量に漏れてくることになりますし。」

千葉「ええ」

小出「え……核融合ということをやればトリチウムが最大の、放射能の、被曝源になるだろうと私は思います」

千葉「ん、あの、環境に出たら水と同じだから回収することは全然できないということなんですもんねえ」

小出「そうです。はい。」

千葉「え、そういう事なんですか」

小出「はい」

千葉「藤田さんいかがですか」

藤田「ええ。ということはこのトリチウムというのはまあ、かなりのその有毒物質であることは間違いないですよね」

小出「えーと。放射能、放射性物質というのはもう山ほどあるわけですけれども」

藤田「ええ、ええ」

小出「その放射性物質の毒性でいうとあまり高くはない、のです。ただし、他の放射性物質は閉じ込める技術はもう様々にある、のですけれども。トリチウムは水素ですので、」

藤田「ええ、ええ」

小出「水になってしまう。そうするともうあの、水の中からいくら放射性物質を取り除いて、綺麗にしたつもりでも、水そのものが要するにトリチウムで汚れているわけですから、閉じ込めようがない、のです。ですから、六ヶ所再処理工場というのがいままあ、動くか動かないかの瀬戸際にあるわけですけれども」

藤田「ええ」

小出「トリチウムに関する限りは、全量を放出するということになっています」

藤田「んーあ」

千葉「はーーー」

藤田「まあそういう意味では、まあ、非常に危険なもの、ですよね」

小出「はい。あの、大変人間としては、あの、向きあうことが難しいという、そういう放射性物質です」

千葉「はあーーーーーーーーー。それが今そんな状態になってるわけですね(※何故か嬉しそう)」

小出「はい」

千葉「んーーーーーー。今のはラジオネームラジオ大好き三という方からの質問でしたけれども。それでは次参ります」

小出「はい」

千葉「次はですね、ラジオネームこうらるさんごうさんというかたで。福島を始め、え…福島を含め、全国的に雪が降っています。え…雪は見た目には綺麗ですが。その結晶に空中の放射性物質が付着して降り積もっているのだと思うと恐ろしい気もします。わたくしの子供たちが埼玉に住んでいますが、雪は雨より多く放射性物質を付着して降り注ぐということはありますでしょうか。という質問なんですが」

=====(文字おこし、続く)

続き:雪と放射性物質の関係「とけた水の中に放射性物質が滲み出して、また川とか、人々が住んでいる土地を汚していく」小出裕章 2/2(2)

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