2012年2月2日(木)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。雪と放射性物質の関係について説明しました。

さようなら、もんじゅ君---日本一わかりやすい高速増殖炉のおはなし

▼20120202 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

=====(文字おこし、続く)

※「放射性物質トリチウムの危険性 六ヶ所再処理工場や核融合で漏れる 小出裕章 2/2(1)」からの続き。

千葉「次はですね、ラジオネームこうらるさんごうさんというかたで。福島を始め、え…福島を含め、全国的に雪が降っています。え…雪は見た目には綺麗ですが。その結晶に空中の放射性物質が付着して降り積もっているのだと思うと恐ろしい気もします。わたくしの子供たちが埼玉に住んでいますが、雪は雨より多く放射性物質を付着して降り注ぐということはありますでしょうか。という質問なんですが」

小出「えー。はい、えーっとですね。雪も雨もですけれども、空気中に放射性物質が漂っている時には、それを洗い落としてきます。

千葉「はい」

小出「え…ですから、去年の3月11日から、福島第一原子力発電所から沢山のまあ放射性物質が大気中にで、出てきたわけで」

千葉「ええ」

小出「え、その頃に降った雨、その頃に降った雪であれば、大量の放射性物質を洗い落としてきたという、そういうもの、です。」

千葉「はい」

小出「ですから雨にうたれてはいけなかったし、え……雪、もちろん雪もかぶってもいけなかったという時期があったはずだと私は思います。え、ただ、今現在は、福島第一原子力発電所から大気中に大量の放射能が出てきているという状態では、ないという、まあ出てはきているのですけれども。え……1年前に比べれば、ん、ん、ずいぶん少なくなっているはずですし、雨や雪で洗い落とされてくる量は少なくなっていると思います。え…そして、雪が、あの、ある程度積もってしまうとですね。これまで地面を汚していた放射性物質から飛び出してきている放射線を遮ってくれるという役割を今度はもっています」

千葉「あ、そうなんですか」

小出「はい。ですから今の雪はむしろありがたがったほうがいいかもしれません」

千葉「はあーーーーー。なるほど。遮ってくれる効果があるということですね」

小出「はい。ただまあそれが、また雪がとければですね、溶けた水の中に放射性物質がしみで、滲み出してきて、また川とか、え……人々が住んでいる土地を汚していくということになるだろうと思います。」

千葉「はい、わかりました」

小出「はい」

千葉「え…それからですね、もう1問。こちらは、え…ラジオネーム岩手県のハガさんというかたからなんですが。え……、21日に福島県で小出さん、講演会を行ったようなんですが」

1月21日 小出裕章氏の福島市での講演会「考えよう、私たちの子どもの明日」 « 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ

小出「はい」

千葉「え……8月の講演会と比べて福島の人たちの様子にちがいはありましたか? また、どのような質問が多かったですか? という質問なんですけれども」

小出「(苦笑)」

千葉「小出先生、講演なさったんですね?」

小出「はい」

千葉「あのいかがでしたか?」

小出「え……、そうですね。その日あの雪が降って、いました。で……終わってから私は福島の人たちと一緒に、土宇温泉という温泉までいきまして、そこで皆さんと話をしながら一晩とまったのですが。その間も雪が振って、いました。で…とっても綺麗、でした。」

千葉「はい」

小出「真っ白な銀世界で、え……山も森も、しろーく、彩られていて綺麗でした。でも、そこが、全て、私が管理している放射線管理区域、と言っている場所以上に放射能で汚れているという、そういう場所、なのです。……人々は放射能を見ることできませんし」

千葉「ええ」

小出「感じることもできません。本当にきれいな世界なんですけれども、そこが放射能で汚れている。そして、そこに子供たちが住んでいる……。」

千葉「はい」

小出「で、私が行ったときには、2回講演会を私はやらせてもらいましたけれども。初めは子供たち向けの講演会でした。え…ちぃちゃな子供たちもたくさんきてくれ……ていましたけれども。……(ため息)、こういう所に子どもがすんでいるのかなあと、思うと、私は心穏やかではいられません、でした。え…子供たちが色々なことを質問してくれ、ました。……なんで原子力なんて必要なんですかと、ズバリと私に聞いた子どももいましたし」

千葉「はい」

小出「なんで福島、の原子力発電所が壊れてしまったんですかと、福島に住んでいる子どもが悲鳴のような質問を、う…、して…しました。普通の大人ではこういう質問は出ないだろうなと思うような質問をうけて、私は言葉に詰まりながら、え…私に出来ることを答えたという、そういう状態、でした。はい」

千葉「うーん……。何と言っていいのか、という感じですけれどもねえ」

小出「はい」

千葉「わかりました」

小出「はい」

千葉「小出さんどうも、ありがとうございました」

小出「はい。ありがとうございました」」

千葉「はい、え…京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話を伺いました」

=====(文字おこし、ここまで)

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