08)

大飯原発3.4号機のストレステスト(1次評価)が、保安院によって押し切られる形で、OKがでて、原子力安全委員会に、判断が、受け渡されていました。

これに対して、ストレステストの委員会に参加している、後藤政志氏と井野氏は、抗議声明を出していました。

その後、原子力安全委員会から、ストレステストは再稼働とは関係がないとの意見が出されています。

それでは、後藤政志さんの、解説を見ていきましょう。

▼後藤政志より原子力安全委員会 班目委員長の東京新聞報道に対して

=====(文字おこし、ここから)

後藤「はい、後藤です。今日(2012年2月18日)、2月18日付東京新聞ですね。ここにですね、あの、河川の放射性物質のこの、え…が、どのように蓄積しているかってことの問題もあったんですが。その横にですね。えー、原子力安全委員会の委員長班目委員長の1次評価の、え…レベル疑問という形で、原発再稼働と関係ないと。これは実はストレステストの話なんですね。これ、非常に注目すべき内容なんでちょっとこれをご紹介いたします。」

東京新聞:班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」:社会(TOKYO Web)

後藤「えっと…班目春樹委員長がですね、17日にあの、定期検査で停止中の原発を、再稼働する条件とされている、安全評価。つまりストレステストの1次評価について、ということでですね。え…カッコにして、言葉として入っているのは、『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ安全性の判断はできない』、それから、『1次評価は安全委員が要求している、かっこ、安全性のレベルに達していない、カッコ閉じ、との見解を示した』ということです。

で、これ、はですね、えっと非常に重要なお話で。これ、わたくし、いの委員も私も、それ、主張してるんですが。1次評価というのはここに解説も出てるんですけれども。その……炉心が融けるまでの話なんですね。で、それまでを、保安院が、え…指示を各、え…電力会社に出した指示というのが、1次評価をとにかく先に出しなさい。それで評価をしたあと、2次評価はあとでやると、そういう話だったんですが。

2次評価は、切り離す。それで、1次評価だけで3号4号については、一応妥当であるという評価をしたということなんですね。それで安全委員にあげたと。

しかしながら、安全委員会の委員長自身がこういう発言(『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ安全性の判断はできない』『1次評価は安全委員が要求している安全性のレベルに達していない』)をしてる、ということなんですね。これはあの、至極まっとうな話なんですね。

実は、えっとストレステストの委員会の中でも、井野委員や私だけではなくて、岡本委員、司会役をやってますね、東大の岡本委員も、最初に2次評価の重要性を指摘しているんですね、委員会の中で。で、ほぼ、考え方としては委員は大体、2次評価まで要るというような、それに近いニュアンスで話しをしてきているわけです。

ところが、保安院は、1次評価だけで、判断を止めてると、こういう構造なんですね。これは一体どうしたものかと。いうことです。

でこれにつきましては、私は、月曜日ですね、明後日の月曜日のストレステストの委員会で冒頭で申し上げるつもりです。どういうことかと、いうことをですね。

で、あの、そうしますと、そもそもですね、大飯3・4号があって、次に伊方とか、いろんな話がありますけれども。そういう話、すっ飛んでしまいますよね。そういう問題ではない。

つまりストレステストていうの、一番最初からずっとこう議論しているところの、位置づけ、何を意味してるか、ということですね。原子力安全委員会の委員長が、この、ストレステストの1次評価について、再稼働とは全く関係ないと。安全性の評価になってないんだと、いうことを言ってるということの、意味ですね。これはあの、非常に重要な話なんで、ちょっと、今日はお伝えしておきました。それが1つです。

あと、えっと、前にもご紹介してるかもしれませんけれども。えっと…クレヨンハウスというところですね、そちらから、出していただいている、えっと…私が講演したときにですね、それを本にしたものがあります。『原発を作ったから言えること』という本で。あの、定価、え…500円プラス税という形なんで、比較的お求めやすい価格になって、るかと思います。と同時に、中身も、ひ、比較的分かりやすく、書いてあると思いますので、もしよろしければご覧頂けるかと思います。どうもありがとうございました」

=====(文字おこし、ここまで)

「原発をつくった」から言えること (わが子からはじまる クレヨンハウス・ブックレット003)

ざっくりと要約すると。

(1)そもそも、ストレステストという1次評価を先に出してもらって。2次評価はあとで別にやる、という話だった。

(2)だが、保安院は、ストレステストという1次評価だけやって原子力安全委員会にあげた。(話が違う)

(3)原子力安全委員会の班目春樹委員長は『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ安全性の判断はできない』『1次評価は安全委員が要求している安全性のレベルに達していない』と発言した。つまり、1次評価だけでは再稼働は認めない、と発言した。

(4)今後のストレステストの委員会で検討していくよ。

ということですね。

3.11以後の報道において、原発推進側だとされている原子力安全委員会が、ここにきて、再稼働の壁として、機能しようとしているわけです。

4月の原子力規制庁発足で、原子力安全委員会は消滅するわけですが、最後の最後で、原子力委員会は、良心といいますか、最後の意地といいますか、本来の役目を全うしようとしているのでしょうか。

アタリマエのことを当たり前のようにやろうということですね。

大飯原発3・4号機の再稼働を強引に進めようとする、原子力安全・保安院と、規制庁・原子力安全委員会、の対立構造がみえています。

これまで保安院設立以降、存在感がほぼゼロだった安全委員会が、3.11以降、国民の厳しい目にさらされたということで、機能が回復したということも言えるのではないか、とも思ったりします。

とにかく、班目春樹氏には、贖罪の意味を込めて、最後の大仕事を、全うしてもらいたい。

2月20日(月)、のストレステストの委員会の動向に僕は関心が高まっています。

後藤さん、井野さん、にもエールを贈りたいと思います。

=====(追記:2012年2月19日1:01)

上記の東京新聞の内容を引用します。

『経済産業省原子力安全・保安院は十三日、関電が提出した大飯原発3、4号機の一次評価結果を「妥当」とする審査書を安全委に報告。安全委も妥当と判断すれば、政府は福井県など地元自治体の同意を得たうえ、首相と関係閣僚の判断を経て、早期に再稼働したい意向だ。しかし、班目委員長が「一次評価は再稼働に関係ない」との認識を示したことで、安全委に再稼働の可否を判断する権限はないものの、福井県が一段と再稼働への慎重姿勢を強める可能性がある。』

あくまで権限はないけれども、考え方を示した、ということですね。

つまり、このまま保安院が再稼働に向けて暴走しようとすることを、原子力安全委員会が牽制しようとしている、という動きになります。

=====