2012年2月22日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。米NRC(原子力規制委員会)が公開した、原発事故直後の議事録について言及しました。

▼20120222 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

図解 原発のウソ:小出裕章

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※「クウェート、原発計画やめる「正常な神経を持ってればそうだろうと思います」小出裕章 2/22(1)」からの続き

水野「はい…。え…そして、最初にお伝え致しました、アメリカの原子力規制委員会が、公表した内部文書のニュースなんですが。」

アメリカNRC、原発事故直後の議事録など公開:報道の差異まとめ

水野「これはですね。小出さん。あの、まず、わたくしが、ああ、こういうことかって思いましたのは。アメリカも、事故直後から自体の深刻さをよくわかっていて。で、最悪の事態を想定して人を逃がそうとしたわけですよね。」

小出「そうです。」

水野「ただ、その、最悪の事態を想定した根拠は、言うても日本からのデータなんですよね」

小出「はい。そうです」

水野「つまり、日本でも同じデータを使って、同じような判断をくだすようなことは、できたというふうに小出先生は思われますか」

小出「もちろんです。ですから、つい先日も、原子力委員会の近藤さんという委員長がいるんですが」

水野「はい」

小出「え…近藤さん自身が最悪のシナリオというのをその当時もう作っていて。」

http://www.asahi-net.or.jp/~pn8r-fjsk/saiakusinario.pdf

水野「はあ」

小出「250キロ先まで強制避難させなくてはいけなくなるという、ことを当時からいっていたわけですし。私自身もそう思っていた、いましたし」

水野「ええ」

小出「はち…米国が言った80キロ、なんていうものが、まだ緩すぎる、ひょっとしたらばもっとひどいことになるというふうに私も当時から思っていました。」

水野「ええ」

小出「まあ、言ってみれば専門家であれば当然そう思っていたのです。」

水野「…はあ…。だけど、原子力安全委員会は、結局そっちに動きませんでしたね」

小出「はい。日本の場合には、とにかく住民のパニックを防ぐということが、1番のまあ、重要項目になってしまっていて。被曝を避けるということは2の次にな…されてしまっていました」

水野「うん…。」

近藤「あの…小出先生ね。パニックを防ぐっていうのはまあいわばあの、ある種こう、自分らにとってあまりいい結果をもたらさないという判断があるからだと思うんですよ。」

小出「はい」

近藤「僕はマスコミの人間だから思うんですけどね」

小出「はい」

近藤「パニックを起こすか起こさないかっていうのは、我々が考えるべきことじゃないんです。」

小出「はい」

近藤「あの…住民サイドでそれは判断すべきことですから」

小出「はい」

近藤「必要な情報は僕は出すべきだと思うんですよね」

小出「はい。近藤さんがそう言ってくださるのは、私は嬉しい、です」

近藤「まあ」

小出「あの、マスコミという人たちがちゃんと情報を出すということでやっていただきたいと思うし。もちろん政府だって情報はきちっと出す。そしてそれは住民自身が判断するというふうに、い…して欲しいと私は願います。はい」

水野「うーん…。ただ、この80キロというふうにアメリカ政府がいっていたときに、日本ではどうだか…だったかと言いますと。まあ最初は3キロっていってましたね、避難。」

小出「そ、そうです(苦笑)」

水野「で、10キロは屋内退避と」

小出「はい」

水野「で、それから20キロ避難で」

小出「はい」

水野「30キロまでの、かたは屋内退避と」

小出「はい」

水野「いうふうに小出しだったんですよ」

小出「そうです」

水野「…でも、これもですね、あの…元はといえばメルトダウンしている、可能性、を、認めるか認めないか、が大きく判断を左右したかと思うんですね」

小出「はい」

水野「じゃないすか。今回のことで解ることの一つは」

小出「ただし、もちろんそうですけれども。」

水野「ええ」

小出「すでに12日、地震が起きて1日後には1号機の原子炉建屋が吹き飛んでいる、のですね。え…それはすでに原子炉がメルトダウンしているということを示している。専門家であれば誰でもわかる」

水野「あ…そうですか!」

小出「のです。はい」

水野「はい」

小出「ですからその段階でもちろん米国の規制委員会もそのことが分かっている、わけですし。え…場合によっては格納容器からの大量の放射性物質の、放出があると。彼らも考えたし、私も考えました。ですから私は、あの、逃げる準備をしてくださいと言って、12日にみなさんに警告しました。」

近藤「うん…」

水野「そうですよね」

小出「はい」

水野「その、警告なさっていることをしって、私たちたね蒔きジャーナルは小出先生に連絡差し上げて」

小出「はい。ありがとうございました」

水野「3月14日からこうやって解説をしていただく、」

小出「はい」

水野「ことになり。14日の時にもう、1メートルでも遠くに逃げてください」

小出「はい」

水野「と。小出さんがおっしゃったのを覚えておりますが」

小出「はい」

水野「…じゃあ、政府もわかっていた」

小出「…だって東京電力が、もう、放棄して撤退したいと言ったん、です。」

水野「うん…」

小出「で、菅さんが、もうそれを聞いて、これではだめだと言って東京電力に乗り込んで撤退を許さないというようなことがその時に起きていた、わけで。当の本人である東京電力がもうだ…持ちこたえることができないというぐらいの判断をしていた時期だったのです。」

水野「ふうむ…。しかしながら、その情報が今回アメリカから入ってきてですよ」

小出「(笑)」

水野「(苦笑)日本、で開示されたわけではないですよね」」

小出「そうですね」

水野「こ、これをどう思われますか」

小出「うーん、まあ、この日本という国が本当にその、近代国家といような国ではなくて、情報地震の流れすらが、恣意的に捜査をされてしまっている。失礼ながらマスコミもですね、そのことをきちっと報道しないでここまで来てしまったということだと私は思います。私はあの、米国という国は実は大嫌いなんですけれども」

水野「ふふふ(笑)」

小出「まあ……それをのぞいて、私のような個人的な好みを除けば、」

水野「ええ」

小出「まだまだ米国のほうがマトモな国だと思います」

水野「あの…今回の資料でですね。事故の5日後にアメリカの原子力規制委員会の委員長は、え…3つの原子炉がメルトダウンすることを予測しているわけですよね」

小出「はい」

水野「ところが日本政府がメルトダウンを認めたのは…皆さん思い出してください。それは、5月のことでした」

小出「そうです」

水野「5月の半ば。つまり、2ヶ月以上たって、やっと、メルトダウンを、認めたんですよ」

小出「はい」

水野「で、結局そのことで、あの…いちはやく遠くに多くの人を逃がすことが、日本政府はできませんでしたよね」

小出「はい」

水野「これはやはり、もしもですよ。アメリカと同じように80キロ県外に出てくださいと、いう判断をもしも事故直後にしていたならば、だいぶ違ってましたですか」

小出「もちろんです。え…飯舘村というところは、原子力発電所から約50キロ、40キロから50キロの圏内にあるのですが」

水野「そうですね」

小出「そこが猛烈な汚染をしてしまっていたのですね」

水野「はい」

小出「ですから、80キロかなたまで逃がしていれば飯舘村の人たちは、被曝をしないで済んだわけですし。え…別のことで言えば、南相馬市という20キロ圏内に含まれる人たちは、避難を白と言われて逃げたのですが。逃げた先が飯舘村だった」

水野「はい」

小出「ですから、逃げなければ被曝をしなくて、むしろ被曝が少なかったのですが」

水野「ええ」

小出「飯舘村に逃げてしまったがために、不要な被曝をしてしまったということもあるわけですし。え…日本政府の判断というか指示の間違いのために、被曝をしてしまった人が沢山出てしまいました」

水野「うーん、無用の被曝をさせられてしまった方が大勢いらっしゃるわけですねえ」

小出「そうです」

水野「近藤サーン」

近藤「これはあれでしょ。やっぱ僕は意図的にね、あの…情報を操作してるとおもいますねえ」

小出「はい」

近藤「ですから。あのー、要するに議事録もないんだと思うんですよ」

小出「(苦笑)そうですね」

水野「日本の場合にはね。アメリカは」

近藤「僕は…」

水野「こんなに詳細にあるんですね。3000ページ」

近藤「なおかつね、あの時、菅さんの動き方見てるとね、ようするに、ほ…要するに官邸のそういう、カメラをつけて、自分がヘリを乗ってどうのこうのしてるのはちゃんと映さして、それを、あの、配りもしてるわけですよ」

小出「はい」

水野「…配ってんですか……?」

近藤「うん。だから自分のそういうものはちゃんと記録してね。」

水野「ふーーん。その余裕は、おありなにゃ」

近藤「うん、なあーんかね。だからもうやっぱり政権そのものがね、自分の保身と一緒に関わってるからこういうけったいなことが起きてるんだと思うんですよね」

小出「はい」

水野「うん…。一体誰の身を守る政府なのかってことですよね」

近藤「うん。うん」

水野「で、もう、当たり前なんですけど、アメリカってちゃんと議事録つくってるんですね。」

小出「(苦笑)」

水野「当たり前ですよね」

小出「当たり前ですね」

水野「録音もちゃんとあって」

小出「はい」

水野「もう一言一句全部残ってるんですね。はい。え…米と日本の違いが非常によくわかるニュースでした。え…小出さんどうもありがとうございました」

近藤「どうもー」

小出「はいありがとうございました」

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」

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