2012年2月23日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

2号機の温度上昇について、圧力容器底の2つの温度計に12度の差があることについて言及しています。

図解 原発のウソ:小出裕章

▼20120223 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

=====(文字おこし、ここから)

千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにお話を伺います。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます」

小出「はい。こんばんは。よろしくお願いします」

千葉「こんばんはよろしくおねがいします。え…今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」

小出「はい」

藤田「藤田です。よろしくおねがいしますー」

小出「はい。藤田さんこんばんは」

藤田「こんばんは」

小出「よろしくおねがいします」

千葉「小出さん今日ですね、まずこの」

小出「はい」

千葉「質問から伺いたいんですが」

小出「はい」

千葉「今、あの、ニュースでも伝えておりましたけれどもんですね。えー、またまた温度計の食い違いが起きたということで、」

小出「はい」

千葉「福島の第一原発の2つの温度計がそれぞれ違う温度を示しております。で、え、原子炉圧力容器の底に3カ所ある温度計のうち故障と判断された温度計の1つが上昇を続けて、49.5度まで上昇したと東京電力は発表しております。で、もう1つの温度計は37.1度だということで。えー、12度ほど差が出てるんですが。え…東京電力は冷却水の注入量を一時、1時間あたり17.6トンまで増やしたあと、9トンに減らしているので、この影響で温度上昇にばらつきが生じたと見ているということなんですが。これは東京電力の見方というところで、いいんでしょうか」

小出「えー、みなさんちょっと想像していただきたいのですが。原子炉圧力容器というものですね。鋼鉄製の圧力釜ですけれども。直径が5メートルから6メートルあって。高さが20メートルほど有ります。」

千葉「はい」

小出「えー、まあいってみればその、新幹線のような車両をですね、縦に立てたという、そんなような大きさ、なんですね」

千葉「はい」

小出「もう少し太いかもしれません。え…それの胴回りのある部分に、まあ温度計が貼りつけてある、わけです。そして、そのー、圧力容器自身の中に水が静かな状態で貯めてあって」

千葉「はい」

小出「え…お風呂のように、まあ、静かな状態ということでは全然ない…」

千葉「はははあ」

小出「のです。えー、もうどんどんどんどん水をじゃーじゃーといれながらですね、え…底に穴があいてしまってるわけで。そこから流れていってる。そしてその、圧力容器の中には溶けた炉心の、ま、ほとんどは私は下に落ちてしまっていると思いますけれども。まだ、残った泥のようなものがグルグルと回ってるというそういう状態なん…です。え、ですから、え…部分的に温度の低いところもできるだろうし、部分的に温度の高いところもできるということは、ごくごくありうることであって。一方が30何度、一方が40何度ということは、わたくしは全く不思議ではないと、思います。」

千葉「うんー……」

小出「ただし、ですけれども、前回がそうであったように、現場の状況がものすごいその、過酷な状況にあって。次々と測定器が故障していくという、そういう状況なのですね、で、前回も温度計の1つが故障しましたし。え…今回のことも私としては、今の情報を聞く限りはまた温度計が故障に向かっていると思います」

千葉「はあー……。あの、やっぱり、い、そっちの方向、で、えー……、の可能性が高いということですか」

小出「え…まあ、あの、東京電力は数日、あの、見るというようにいったそうですけれども。もちろん数日のうちに決着がつくと思います。」

千葉「うむー……。そうするとでももう1個故障するということになってしまったら、あと1個だけということになってしまいますよねえ」

小出「はい。あのもちろんそうですけれども、その下の位置に多分また3個あると思いますし、ま、全くめく…目が見えなくなってしま、目がみえなくなるというかその…測定値が得られなくなる状況ではない、ですけれども。でも次々とやはり測定器自身も…え…故障していくという、そういう厳しい状況だということを皆さんも分かっていただきたいと思います」

千葉「うん…。はい、わかりました」

小出「はい」

千葉「では続いてですね。スタジオには今日もたくさん小出さんへの質問メールが来てますので」

小出「はい」

千葉「順番にお伺いしてまいります」

小出「はい」

千葉「え…まずこちらですね。羽曳野市のラジオネームしんあかうらさん、というかたです。え…現在ほとんどの原発が、休止停止状態ですが。原発は稼動していなければ、安全なんでしょうか。停止状態で地震や想定外の出来事が起こり、配管や隔壁などが破損したらどうなるんでしょうか。単純に止まってたら安全、稼動してるから危険とは思えないので、教えてくださいという質問です」

=====(文字おこし、続く)

続き:停止中の原発の危険性・原子炉の劣化についての解説 小出裕章 2/23(2)

 

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