2012年2月29日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。ゲストの神保英雄氏とともに、東電と政府が発表してきた、不思議な言葉の数々について批判しています。

「熊取」からの提言―怒れる六人の原子力研究者たち


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▼20120229 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

=====(文字おこし、ここから)

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺います。小出さん、こんばんはー」

小出「こんばんは、」

水野「よろしくお願いしますー」

小出「よろしくお願いします」

水野「え…近藤さんもいらっしゃいます。」

小出「はい」

近藤「こんばんはー。よろしくー」

小出「はい。近藤さんこんばんは。」

近藤「どうもー」

水野「小出さんさっき、敦賀市長がカニを公費で細野原発大臣らに送ったって話がありましたけど。」

もんじゅ敦賀市長が「越前ガニ」贈った、議員リスト&弁解コメント

小出「はい」

水野「小出さんもなにかこう、原発関係の方からなにかもらうなんていうことは…小出さんは…ないですか」

小出「(笑)。残念ながら、1度もありません(苦笑)」

水野「1度もないんですか」

小出「はい」

水野「でもあの、あれですね、有名な先生方も、え…研究費という名目でお金がだいぶ出てたりだとか」

近藤「そうそう」

小出「はい」

水野「天下りが、耐えないとか」

小出「はい」

近藤「うーん…」

水野「いろんな、まあ、カニ…。ね。これ、1人1万円あたりですか。まあまあそれは逆に言うと小さい話に見えるのかもしれませんが。高額の裏のことがあるようでございますが」

小出「はい」

水野「え…小出さん、今日はですね」

小出「はい」

水野「小出さんが、東京で色々発信なさる場も、つくっていらっしゃるビデオジャーナリストの神保哲生さんもいらっしゃるので」

食の終焉

メディアの罠―権力に加担する新聞・テレビの深層

小出「はい」

水野「神保さんも加わっていただこうと思います」

小出「はい」

水野「神保さん?」

神保「はい。どうも」

水野「どうぞ小出さん」

小出「はい。どうも神保さん、こんに、こんばんは」

神保「どうもすいません。なんかちょっと変な感じですね」

小出「そうですねえ。はい(笑)」

水野「そうですか」

小出「間が毎日放送。たね蒔きジャーナルが入っていて」

水野「あ、そうか」

小出「いつもは直接神保さんと」

神保「いつもは直接なんで。はい」

小出「(笑)」

水野「なんか…すいません。2人の間を私が割いているような格好で申し訳ございません」

神保「ちょっとそんな感じです(笑)」

水野「(笑)。あのー、今日ね、みなさんで話していただきたいのはですね。この、1年のこの原発報道の中で、東電や政府がいろいろ情報を発信してきました。その時に使われる言葉にこだわってみたいと思うんです。え…例えば『冷温停止状態』っての、まあびっくりした言葉ですよね。冷温停止という専門用語が『状態』をつけたらいけんのかい! っていう」

小出「(苦笑)」

水野「これも小出さんにうかがって初めて」

小出「はい」

水野「その言語のえ…裏にある、真実、が分かったわけですけども。」

神保「うん」

水野「冷温停止なんてありっこないんだと」

小出「はい」

水野「という真実が、あの、ややもするとわからなくさせられる、そんな言葉が色々とあったかと思うんですね」

小出「はい」

水野「え……近藤さんどうですか。そのあたり」

近藤「いやあ、だから語感ですよね」

水野「はあ。語感(笑)」

近藤「語感で、うまくこう、はぐらかすわけですよね。実態をね。」

水野「そうですね」

近藤「いっぱいありますよね」

水野「いっぱいありあすよね」

近藤「うん」

水野「あの、例えば、事故そのものの収束宣言っていうのもありましたよね」

近藤「(笑)。事故そのもの…」

水野「小出さんこれも、事故そのものの収束宣言ってどういう意味と、うつりますか。小出さんから見て」

小出「(苦笑)。私にとってはわけがわからない、ですね」

水野「どこからどこまでが事故そのもので、」

小出「はい」

水野「どっから先が事故そのものじゃないか」

小出「はい」

水野「わからない…」

小出「はい」

水野「ですよねえ」

小出「はい」

水野「神保さん、そのあたり」

神保「はい」

水野「言葉のまやかしっていうものに関してはどう感じてらっしゃいますか」

神保「あのう…1つはだから、まあよく言われる霞が関文学という言葉があるんですけどね」

水野「霞が関文学」

神保「はい。その、官僚の方々が使う言葉というのが、もともと、あのー、まあなんていうのか事実をできるだけ、こう覆い隠すような、言葉遣いっていうのを心得てないとあそこではこう、生き抜いていけないような文化が元々あるんですよね」

水野「はい」

神保「で、面白かったのは、東京電力ってのは本来民間の会社のはずなのに、まあやはり地域独占で非常にお役所に近いまあ経産省からも歩いて1分くらいのところにあるもんですから」

25)

※googleMapより

水野「そんな近い所にあるんですか。場所まで」

神保「はす向かい、はす向かいですね。ほとんどね」

水野「はす向かいにあるんですの」

神保「あるもんですから。ああここでもやはり霞が関文学が使われるんだというふうに、まず最初思いましたね。そういう言葉が出てる時に」

水野「はあー。記者会見も出られたときに、思われましたか」

神保「はい。あの、爆発的事象とかですね(笑)。」

▼枝野官房長官201103121746内閣府+保安院発表

※10分34秒あたり、枝野官房長官(当時)が「爆発的事象」と発言

▼【報道記録】3月12日「爆発的事象」福島第一原発爆発後の報道-爆破弁?

※メディアも「爆発的事象」と連呼。「爆破弁」という言葉も専門家は連呼していた。

▼参考:爆破弁発言の有冨正憲氏、寄付金1485万円を受けた会社に有利な発言【使用済み核燃料などの輸送容器の検査基準】

水野「ああ、あれ、爆発とね、爆発的事象と言われたらね。私なんかね、ぜんぜん違うふうに、思いますよね」

神保「そうなんです。いちいちどんな字を書くんですか、と聞かなきゃいといけないような言葉でみなさんしゃべってましたよね」

水野「そうか。爆発と言わない、爆発的事象。」

神保「はい。多かったですね。そういうものは」

近藤「神保さん、あのう…」

水野「文学やなあー。近藤さん」

近藤「神保さん?」

神保「はい」

近藤「あのう、官僚以上に官僚的かもわからんですよね、東電っていうのは」

神保「そうですねえ。それにプラスしてちょっとその専門家というかですね、その技術的な専門性が加わったのでもっとひねりが入ってる感じはしました」

水野「ひねり入ってますか」

神保「だから冷温停止なんていうのは、本来は、非常に科学的に明確な定義がある言葉じゃないですか。で、あの、そういうのに状態をつけるとかですね。あとよく官僚用語でなんとかの最後に『など』っていうのをつけるっていうのはすごく多いんですね」

水野「なんでなど?」

神保「『など』がつけばあとは何が入ってもいいってのは結構決まりの、決まり文句なんですけれども」

近藤「等。等とかってやつですね」

神保「等、等ですね。はい」

水野「等ってひとこと書いとけば」

神保「何が入ってもいいっていうようなことで、『等』の中に含まれるって言えばなんでもアリっていうのがよくあるんですけど。あのー…、その『状態』をつけることによって、まあ本来は専門的な言葉に、なんかこう、ぜんぜん違う意味をもたせ、なんていうのはちょっとひねりが入ってる感じですね。霞が関文学の中でも。」

水野「ふうーん。小出さーん」

小出「はい」

水野「小出さんも、色々お感じになる言葉、あるとおもうんですけど」

小出「はい」

水野「いかがですか」

小出「『除染』ですね」

水野「除染ですか」

神保「(笑)」

近藤「そうだね。除染ってのはありえないもんねえ」

小出「はい」

近藤「(なにか言おうとする)」

水野「除染の定義って、どっからどこまでをどうすることを除染っていうんですかね」

小出「どう、なんですかねえ。まあ、あの、私たちの管理区域の中にも、」

水野「はい」

小出「除染室というのを必ずつくるということになっていて。え…それはまあ放射性物質を扱って体が良がれたりしたらば、その汚れを落とすという、そういう部屋がある、んです。ただし、落としたところで放射能がなくなるわけではなくて。今度はその放射性の廃液というほうに映るということなんですね」

近藤「移染ですか」

小出「はい。結局だから、移染なん、です」

水野「あ、移すだけなんですね」

小出「そうです」

水野「汚れを移すことでしかないけれども」

小出「そう。そう。はい」

水野「それを除染というふうに省くというふうに、除くと書くとね、本当になんか放射性物質が消えるような気がしますよね」

小出「そうですよね、そういうニュアンスで政府が除染っていう言葉を使って」

水野「ああ…そうか…」

小出「住民たちにあたかもなんか汚れがなくなるよという幻想を与えようとして、いる、のです」

水野「これを移染というふうにもし変えるとするとですね」

小出「はい」

水野「どこに移したんだと」

小出「そうです」

水野「どこいったんだっていうふうに、いつも疑問を呈することができますが」

小出「そうです。」

水野「除染といったがために、安全な、どこも、他にどっか言っちゃったっていう感じはないですよね」

小出「そうですね」

水野「はあー。実際は移染でしかないんですね」

小出「はい。だから移す場所がなければ移すこともできないわけですし。え…大地全部が汚れてるわけですから。基本的にはもう、移動させることも本当はできない、のです。え…その現実…厳しい現実を、みなさんが本当は知らなければいけないのですが。国や、まあ、国が率先して除染をすればなんとかなる、というような、宣伝を今強めてきている、わけです」

水野「私はの、この言葉も最近、どうなのかと思うんです。『中間貯蔵施設』っていいますよね」

小出「はい。はい」

水野「え…放射性物質やら…汚染ガレキやらどうするんだと…」

小出「はい」

水野「どうするんだという時に。中間貯蔵施設いうたら本当になんか5,6年だけちょっと置かしてんかというような、雰囲気がするんですよ」

小出「はい」

水野「…でもそれと、最終処分場とは本当に違うのか。この中間貯蔵施設という言葉も気になるんですが、いかがですか」

小出「え…もともと中間貯蔵施設というのは

水野「ええ」

小出「あったのです。そういう名前の施設が」

水野「はい。もともとは」

小出「はい。それはあの、なにかというと。原子力発電所の使用済燃料を従来は再処理工場にもっていって、え…処理をするという建前だったのですが」

水野「ええ」

小出「再処理工場がいっこうに動かないものですから」

水野「ううーん」

小出「もう仕方が無いから、どこかに中間的においてく場所をつくろうということで、中間貯蔵施設というものが、え…原子力の世界でまずは作られた

水野「はい」

小出「言葉もできた、のです。それは今、例えば東京電力は青森県のむつ市に5000トンの使用済燃料を中間的に貯蔵するという施設を」

水野「中間的に」

小出「はい。作ってきたのですね。」

小出裕章「中間貯蔵施設という呼び名は、大変不適切」9/29

小出「それはあの、最終的には再処理工場に持ってくという建前があったから」

水野「建前ですけど」

小出「はい。そうなったわけですけれども」

水野「はい」

小出「私は、その中間貯蔵施設が最終貯蔵施設になりますよと、言って、え…警告してきたの、です。」

水野「建前が崩れたとしても中間という言葉は残り続けるんですよね」

小出「そうです。はい。…ですから今回の場合もそうですよね。なんかあたかも中間というようなことをいっていますけれども…

水野「ええ」

小出「私は1度やったらば動かないと思います。」

水野「うん…」

神保「実際に最終処分場がない以上は」

水野「神保さん…」

神保「はい。中間が最終なんですよね」

小出「そうです。はい」

水野「実態はね」

神保「ちゃんと最終が決まっていていついつまでに、あの、ここまで置きますっていう日付だの、行き先が決まっていて初めて中間貯蔵施設っていう言葉がまあ、ほん、中身がある言葉になるんで」

水野「ほんとうの意味になるんですが」

神保「ええ。あの、最終がないということは、まあ中間が事実上の最終ということに誰が考えても、子どもでもわかるようなことですよね」

小出「はい」

神保「でも、その言葉をやっぱ弄んでしまうわけですね。中間って言って。」

水野「うん…。ねえ、近藤さんどうです?」

近藤「あのおー、先生」

小出「はい」

近藤「こないだー、のアメリカの原子力規制委員会だったかなあ」

小出「はい」

近藤「あの、(咳)え…発表がいろいろありましたけども。日本の枝野さんが一部損傷というような言い方してたでしょ」

小出「(苦笑)。はい」

近藤「あれ、しかし、あの、正確には規制委員会っていうのはどういう表現になるんですかねえ」

小出「…」

水野「メルトダウンのことですか」

近藤「うん…メルトダウン…」

水野「炉心の一部損傷っていうふうに」

近藤「メルトダウンっていう言い方するんですか」

小出「え……、学問的に言えば、その、状況によって言葉は違うと思います。え…炉心の損傷というですね、」

近藤「はい」

小出「え…、燃料棒の被覆管が破損したとかいうことを、いう、呼ぶ場合も炉心…まあ、呼ぶ場合には炉心損傷というような言葉を使いますし。」

近藤「おぉ…」

小出「中に入っていたペレットが溶けてしまうような時には、え…燃料の溶融という言葉を使いますし。」

水野「はあ…」

近藤「うん…」

小出「それがひどく、燃料全体が溶けてしまうようなときには、炉心溶融という言葉を使いますし。え…それがさらに大きくなって溶け落ちるような事になれば、メルトダウンというような言葉を使う」

近藤「これは先生…だから」

小出「はい」

近藤「あのー、枝野さんの発表はその実態に即して言葉を選ばれてたんですか」

小出「いや、そうではありません」

近藤「そうじゃなかった」

小出「はい。ですから政府の、もそうですし、東京電力もそうですが。

近藤「うん」

小出「事故をなるべくちいちゃく見せたいと、」

近藤「ですね」

小出「いう動機が一番初めからはたらいていて。もう1号機なんていうのは11日のうちにほとんど、溶融して溶け落ちていたわけですけれども。それでも、あの…溶融なんてことはないと、彼らはずうっと言い続けていたわけで。え…一部が損傷したといったわけだし。」

近藤「うん」

小出「原子炉建屋が爆発してしまった時も、先ほど神保さん言ってくださったように、爆発的事象と彼らは言っていた、のですね」

水野「なるほど。」

小出「はい」

水野「言葉1つとってもねえ」

近藤「印象が違うわなあ」

水野「随分と、その、そこに情報操作の意図があったのかないのかってのが検証されるべきだと思いますが」

小出「はい」

水野「え…小出先生どうもありがとうございました」

小出「ありがとうございました」

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました。神保さんにはまた後ほど伺います」

=====(文字おこし、ここまで)

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