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山名元・京大教授はアホだろう。原発事故を「アッパーカット」に例え、ダジャレで原子力を守ろうとしている。「ざまあみやがれい!メールマガジン」vol.131
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僕は人をアホとなじることはあまりしたくないが、今回は仕方がない。

京都大学の教授山名元氏が、ボクシングを例えに使って、これからの原子力について持論をぶっている。
この山名元氏は、新原子力大綱の策定委員で、原子力業界から巨額の寄付を受けている人物だ。

▼原子力業界から計1800万円寄付を受けていた「新原子力大綱」策定委員3人の言い訳が酷すぎる
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65789153.html


巨額の寄付をうけていたことについて山名氏は以下のように述べていた。

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■山名元・京都大学教授

「原子力を前にすすめるための寄付なら受ける。癒着ではない。よい原子力のためには業界との協力は必要だ」

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「よい原子力」というものがあるのだという。

一体何が「よい原子力」で、なにが「悪い原子力」なのか。そして「普通の原子力」とはなにをさすのか。

勝手な価値観で、善悪があるかのようにかたり、言葉をもてあそぶ山名元氏。

このような安易な表現をしてふんぞり返っている人物に、巨額な寄付金を渡し続けるお気楽な原子力業界には、未来はない。

その山名元氏が、先日、産経新聞で、またもや持論を展開していた。そのなかで、また、特殊な才能を発揮している。

▼【正論】震災1年に思う 京都大学原子炉実験所教授・山名元 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120309/dst12030903030001-n1.htm

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■脱原発のボディーブローを防げ

 先日、福島第1原子力発電所を視察する機会を得た。1年前の危機的状況から格段に改善が進み、廃炉への長い道筋に向け修復作業が進み始めていることが見 て取れた。事故で不自由な生活を強いられてきた方々も、多くの困難に立ち向かいながら、生活の立て直しに向けた歩みを加速している。

 ≪電力供給の余力ほとんどなく≫

 このように、現地における修復段階への移行を実感できたのであるが、対照的に、我が国のエネルギー戦略については、混乱から収束への道筋が見えない。福 島県では、「アッパーカット」を食らいながらも立ち上がる底力と復興への意思が伝わってくるのに、国のエネルギー危機については「ボディーブローの影響」 がじわじわ進行しているように見えるのだ。

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産経新聞と山名氏のコラボ作品である。

福島第一原子力発電所の事故を「アッパーカット」を食らったという表現で表したがっている。

それもどうかと思うが、そのレトリックに乗っかって表現するならば、福島原発はディフェンスが甘かったということになる。

レトリックが甘い。

このような容易なレトリック、しかも稚拙で、拙いレトリックを用いて、必死に原子力をかばおうとしているのだ。

山名元氏は、作家ではない。原子力の専門家だ。原子力の専門家ならば、科学的に論理的に原子力事故を振り返って、今後の原子力について述べるに留めるべきだろう。

言葉も、正確で科学的な言葉を用いれば良いのだ。

なまじ、うまいことを言おうとするから、こんな稚拙な展開の文章になってしまうのだ。

おそらく、取り巻きは、「アッパーカット」の表現をする山名元氏に「うまいっすね!」「さすがっすね!」とかもちあげているのだろう。そういう土壌がなければ、このような恥ずかしいレトリックを新聞紙面で発表できるとは思えない。

つまらない芸人たちの取り巻きを眺めるときに感じる虚しさと売りふたつだ。

大橋弘忠氏もそうだ。

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▼「プルトニウム飲める」発言の大橋弘忠が、今度はなんと「やらせ議論」をすすめる暴言をしていた!
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65770450.html


プロレスのように、ガチンコではなく協力して議論を進めるべき、と「やらせ」を推進する発言が見られる。

▼「プルトニウム飲める」の大橋弘忠氏のおバカ暴言が止まらない! 役人が悪いイメージは『水戸黄門の影響だと思う』
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65770788.html


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大橋氏に関しては、新原子力大綱の策定会議の直前に見た「水戸黄門」からヒントを得て、会議で発言している。

いいのかこれで? 本当にこんなことで、国策を推進して、国の未来を真剣に考えられるのか?

彼らはなぜか、安直な比喩を用いて、原子力を推し進めようとするのだ。つまり、科学ではなく、「文章」で、原発を推進しようとする。科学者なのにだ。

だが実際の原発は、異様に巨大なテクノロジーの塊だ。その事故を「ボクシングのアッパーカット」を受けているということだけで説明できたと思っているのが、京都大学原子炉実験所助教であり、新原子力大綱の委員なのだ。

国策を推し進めようとする人物が、このようでは、原子力の推進すらがままならないのではないか。原子力推進側にたって考えると、そういう不安が生まれるのではないか。

ちょくちょくそういう言葉遊びをしてごまかそうとする。

脱原発側・反原発側にしろ原発推進側にしろ、国民が求めているのは、できるだけ客観的で科学的な説明であり、加えて、原発の危険性(裏をかえせば安全性だが)を今新たに見直した上での分析なのではないか。

深みのある、専門的な分析を僕らは専門家に期待しているのだ。だが専門家はそのニーズに応えていない。

この記事の締めも、なかなかに酷い。

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 米国では原発2基の新規建設許可が出され、英国や新興諸国でも原子力利用拡大の決定がなされている。海外の動きを参考としながら、政府の強いリーダーシップによって、消極的「減原子力」ではなく、戦略的「賢原子力」の路線が提示されることを期待する。(やまな はじむ)

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いかがだろうか。

「減原子力」ではなく「賢原子力」…………。

ダジャレである。

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