2012年4月5日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。ストロンチウム汚染水が12トン海に漏れたことについて言及しています。

▼20120405 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

=====(文字おこし、続き)

※「藤村官房長官「地元の同意は前提条件にならない」ーー「事故が身を以って教えてくれている。それを学べない政治家たちだとすれば落選させるしかない」小出裕章 4/5(1)」からの続きです。

千葉「はい。…では次の質問、まいります。えーと次はですね。福島第一原発4号機の近くにあるパイプが外れて、高い濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水が漏れて、ほとんどが海に流れ出たと見られる、というニュースが入ってきました」

汚染水漏れで東電を厳重注意 NHKニュース

『東京電力福島第一原子力発電所で、5日朝、配管の接合部分が外れて高い濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水が漏れ出て、一部が海に流出したことを受けて、国の原子力安全・保安院は東京電力を厳重注意するとともに、配管の接合部分を総点検し再発防止策をとるよう指示しました。 ...』

小出「はい」

千葉「漏れた量は12トンということなんですが。ここちょっと、改めてお伺いしますが、このストロンチウムとはどんな物質、なんでしょうか」

小出「え…ウランが核分裂してできる時…の、代表的な核分裂生成物というのがいくつかありまして。」

千葉「はい」

小出「え…1つは、今わたしも含めて1番気にしているセシウム137という放射性物質なのですが。それとほとんど、等しい量ができる、というのが、ストロンチウム90という放射性物質でして」

千葉「はい」

小出「人体に対する危険度で言えば、セシウムの何倍かは高いと考えられている猛毒の放射性物質、です」

千葉「はい」

小出「ただし、揮発性が余り無い、ために、福島第一原子力発電所の事故でも、セシウムは大量に大気中に出てきたのですが、ストロンチウムは大気中には出てこなかった…のです。多分まあ割合で言えば1000分の1ぐらいしか大気中には出てこなかったと、思います。で、ただ、逆に、水には溶けやすい、し、え、なかなか水から捕捉しにくいという性質を持っていますので。え…水、をまあ今、浄化系というのを通して、セシウムを捕まえてはいるのですけれども。ストロンチウムはほとんど浄化もできないまま汚染水の中に、もど、残り続けてきてしまっているのです。え、それがまあ漏れてしまったと、いうことで。これからどんどん深刻な問題になると思います」

千葉「え…あの、今回、その、大部分が海へ流れ出したということなんですけれども」

小出「はい」

千葉「量も12トンということで、まあ、どんな影響が考えられますか」

小出「ええっと。実はこの、今、マスコミというかですね、今日の報道ではその12トンが漏れたから大変だということになってるわけですねえ」

千葉「ええ」

小出「もちろん私はそれは大変だと思いますし、え…循環冷却ということ、をやることの困難さを今、それ、今回のことが示したとも思うのですけれども。」

千葉「はい」

小出「実はもう、毎日、漏れているのです。」

千葉「う…」

小出「はい。福島第一原子力発電所の敷地の中には、かつて12万トンを超える汚染水が存在していると、言われていました」

千葉「ええ」

小出「それは原子炉建屋の地下であるとか、タービン建屋の地下であるとか、トレンチピット、立坑というところに溜まっているのですね」

千葉「はい」

小出「今現在もそうです。」

千葉「はい」
小出「で、ただし、そういう構造物というのは、コンクリートで出来ている、のです。」

千葉「ええ」

小出「え…コンクリートというのは、必ずひび割れています。」

千葉「はい」

小出「漏れが無いコンクリートの構造物ってのはないわけで。もう、毎日毎日漏れている、のです。ですから私は去年の3月、事故が起きた直後から、コンクリートの構造物の中に溜まっている汚染水は、漏れのない安全な場所に移さなければいけないと、発言を続けてきました。」

千葉「はい。おっしゃってましたねえ」

小出「はい。で、それは、私のまあ頭に描いたのは、巨大タンカーを連れてきて、それにとにかく移す、というのがいいということで、発言をして。たね蒔きジャーナルの番組の中でも、何人かの政治家の人たちと話をさせていただきました」

千葉「ええ、ええ」

小出「そしてその政治家の方々は、皆さん、そうだ、って認めてくださって。え…それは政治の力でやる、とおっしゃってくださったのですけども。結局何も出来ないまま、汚染水がコンクリート構造物の中に放置され続けてきて、います。」

千葉「はい」

小出「もちろん、もう、毎日毎日漏れているということなの、です」

千葉「じゃあ、もうやっぱり根本的に、その、漏れないところに水を移さない限り、」

小出「はい」

千葉「ずうーっと水は漏れ続けるということな、わけですねえ」

小出「そうです。そうです。管理ができない状態で、漏れてきたし、これからも、漏れてしまうということです」

千葉「ふーん。じゃあ、こういう所で改めて12トン漏れたからって驚いている場合ではないわけですね」

小出「はい。そういうことです」

千葉「ふあー。わかりました。えー…今日もスタジオにですね、実は、たくさん質問メールも届いてますので、これを順番にお聞きしていきたいと思います。まずですね、大阪府にお住まいのラジオネームオルソンさんという方からのメールの質問です。この、汚染水漏れの問題なんですけども、入れ続けている冷却水に入浴剤のような色をつける染色剤を入れてみたら、漏れている場所がハッキリわかると思うんですが。そんなことをするととてつもなく危険な反応、例えば爆発したり、パイプが詰まったりとかする可能性が、あるのでしょうか、という質問なんですが」

小出「え…爆発はしたりすることはないと思いますけれども」

千葉「はい」

小出「多分漏れというのはそこらじゅうで漏れてますので」

千葉「ええ」

小出「染色したところで、んー、どこまで有効な手立てになるのかなと思いますし。え…まあ、東京電力の方では漏れというのをむしろ見つけたくないと思ってる、わけですね」

千葉「なるほど、はい」

小出「漏れてるなんてことは、ないと、むしろ彼らは言いたいわけですから。彼らとしては、そういう手段は嫌がるだろうと思います」

千葉「あーー…それでまあ、あの、危険というところはあんまり考えられないんだけど。」

小出「はい」

千葉「それが実現する可能性としては結構低そうな感じですね」

小出「でも、良い提案だと思いますので、東京電力にやらせたらいいと思います」

千葉「はい。続いてじゃあ、こちらの質問参ります。こちらは、ラジオネームぽんちさんという方ですね。神奈川県にお住まいの方です。え…食品の放射性物質の検査ですが。セシウムばかりの話が多いんですが。プルトニウム、ウラン、ストロンチウムなどの、その他の検査はなぜ話に持ち上がらないんでしょうか。という質問です」

小出「え…本当はやらなければいけない、のです。え…ただし、ストロンチウム、あるいはプルトニウムというものの分析というのは、セシウムの分析に比べて、はるかに手間がかかります」

千葉「はい」

小出「え…100倍、1000倍というぐらいに、手間暇がかかるという、そういう測定法ですので。え…今やってるセシウムと同じぐらいの、う……ん……厳密さというか」

千葉「はい」

小出「まあ、今でも厳密だと私は思いませんけれども。セシウムに匹敵するような測定をするということはなかなか難しいだろうと、思います。で、その上で、今も少し聞いていただきましたが、ストロンチウムという放射性物質は、セシウムよりも本来は危険ですけれども」

千葉「はい」

小出「でも、放出されてきた量が、圧倒的に少ないですので。私たち、の、被曝という意味で言えば、何よりもやはりセシウムに注意をしておかなければいけないと、私も思い、ます。え…プルトニウムもそうです。え…猛毒な放射性物質ですけれども。放出された量が、セシウムよりもはるかに少ないので。今は、とにかくセシウムに気をつけなければいけないと、いうことだと私は思います。え…でももちろん、測定はやったほうがいい、し、これから海洋が、海が汚れてきますので、その時にはストロンチウムが、むしろセシウムより問題になる可能性があると思います。え…しっかりと分析体制を作るべきだ、と思います」

千葉「うん…本来はもう測ったほうがいいもの」

小出「はい」

千葉「なんだけれども、そこまで手が回ってないってのが」

小出「そうです。はい」

千葉「現状だということですね」

小出「はい。おっしゃるとおりです」

千葉「はい。わかりました。」

小出「はい」

千葉「小出さんどうもありがとうございました」

近藤「ありがとうございました」

小出「ありがとうございました」

=====(文字おこし、ここまで)