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東電の社長人事が発表され、一橋大学出身で営業畑が長かった廣瀬直己氏が就任することになりそうです。

廣瀬氏のプロフィールをまとめ、記事の差異を読んでいきます。

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■廣瀬直己のプロフィール

  • 一橋大学入学
  • 1975年東電入社
  • 最初は経営中枢の企画部
  • 営業を長く。営業部長や神奈川支店長
  • 原発事故後2011年6月に常務に
  • 被害賠償担当の担当役員

※以下の報道からまとめ

東電次期社長、広瀬氏昇格で最終調整  :日本経済新聞

『東京電力と政府の原子力損害賠償支援機構は7日、東電の西沢俊夫社長(61)の後任に広瀬直己常務(59)を昇格させる方向で最終調整に入った。政府は勝俣恒久会長(72)の後任に機構の下河辺和彦運営委員長(64)の就任をすでに内定/実質国有化後の東電改革の要となる会長と社長の布陣が固まり、 政府主導の経営再建が動き出す。』

なんか勇ましくすごいことを言ってそうで、なんにも言ってない報道です。

『下河辺氏の会長就任と広瀬氏の社長昇格を株主総会後の取締役会で正式に決める。広瀬氏は東電の中枢である企画部門のほか、営業部門などを経験。現在は原発事故の賠償や広報を担当している。幅広い業務知識を持つことなどが評価されたとみられる。」

これも。

東電新社長 廣瀬直己常務が昇格へ NHKニュース

『昭和51年に東京電力に入社し、企画部門や営業を担当したあと、おととし6月に常務に昇進し、去年3月からは「福島原子力被災者支援対策本部」の本部長として、原発事故の被害者対策を担当』

「副」本部長なのですね。ちなみに本部長は、最初清水社長が就任し、その後副社長の皷紀男氏に変更。で、賠償費用を支援してもらいながら賠償は遅々として進まなかった、というわけです。

『常務の廣瀬氏の起用が固まった背景には、経営陣の若返りとともに、東京電力が原発事故の賠償を最優先に進めるという姿勢をアピールするねらいがあるものとみられます。』

え? 経営陣の若返り?

  • 東電の西沢俊夫社長(61)
  • 廣瀬直己常務(59)

2歳しか違わないのに馬鹿いってんじゃないよ、もう。まあ若返ればいいってものでもないし。「経営陣の若返り」と報じられるとなんかイイコトやったように思うんだけど、若返ってないし、そもそも若返りが良いかどうかも、曖昧なわけで。

『東京電力内部では、西澤社長の続投を求める意見もありましたが、原発事故の賠償に加え、電力事業にも詳しい廣瀬氏の昇格には、大きな異論は出ない見込み』

では資材部出身の元社長清水正孝氏って一体何だったんでしょうね。

『この人事は、東京電力が8日、臨時の取締役会を開いて決定し、ことし6月に予定されている株主総会を経て、正式に決まる見通し』

5月8日決定するのか。1日前の報道だったのですね。

朝日新聞デジタル:東電新社長に広瀬常務昇格へ - 経済

『東電社長は経営方針をつくる企画部門の出身が多かったが、広瀬氏は営業部門が長く、福島第一原発事故後は被災者への賠償を担当」 

「賠償を担当」ではなく「賠償遅延を担当」が適切な言葉だと思う。

『異例のトップ人事』

何が異例なのかが報道では示されていません。ただ「異例」だと。どっちかというと異例じゃないのですよね。東電の外から社長を呼ぶという案もあったわけですが、東電が抵抗していたという報道もあったわけで。

『会社の代表権は社長の広瀬氏が持ち、会長の下河辺氏は経営の監督・監視役に徹する。』

とにかく、会社の代表権を生え抜きの社長に持たせることが、東電の生命線だったわけです。

「火力発電の燃料費がかさんでいるため、企業向け電気料金は4月以降に平均17%値上げし、家庭向けは7月から平均10%値上げする計画で、利用者に納得してもらわなければならない。』

そして、来年の2013年には柏崎刈羽原発を再稼働させようとしているわけで。これを書かないのは何らかの意図があるのではないかと勘ぐる。

納得? 「我慢」の間違いでしょう。報道記事って、書いてる記者は病んでると思う。

東京電力:社長に広瀬常務 昇格へ最終調整- 毎日jp(毎日新聞)

『1兆円の公的資本を注入して実質国有化する新生東電改革の司令塔となる首脳の顔ぶれが固まった。

司令塔……。

『広瀬氏は一橋大卒業後、76年に東電に入社。中枢の企画部門のほか営業部門などを経験』

一橋大学っていうのはちょっと異例なのですよね。東京大学の出身者が続いて、そして慶應の清水正孝がきて、そして事故が起きて、京都大学の西沢がきて、一橋の廣瀬氏です。

東京電力(歴代社長) - Wikipedia

現在、12代目です。3代目11代目12代目が東京大学以外の社長です。

『社内では勝俣恒久会長(72)らが西沢社長の続投を模索する動きもあったが、結果的に政府が封じた形』

結果的にという表現のゆるさ。つまりは報道側も、社長指名にまつわる政府の動きを正確に把握していないのではないか。

『下河辺氏も電力会社の経営経験はないことから、実務を指揮できる広瀬氏に落ち着いた。』

下河辺氏は会長として心もとないなあと。

東電次期社長に広瀬常務 8日に臨時取締役会 - SankeiBiz(サンケイビズ)

『支援機構は執行役員クラスからの抜擢(ばってき)を模索したが、福島第1原子力発電所事故の賠償を担当し、電気事業にも精通した広瀬氏を即戦力として起用』

国民からみれば廣瀬氏について殆ど知らないわけで。そういう意味でも廣瀬氏は国にとっても東電にとっても都合がよいのではないか。

時事ドットコム:東電社長に広瀬氏=政府、9日にも総合計画認定

『経営トップが固まったことで、枝野幸男経済産業相は9日にも、1兆円の公的資本注入や家庭向け電気料金の10%値上げなどを柱とする東電の「総合特別事業計画」を認定。社長人事も同時に発表する見通し。認定を受け、東電は政府に値上げを申請。14日にも2012年3月期決算を発表』

ゴールデンウィーク明けに、「総合特別医業計画」策定です。そして今後10年のスパンでの東電の未来が決まるわけです。

『社長人事をめぐっては、昨年3月の東電福島第1原発事故後に就任し、事故収束に注力した西沢社長の続投を求める声も勝俣会長を中心に強かった。しかし、下河辺氏は続投を否定。大型連休中も常務や執行役員らと面談し、人選を進めていた。』

いやいや、西沢氏は、「事故収束に注力」よりも「電気料金値上げに注力」していたと書いたほうが適切ではないか。

▼東電新社長、広瀬常務昇格で調整 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

『福島第一原子力発電所事故で引責辞任する勝俣恒久会長(72)』

引責辞任をするならば2011年の早いうちに辞任するべきだったのではないか。後任人事をみると「引責辞任」というものが名ばかりなのではないかと感じます。

『政府や下河辺氏は実質国有化後の新東電トップとして、最大の課題である賠償の担当者である広瀬氏が適任だと判断したとみられる。』

一番頭のNHKの見解とは違いますね。

東電次期社長に広瀬常務/ジャンル別ニュース一覧 :佐賀新聞の情報サイト ひびの

『広瀬氏は省庁との折衝を担当する経営中枢の企画部に在籍。その後は営業現場が長く、営業部長や神奈川支店長を務めた。原発事故後は被害者賠償の担当役員として、住民や市町村と協議、賠償基準づくりを進めてきた。』

これまで廣瀬氏は、被害者との間にどれだけ信頼を築いてこれたのでしょうか。

取り急ぎ以上です。

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