2012年5月24日(木)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。原子力委員会の核燃料サイクル検討委員会が勉強会を開いて推進側だけに原案を示していたこと、もんじゅ廃炉の4つの選択肢、汚染水処理ゴミ、WHOの内部外部被曝推計について言及しています。

日本のエネルギー、これからどうすればいいの? (中学生の質問箱)


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▼20120524 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんです。小出さん、きょうもどうぞよろしくお願い申し上げます」

小出「よろしくお願いします」

千葉「え…きょうは毎日新聞論説委員の池田昭さんと一緒にお話を伺いします」

池田「小出さん、こんばんは」

小出「はい」

池田「よろしくお願いします」

小出「こんばんは、よろしくお願いします」

千葉「え…まず最初の質問なんですけれども。さっきニュースでお伝えしましたが。核燃料サイクル政策の今後のあり方を検討している、内閣府の原子力委員会の小委員会というところが、使用済み核燃料の処理方法を議論する中で、全量再処理など3つの選択肢を作ったんですけれども。それが電力会社など核燃料サイクルの推進側に有利になるように選択肢の案の総合評価を書き換えていた事がわかったということなんですね。小委員会に提出する前に実は核燃料サイクルの推進側だけで、事前に非公開で集まって勉強会と称して資料を検討していたらしいんですけれども。」

東京新聞:核燃サイクル 推進側だけに原案示す 原子力委が事前勉強会:社会(TOKYO Web)

千葉「小出さん、政府の会議というものはこういうもんなんですかねえ」

小出「まあ昔からそういうものでした…し、まあ、未だにやってるんだなあというのが私の正直な感想です。」

千葉「ああ…」

池田「まさに原子力村の談合(苦笑)…ですよね、これ」

小出「そうですね」

池田「ああ」

小出「まったく変わっていないのですね」

池田「変わってないですね」

小出「はい」

池田「ほんとにね、結論ありきと思われても仕方ないなあという感じ…がするんですけれども」

小出「はい」

千葉「そんな中ですね。高速増殖炉原型炉「もんじゅ」について、文部科学省が廃炉を含めた、4つの選択肢を示したというニュースも入っております。」

東京新聞:もんじゅ廃炉 選択肢 文科省4案 初の提示:社会(TOKYO Web)

千葉「で、その中の1つにですね、実用化を断念し、国際的な増殖炉研究施設として活用、という選択肢があるんですけれども。これよく読んでみると実用化できない高速増殖炉をこれから研究する意義っていうのはあるんでしょうか。」

小出「不思議ですね(苦笑)。はい。どういう日本語なのか私には理解できませんでした。」

千葉「ははい(苦笑)ね。で、あのもう1つの選択肢としましてですね、廃炉にして基礎研究のみ継続というものもあるんですけども、ま、研究し続ける限りは施設はあり続けるということかなあと思うんですが」

小出「しかし廃炉にしたらばもう動かないじゃないですか(苦笑)。それもどうするんですかね(苦笑)」

千葉「ですよね!」

小出「はい(苦笑)。」

千葉「ね、だからこの選択肢としての日本語自体が…」

小出「はい」

千葉「なんかよくわからないというか適切でないという感じですよねえ」

小出「はい」

池田「なんかあの、さっきのあの核燃料サイクルの? 推進の話、勉強会と同じようになんかこうそういう推進派の当事者が、自分たちの利害のために残してる文言としか思えないですよね、これ」

小出「(苦笑)、はいまあ池田さんが、読み取られたとおりに私も思いますし。本当にあの困った人達だし、全然変わらないんですね、彼らは」

池田「そうですねえ」

小出「はい」

千葉「はあい。え、そんなようなニュースが入っておりまして。え…ここでですね、リスナーの方から小出さんに沢山質問が来てますので、」

小出「はい」

千葉「こちらの方をお聞きしていきたいと思うんですけれども」

小出「はい」

千葉「え…まず最初は東京都のラジオネーム竜巻も心配な原発さんという方からですね。え…福島第一原発では汚染された冷却水の処理をながーいパイプを張り巡らせて行なっているんですが。処理された放射性物質を入れた塔がすでに無数に置かれていました。」

池田「ふうむ」

千葉「この塔が壊れたら致死量が漏れますよねということなんですが。あの、こちらが調べたところ鉄とコンクリートでできている塔のようなものが沢山あるようなんですが。これ、雨ざらしでは鉄とコンクリートでできてるといっても長持ちするもんではないですよねえ。」

小出「長くは持ちません。え…その中には、え…汚染した水…の中に含まれているセシウムという、放射性物質を」

千葉「はい」

小出「え…吸着させたゼオライトであるとか、」

千葉「ええ」

小出「あるいはまあ水処理してできた沈殿であるとかいうものが詰めてあるのだと私は思い、ます」

千葉「はい」

小出「んで、猛烈なその放射能濃度になっているはずですので。」

千葉「ええ」

小出「むき出しにはおいておけない。ですからコンクリートや、まあ鉄の容器のようなものに入れて、遮蔽をしながらとにかく置いてあるということだと思いますが。」

千葉「ええ」

小出「いずれにしても長くは持ちません。これからそれをどうするか、地面に埋めるのか、あるいは…もうどうするのかなあ、ほんとに私もどうしていいのかよくわかりませんが。もっと別の専用の置き場をですね、新たにしっかりしたものを作ってそこに移すとか。何がしかのことを近い将来のうちにやらなければいけなくなります。」

千葉「近い将来ってのはやっぱここをそれこそ、何年かのうちには」

小出「はい、多分」

千葉「やっておかなきゃいけないですねえ」

小出「数年のうちにはやらなければいけません」

千葉「ですよねえ」

小出「はい」

千葉「でもあの使用済み核燃料ですら、捨てる場所ってのがないのに」

小出「そうです」

千葉「こんなゴミどこに置いといたら、ということですよねえ」

小出「まあもとから、原子力発電所の出てくるゴミはどうしたらいいかわからないままここまで来ているわけですから」

千葉「はあい」

小出「その、その一部がまあにわかに、え……問題になって私の前に立ち現れてきたということですね」

千葉「ええ。これまた同じようにこの冷却水の処理をなが~いパイプを張り巡らせて、」

小出「はい」

千葉「え…し続ける限りこのゴミは増え続けるということですもんねえ」

小出「どんどん増えてきます。」

千葉「はあ……。まあどうなっていくのかと、どういう感じですけれども」

小出「はい」

千葉「もう1つですね」

小出「はい」

千葉「ゴミに関する質問が来てまして。ラジオネームなみさんという方からなんですけれども。核廃棄物の処理についての質問ですが。私が学生の頃、30年前の原子力討論会では、そんなものロケットに大量に積んで遠くに捨てればいいさで意見が一致していました。という話なんですが(苦笑)。え…コスト的な問題、技術的な問題はあると思いますが。基本的に宇宙に捨てるという考え方は批判されるものでしょうか、という質問で。」

小出「ええその、なみさんという方がおっしゃったとおり、宇宙に捨てるという方策は、考えられたことがあります。」

千葉「え、ほんとに、ほんとに、それが論議されたことがあるんですか」

小出「はい。あります。宇宙処分という名前で私達はそれを呼んでいましたが。」

千葉「はい」

小出「え…議論されて、されたことがありました。」

千葉「ええ!」

小出「しかし、ですがみなさん、お分かりいただけると思いますが。ロケットというものは、時々失敗して落ちてくる」

千葉「そうですよねえ」

小出「のです。はい。スペースシャトルだって打ち上げた途端に、みんなが見ている眼の前でバラバラになって落ちてきたりした」

千葉「ええ」

小出「わけですから。もし、失敗したら取り返しがつかない。ということで、これはもう技術的にやはりできないということになって。え…選択肢からもうすでに外れてしまっています。」

千葉「ああ、いや、でも私達が普通に考えても、それはまあ無理じゃないかなあと思うような話なんですけれども」

小出「はい」

千葉「それが専門家の間で、きちんと論議されたことがあったということなんですね」

小出「はい。ようするにあの、放射性物質を消す力を持っていませんので。私達のいる世界からどこか別の世界に持っていくか、あるいはどこかに隔離するか。もうそれしか選択肢がない、のです。まあですから苦し紛れに、あれこれと考えては来たのですけれども。どれも現実的な選択肢になりえないで、今は地面にとにかく埋めようというのが、唯一残ってる選択肢になってしまっています。」

千葉「はあーーー……。そんな中、放射性廃棄物は増え続けている状況が続いているということですね」

小出「そうです。これからもし再稼動というようなことになれば、またそれを、どんどん作ってしまうという、その選択をするということなのです」

千葉「はあ……。」

池田「もうあの、私たちのその、生き方の問題ですよね」

小出「そう」

池田「こうなってくるとね」

小出「そうですよね。自分…自分で始末のできないようなゴミを作るかという、そういうことだと思います。」

千葉「はい。え…続いてはですね、また、ニュースに関する質問なんですけれども。お、福島原発事故による外部・内部被曝の推計値というのをですね、WHO世界保健機関がまとめました。」

世界原子力ムラIAEAと協定結ぶWHOが外部・内部被曝の推計を発表 :ざまあみやがれい!

千葉「え…それによりますと全身の被ばく線量は原発周辺の浪江町などの住民の全身被曝が10ミリシーベルトから50ミリシーベルト。千葉県や茨城県などは0.1ミリシーベルトから10ミリシーベルト。そして大阪府などは0.1ミリシーベルトから1ミリシーベルトとなっていまして。日本政府はこの数字は現実より明らかに高いというふうに言ってるんですけれども。小出さんは、高いと思いますか」

小出「高いかどうかは私にはわかりません。え…大阪等、などはですね、1ミリシーベルトにならないというのは多分そうだと思いますけれども。え…事故直後の政府の対応が大変混乱したがために、え、放射能の雲に巻き込まれてしまった人たちが、いたりしたわけで。そういう人達の被曝量というものを、どうやったら正確に評価できるのかと、いうことが未だによくわからないという状態、になっているのです。え…考えていただければこれもいいと思うのですが。本来、ちゃんとしたデータが有るのであれば、日本政府がやればいいのです。」

千葉「そうですよね」

小出「はい。やって、こうだったと言って報告すればいいのですが。日本の国内でそれをやることが出来なかったがために、WHOに、やってもらったというような、まあそういう言ってみれば恥ずかしい形になっている、のです。」

千葉「そうですねえ。あの、WHOはですね、食品による内部被曝量の推計では、全食品が検査されてるわけではなくて、規制値を超えた食品が、流通した可能性は否定出来ないというスタンスで、規制値超えの食品も少量食べたという前提で推計をしてるんですけれども。この計算方法についてはどう思われます?」

小出「当然そうだろうと思いますし。現地の人達はむしろ、そんな測定もしないまま自分で作ってるものを食べてる方々もやはりいらっしゃるだろうと思うし。

え……単純に計算ができるような、ことではないと私は思います。」

千葉「はい。わかりました。あ、先程私あの、福島県の浪江町のことをなみえちょうとすいません読みあげてしまいました。失礼しました」

小出「いいえ」

千葉「え…小出さんどうもありがとうございました」

小出「はい。ありがとうございました」

池田「ありがとうございました。

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