福島第一原発事故発生時の社長、清水正孝氏がアラビア石油(AOC)に天下りすると報じられている。報酬は月20万円。カネをもらいながら反省できるという人生は多くの人が違和感を持つことだろう。
ちなみに3.11直後に入院した時、自らの指でパソコンのキーボードを叩きマンションのローンを繰り上げ一括返済しているとのことだ。参考:大鹿靖明「メルトダウン」)
その後は無報酬で働き続けることになったことを思えば、懐具合に関しては先見の明はあるわけだ。
そして今回の天下りだ。
▼時事ドットコム:前東電社長を社外取締役に=副社長らも受け入れ-AOCHD
『アラビア石油と富士石油の持ち株会社、AOCホールディングス(AOCHD)は31日、東京電力の清水正孝前社長を6月25日付で富士石油の社外取締役に迎え入れると発表した。東電はAOCHDの株8.7%を保有する筆頭株主。清水氏は福島第1原発事故発生時の東電社長で、昨年6月に退任後、今年3月末まで東電の顧問を無給で務めていた。責任を取って退いたトップを招くことに批判も高まりそうだ。』
社外取締役ということです。常駐はせず顔だけ貸すということでしょうか。
▷▷▷(脱線)
AOCホールディングスとはなんぞやということでざっくり理解してみる。
『AOCホールディングス株式会社(エーオーシーホールディングス、AOC Holdings, Inc.)は、アラビア石油と富士石油によって2003年(平成15年)1月31日に設立された持株会社である。』
なるほど。
『社名のAOCはARABIAN OIL COMPANY(アラビア石油)の略。連結子会社9社及び持分法適用会社3社で構成され、カブジ関連事業、石油・ガス開発/生産事業、石油精製/販売事業、石油技術サービスなどを主な事業内容としている。』
アラビア石油が母体となって、ホールディングスを形成しているのか。
▼報道:東電の清水前社長、富士石油の社外取締役に : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
『石油開発・元売り大手のAOCホールディングス』
最近株価が下がって話題になっていましたねえ。エネルギー利権って、裏では一体になってるということなのですね。
ちなみに、AOCホールディングスの株主はというと。
■2008年
まずはウィキペディアで見っけたので2008年を乗っけておきます。
『主要株主 東京電力(株) 8.74%
クウェイト石油公社 7.43%
サウジアラビア王国政府 7.43%
(2008年3月31日現在)』
東電以外の主要株主はアラブ諸国ですね。
で、今の主要株主を調べてみると……。
■2012年6月1日現在
昭和シェル石油、住友化学、日本郵船、関西電力、という名前がありますね。
2008年の順位と大きく違うのは、2位に「ビービーエイチフォー フィデリティー ロープライス ストック ファンド」というのが入ってきていることですが。検索するといろんなところの大株主として名前が上がっています。なんだこれ…と一応調べる。
『「ビービーエイチ・フォー・フィデリティー・ロー・プライス・ストック・ファンド」となっていますが、これは、世界最大の投信会社であるFidelity Investments が運用する「Fidelity Low-Priced Stock Fund」の事です。
BBHというカストディアン(信託銀行のようなもの)に資産の管理を委託しているので、大株主名簿には、上記のような名前で掲載されるのです。』
世界最大の投信会社か。で投信会社をざっくり理解しておく。
『証券会社などが投資家から集めた資金の、実質的な運用方法を決めて指示を出す会社。アナリストが経済・証券市場などに関する調査を行い、その調査に基づいてファンドマネージャーが運用方針・投資対象を決定して、信託銀行に実際の運用を依頼する。』
難しい言葉が並んでいますが、大きなお金の運用をする会社ということか(このへんは僕は弱いですね。週に1回食事をおごりますから誰か先生になって僕を育ててください)。
▷▷▷(脱線ここまで)
話を報道に戻して。
『 清水氏は福島第一原子力発電所事故当時の東電の社長で、昨年6月に引責辞任した。東電はAOCに8・7%を出資する筆頭株主だが、いったん引責した清水氏を起用する人事に批判が出る可能性もある。』
今も2008年と同じ8.7%です。
ここからわかるのは、東電は少なくともAOCホールディングスの株を売却して賠償にあててはいないということ。東電はどの程度株券の形で財産を保有しているんだろうか。その中には売却して賠償に当ててよい物もあるのではないか。
『 東電によると、就任はAOCの要請によるもので、清水氏は月20万円の報酬を受け取る。AOCは「清水氏のエネルギー業界への知見を経営に生かすため」と説明している。清水氏は昨年6月から今年3月まで、無給で東電の顧問を務めていた。』
- 清水正孝氏の報酬は20万円
ですね。
『 富士石油は同時に、東電の荒井隆男常務を常勤監査役に迎える。AOC傘下のアラビア石油も、6月26日付で東電の武井優副社長を社外監査役に起用する。(2012年5月31日19時09分 読売新聞)』
おっと、東電の幹部が同時にこぞってAOCホールディングス傘下に天下りですね。
- 清水正孝 AOC傘下 富士石油外部取締役
- 荒井隆男 AOC傘下 富士石油常勤監査役
- 武井優 AOC傘下 アラビア石油 社外監査役
東電の幹部は6月で退職金を辞退してやめると報じられています。まあ人生設計がくるうわけで。そういう彼らを天下りという形で救済しようというのか。それともそもそも恒例の行事なのか。
『来月25日付けで「富士石油」の社外取締役に起用』
2012年6月25日ということですね。事故から丸1年たち、
『清水前社長の起用について、「長く電力事業に携わり、エネルギー産業に造詣の深い清水氏の経験を経営に生かすためだ」と説明』
で、外部の取締役として月20万の報酬か。東電撤退に関して閣僚との電話のやり取りで口ごもる程度の人材が果たして、経営に生きるんでしょうかねえ。
『一方、来月の株主総会で退任が決まっている東京電力の勝俣恒久会長は、電力各社などが出資している「日本原子力発電」の社外取締役に再任されることが内定しています。』
本当はこっちを先に書きたかったのですが(苦笑)。コメントで清水をやれというのでこっちを先に書いているのです。あとで書きます。
▼報道:朝日新聞デジタル:東電前社長の清水氏、富士石油の社外取締役に - 経済
清水正孝氏は、社長職を解かれたあと公に姿を見せていませんね。だから何時まで経ってもこの作業服写真です。国会事故調にも出ずじまい。きちんと公の場で自らが経験したことを世界中の人々と共有していただきたいのですけれども。誰かが黙らせているのか(僕は勝手に勝俣恒久が黙らせていると空想しています)、過去のことは語らないと言っているとのこと。
▷▷▷(脱線)
▼ブログ:「プロメテウスの罠」東電撤退の新証言の歯がゆさ 清水前社長の黙秘発言の意図
『驚くべきことに、「プロメテウスの罠 官邸の5日間 35」では、清水社長(当時)の以下のような発言も紹介されている。
清水「俺は二度と過去のことを語ることはない」
不思議な発言だ。』
語らせなければいけない。誰かが必ず。
▷▷▷(脱線ここまで)
話を報道に戻して。
▼報道:FNNニュース: 東京電力の清水前社長、富士石油の社外取締役に内定
『現在、富士石油の取締役を務めている東電の荒井隆男常務も、富士石油の常勤監査役に内定している。』
- 荒井隆男 東電常務(6月で解職) 富士石油取締役(現在)→常勤監査役(内定)
ということか。日本国内を向いている人事だよなあ、つくづく。
取り急ぎ、2012年6月1日0時54分時点での報道の差異などをチェックして共有します。
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