2012年6月13日(水)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
アメリカの原発再稼動の利害と野田首相の再稼動会見につい言及しました。
▼20120613 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
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※「SPEEDI 事故直後 文科省が調査に生かしたが避難に生かさず「30年近い歳月をかけて、開発してきた/実際に一部は使った」小出裕章6/13(3)」からの続き近藤「野田さん…はアメリカに行って、オバマ大統領とその他、こう、いろいろと話して帰ってきているわけですよね」
▼これが再稼動への脅しの最終形態か? アメリカが再稼働しろと脅してきたから再稼動しよう! と主張する日本経済新聞 :ざまあみやがれい! メールマガジン
小出「はい」
近藤「で…ここまで僕あの、逆戻りするとは思ってなかったんだけど。アメリカ側から見てね、日本のこの原発再稼動っていうのは、極めてOKであるっていう説明っていうのはつきますか」
小出「そうだと思います。要するに日本というのは」
近藤「うん」
小出「米国から手取り足取り教えてもらってきたわけですし。米国が日本に原子力を売り込んで利益を吸い上げてきたという、そういう関係ですので。これからも日本が原子力をすすめるということは米国は金儲けができるということですから。やらせたい、のだろうと思います。」
近藤「うん。僕は一番言うことを聞くのは、民主党政権は自民党よりもアメリカだと思ってるんですけどね」
小出「はい」
近藤「う…沖縄の対応見たって皆そうなんだけど」
小出「はい。そうでしたね」
近藤「なるほど。わかりました」
小出「はい」
水野「今のじゃあ、裏返しに言うと、再稼動は極めてOKというアメリカは、最稼働しなければ極めてNGっていうことですかね」
小出「そうですね。日本で原子力が潰れるようなことになれば、日本から吸い上げてきた原子力関連の利益というものが失われるということになります」
近藤「つまりあの…80キロ圏内でバタバタバタバタアメリカもしてたわけですよね」
小出「そうですよね」
近藤「で、しかしそういうことは覚えてるわけだけど。」
小出「はい」
近藤「要するに、すべてアメリカも、なんちゅうか経済の原則っていうか、金儲けの形で動いていると」
小出「はい。まあ私より近藤さんのほうがこういうことはよく、ご覧になってるんだと思いますが。今の世界はどうも、カネが、最高の価値、を決める基準になっているように思い…」
近藤「いやあほんとそう思いますねえ。」
小出「はい」
近藤「僕は政治、よりやっぱ経済が、すべてを動かしてるなってことが、ほんとうになんか最近よく、感じるんです」
小出「はい」
近藤「うーん。」
水野「小出さんは野田総理のあの時の再稼動を説明する会見」
▼「大飯再稼働すべき」総理会見ノーカット1/4(12/06/08)
小出「はい(苦笑)」
水野「をお聞きになっていかがでしたか」
小出「え…国民の生活を守るためだというようなことを野田さんが言ったのですけど。余計なお世話だと私は思いました。」
水野「うん」
近藤「あの…先生」
小出「はい」
近藤「あの福島の原発のようなことが起きても、ああ、地震のようなことが起きても津波が起きても」
小出「はい」
近藤「大丈夫だっていう、ことを自信たっぷりに言ったんですよ」
小出「はい」
近藤「で、ぼくはもうその、なんていうんでしょうねえ。その神経がわからないんだけど」
小出「私もです」
近藤「あの…ようするに、その生活を守るっていう以前に、生命を守るっていう観点が必要ですよね」
小出「そうです」
近藤「だから生命を守るっていうことについての言葉が1つもないわけでね。うーん」
水野「生命を守るって、いうたら、小出さんどうなんですか。だって、あの、もう、福島のようなことがあっても大丈夫だと、安全は確認されていますって野田総理はおっしゃいましたよね」
小出「はい」
水野「これは科学的に言うと、なんか意味がある言葉なのでしょうか」
小出「…全く意味のない言葉です」
水野「…あぁ(苦笑)」
小出「彼らは、福島事故が起きるまでも、すべての原子力発電所は、安全で事故は起こさないと言ってきたんですね。」
水野「ああ、そうか」
小出「ところが事実として起きてしまっている、のです」
水野「はい」
小出「どんなに廃炉しようと予想をしてあれこれ手を尽くそうと、やはり事故というものはいつか起きると思っておかなければいけないと。いうことを今度の事故が教えてくれたんです。それから何の教訓も学ばないというのは、ほんとうに困った人たちだと、思います」
近藤「あの…再稼動反対は精神論だというような意味のことも言ったんですよ」
小出「そうみたいですね、はい」
近藤「僕はその精神論っていうのは、それこそ安全神話イコール精神論でね」
小出「そのとおりです」
近藤「うーん…。まあ…ね…。」
小出「(苦笑)」
水野「はい。ため息が思わず」
小出「はい」
水野「小出さんから漏れました」
小出「はい」
水野「どうもありがとうございました」
小出「ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」
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