CNN.co.jp:オスプレイが訓練中に墜落事故、5人負傷 原因は調査中

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『ハールバート・フィールド(CNN) 米軍当局者は13日、同軍の新型輸送機オスプレイCV22がフロリダ州での訓練中に墜落したと明らかにした。搭乗していた5人が負傷したという。』

未亡人製造機と言われるオスプレイですが、この度の報道では、訓練中に、墜落して5名が負傷とされています。だが墜落して「負傷」するのは当たり前であって。この場合「負傷」は「何もわかってない」という意味の報道独自の言語(ジョージ・オーウェル「1984」でいうところのニュースピークのようなものか)であると言えます。こういったことには報道規制がしかれるのではないか。過小報道なのかどうか、今後の報道を見ていく必要があります。

墜落事故―機体が語る墜落のシナリオ


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さて、オスプレイについておさらい。

オスプレイ開発計画は何度も中止されそうになった

▼参考:V-22 (航空機) - Wikipedia

『もしヘリコプターの利点である垂直離着陸・ホバリング・超低空での地形追従飛行をこなしつつ、通常の固定翼機のように高速移動かつ長い航続距離が可能ならば、それは戦略上非常に有用なことであり、このことからアメリカ軍は第二次世界大戦直後から両者の利点を併せ持つ航空機を求めていた。』

ヘリコプターを超えるものを開発しようとしてオスプレイができたと。

『1989年12月には、国防長官であったディック・チェイニーが予算削減の一環として開発の中止を発表するが、その後の審査の結果、計画は続行されることとなった。その後何度か計画の中断が予定されたが結局中止となることは無かった。』

計画は何度も中断されそうになったが、無理を言って頑張って完成させたと。で何度も事故を起こして被害者を出したと。

オスプレイの墜落事故と死亡者数

1回目の事故は以下の通り。

『1991年6月11日に試作5号機が初飛行時に左右に揺れながら離陸後、数mの高さから大きく機体を傾けてナセルとローターが接地し、機体は転覆して地上へ落ちた。火災も起きずパイロット2名は脱出して軽傷で済んだが、機体は失われてしまった。』

1回目。試作。初飛行で、2名が脱出したお陰で軽傷。

『1992年7月に試作4号機が気候試験でエグリン空軍基地からクアンティコ米海兵隊基地へ飛行中の着陸直前に右エンジンナセルから出火した。制御を失った機体はポトマック川に頭から落ちて、乗っていた海兵隊員3名と民間人技術者4名の計7名全員が死亡』

2回目。試作。気候試験で、7名死亡。

『2000年4月8日に14号機が夜間侵攻での兵員輸送を想定した作戦試験時に墜落事故を起こし、乗員4名と米海兵隊員15名の計19名全員が死亡』

3回目。作戦試験時に、19名死亡。

『2000年12月11日に海兵隊訓練部隊VMMT-204部隊所属の18号機 (MV-22B) が、夜間飛行訓練中に森林地帯に墜落し、搭乗していた海兵隊員4名全員が死亡』

4回目。訓練飛行中に、4名死亡。ちなみにこのMV-22Bが日本に配備されるという段取りで動いている機体ではないだろうか(地元は当然抵抗している。

wikipediaには上記の事故が紹介され「未亡人製造機」と呼ばれていることが説明されています。その他にも事故に準ずる不具合などが紹介されてもいます)。

▼話を報道に戻して。

『軍当局者によれば、オスプレイの事故は午後6時45分ごろ起きた。負傷者5人は病院へ搬送された。けがの程度は明らかになっていない。』

負傷者5名が搬送されたということですね。命に別条はないという表現はありません。

『墜落の原因は調査中だという。』

まあそりゃそうだ。

『オスプレイは、回転翼の角度が変更可能なティルトローター式で、飛行機のように飛び、ヘリコプターのように離着陸できる。』

「そして、時々墜落する」という表現が報道では抜けていますね。

米でオスプレイ墜落、5人負傷 フロリダ州で訓練中/主要ニュース/社会総合/デイリースポーツonline

『米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)には海兵隊仕様の別型機MV22オスプレイの配備が予定』

日本に米軍が配備するのは違う型なのか。

今回墜落したオスプレイは、特殊作戦軍向け機体

で、先ほどのウィキペディアには次の記述がある。

▼参考:V-22 (航空機) - Wikipedia

『国防総省では458機のV-22を調達することを計画している。内訳は海兵隊用のMV-22が360機、アメリカ特殊作戦軍向けのCV-22が50機、海軍向けのHV-22が48機』

今回墜落したのは特殊作戦群向けの型ですね。日本に来るのは海兵隊用のMV-22。ちなみに先程の死亡事故の4番目が、日本に米軍が配備しようとしているMV-22の事故ですね。

日本に米軍が配備しようとしているオスプレイMV-22は、4月に墜落 だが米軍から報告なし

▼話は報道に戻して。

『オスプレイは4月にもモロッコで墜落事故を起こし、沖縄では安全性への懸念が拡大。』

これは日本に配備するMV-22ですね。しょっちゅう落ちてるな。

在日米軍再編:環境審査結果、県と大竹市に オスプレイで中国四国防衛局 /広島- 毎日jp(毎日新聞)

『米軍は来月、岩国基地(山口県岩国市)でオスプレイの試験飛行を実施する計画。』

これは嫌ですねえ。

在日米軍再編:オスプレイ、沖縄配備後も岩国で月2・3日運用 /山口- 毎日jp(毎日新聞)

『年間で約500回の離着陸が予想』

リスクというものが一定であれば、離着陸が多ければ多いほど事故の回数は増えていくわけです。

朝日新聞デジタル:オスプレイ墜落、森本防衛相「事実関係を照会中」 - 社会

『森本敏防衛相は14日、米軍の新型輸送機オスプレイCV22が米フロリダ州で墜落事故を起こしたことについて「まだ米側から何も情報が伝わっていない。事実関係を照会している」と述べた。』

「伝わってきていない」という表現の意味するところはなにか。アメリカに対して日本から聞いているという姿勢は伝わって来ません。

安否分からず…米で5人搭乗のオスプレイが墜落(tv asahi)

『機体には5人が乗っていて、全員が病院に運ばれましたが、安否は分かっていません。』

このタイミングでは、安否はわからずとなっていました。その後、先述のように「負傷」という表現に変わりました。報道を読むときのコツですが、こういう場合、死亡していても死亡していなくても「負傷」は確定です。つまりは「負傷」と報じても「安否は不明」と書いても同様の意味になります(印象はかなり変わりますが)。つまり「負傷」と報じたほうが過小報道であると言えましょう。

垂直離着陸機オスプレイ、普天間に9月配備 日米が検討  :日本経済新聞

『オスプレイは4月にモロッコで訓練中に墜落し、4人が死傷する事故を起こした。防衛省は米側に墜落原因の説明を求めているが、回答はきていないという。』

おいおい、どういうことだよ。4月の事故についても、アメリカは一切墜落原因を軍事機密として公開しないのか。これはかなり不満ですね。

『オスプレイは米側が輸送ヘリCH46の後継機として当初、今年10月と2013年10月にそれぞれ12機ずつ普天間基地に配備する計画だった。日米両政府は安全性アピールのため、配備前の7~10月に米軍横田基地(東京都)や米軍岩国基地(山口県)などで試験飛行をする考えだったが、地元の反発で断念』

そりゃそうだ。

『米政府はオスプレイを分解した状態で船に載せ、7月にも那覇港湾施設(那覇市)に搬入して県内で組み立てる段取りを検討 / 田中直紀防衛相は11日の記者会見で、配備時期や方法に関し「丁寧に沖縄側に説明する段階に来ていることは間違いない。米側が輸送する前に最終確認する」と語った。』

前防衛省の田中直紀氏の発言は間抜けですね。輸送する前に最終確認するというニュアンスが間抜けです。輸送が決まってから最終確認できても、どうしようもないわけで。つまりは、沖縄、アメリカ双方に気を使って、問題を先送りする答弁ですね。

沖縄県知事 配備反対で要請へ NHKニュース

『沖縄県の仲井真知事は、14日、那覇市内で記者団に対し、「まだ見ていないが、相当細かいので、今、皆で手分けして読んでいる」と述べ』

相当細かく書いてあるせいで実態が理解できない説明書が付いているのがオスプレイというわけです。でもウィキペディアには死亡事故の例がわかりやすく書いてあるわけで。

東電の賠償金支払い資料といい、細かいですよねえ。ちなみに原発の説明書ってどういうものなんでしょうか。

オスプレイ 米で訓練中に墜落 NHKニュース

『乗っていた5人の兵士は病院で手当てを受けていますが、けがの程度などは明らかになっておらず』

「手当を受けている」という表現がどの程度信ぴょう性があるのか。見てきたようなことが書いてありますが、実際情報は伝わってきていないわけで。おそらく海外メディアの報道がベースとなってこの表現になっているのでしょう。「大きな手術」だって「手当て」なわけです。つまり「手当て」という言葉のニュアンス は、過小報道である可能性があるわけです。まさかバンソーコーを貼ってるわけではあるまいし。

沖縄と本土の民主主義には大きな差

今日のトピックス/

『沖縄県宜野湾市の佐喜真淳市長は13日、同市役所で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への新型輸送機MV22オスプレイ配備計画反対を訴える市民集会を、17日に市内で開催すると発表した。集会は市などの主催で、佐喜真市長は「配備の阻止は市民の総意だ。5000人の参加を目指す」と述べ た。』

市長自身が、オスプレイ配備への反対の市民集会を開催すると言っているのですね。原発における反対集会やデモとは大違いです。

沖縄における民主主義と、本土における民主主義とは全く違う意味を持っています。

取り急ぎ報道の差異のまとめです。

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

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