2012年6月14日(木)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

大飯原発再稼動について、福井県議会などが責任を逃れていること、大飯原発再稼動するしないのどちらが危険か、について言及しました。


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▼20120614 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんです。小出さん今日もどうぞよろしくお願いします」

小出「はい。よろしくお願いします」

千葉「今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」

藤田「ああ藤田です。よろしくお願いします」

小出「はい。藤田さん、よろしくお願いします」

千葉「ではまず、ニュースでもお伝えしたんですけれども。福井県の大飯原発3、4号機の再稼動につきまして、地元のおおい町の町長が、再稼動を認める意向を示して、福井県知事に伝えたということです。で、今週中には県知事が同意して、総理大臣に伝えられて再稼動ということになる見通しなんですけれども。このことについてまず、小出先生のご感想をいただけませんか」

小出「はい。大変残念、です。え…ただし、残念、というだけでは済まないものが、ここにはあると思います」

千葉「はい」

小出「え…その原子力をやってきた、長ーい歴史というのが、あって。おおい町もそうですけれども。地域全体が、原子力にすがらなければ生きていかれないという、そのような状況に追い込まれてしまったうえで、原子力を受け入れてしまい、ました。そしていちど受け入れてしまうと、それに依存するような、街になってしまうわけですし。次々とまた新しいおカネを欲しがる以外にないということに、なってきた、というのが日本の原子力のやり方だったと思います。え…言葉は悪いですけど、いわゆる麻薬患者を作って、ますます麻薬漬けにしていくと、いう歴史がきた、続いてきたと私には見えます。え…地域の人達にそれを簡単に抜けろということは、すぐには言えない。どうやれば、う……その街、全体が、きちっと生き延びることができるのかというそのことを考えなければいけないのだと、思います。ただし、まあ町議会にしても福井県議会、あるいは福井県知事にしても、その人達こそがそういうことを考える責任がある人たちだと思いますので」

千葉「ええ、ええ」

小出「しっかり考えて欲しいと思います」

千葉「ええ。その、県議会なんですけれどもねえ。え…全員協議会を開いて再稼動問題について話しあったそうなんですけれども。お…その結果、再稼動は知事の判断だから、議会に意見を表明させて責任を負わせるという馬鹿な話はない、といった意見が出て」

小出「(苦笑)」

千葉「県議会として採決や意見集約はしないで、知事に判断を一任したということで。」

小出「はい」

千葉「あの、いろいろ報道を聞いてますと、なんだか総理が決めたから、町長が決めたから、知事がこういう考えだからで、みな責任から逃げてるっていう感じがするんですけど」

小出「そうですね。情けない議会ですね」

千葉「ええ」

小出「議員一人一人がちゃんと自分の思いを発信しなければいけないと思うし。一人ひとりが個人の責任を負わなければいけないと私は思うのですが。残念ながら、少なくとも原子力の世界というのは、個人としての責任を誰も負わないという。そういうまま今日まで来てしまいました。」

千葉「ええ…ほんっとに変な世界ですよね」

小出「はい」

千葉「え…それからリスナーの方からの質問が来ておりまして。こちらご紹介します。ラジオネームおぺらさんというかたです。え…大阪府にお住まいの方で。わかりきったような質問をして申し訳ないんですけれども。大飯原発を動かさないのと、動かしたのとでは、危険度は違うのですか、という質問なんですが、先生改めて教えてもらえますか」

小出「もちろん危険度は違い、ます。え…運転中に全所停電をした場合には、事故が劇的に進行してしまう…しまいます」

千葉「はい」

小出「え…福島第一原発の1号機から3号機で進行したように、もう本当に手のつけようのないまま事故が進行してしまいますので。まずは動いてる状態をやめるということは、徹底的に大切だと、思います」

千葉「はい」

小出「では、動いていなければ安全かといえば、もちろんそうでは、ありません。え…すでにこれまで日本で原子力発電をやってきてしまったがために、広島原爆が、まき散らした放射性物質の、120万発分、に相当する核分裂生成物を日本は作ってしまった」

千葉「120万発分ですか」

小出「はい。それは、消すことが出来ないゴミとして、え…それぞれの原子力発電所の中に溜まってるわけですし。今でも福島第1原子力発電所の進行中の事故の中でも、それが危機に直面している、のです。ですから、止めれば安全だということではありませんが、まずは止めなければいけないと私は思います。」

千葉「はい。わかりました。え…続いてはですね。う…東京電力の社内の原発事故調査委員会が近く報告…最終報告書を出す予定だというニュースが入ってまして。この案が明らかになったということです。で、それによりますと、原発の北西の方向に重大な汚染を引き起こした最大の原因は、当初言われていたベントではなく、2号機の格納容器から漏れ出したガスだと結論づけているんですけれども。詳しい損傷の箇所や原因については書かれていなかったということです。これ、詳しい損傷の原因が無い報告書というのは、ほとんど意味が無いと思うんですけども。」

小出「はい(苦笑)。おっしゃるとおりです。」

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続き:重大な汚染 2号機格納容器破損でのガス漏洩 その原因・国家統計データが示す「節電なし」で乗り切れる根拠 小出裕章6/14(2)

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