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報道ステーションに田中三彦さんが出演し、原発が地震で破壊されていたと推定されることの根拠について説明した。

カギは「津波襲来時刻」。これまで政府と東電が繰り返し発表してきた「15時35分」は誤り。実際には「15時37分以降」。

この2分が重要なことを浮き彫りにさせている。

巨大地震が原発を襲う―チェルノブイリ事故も地震で起こった

▼非常用電気の使用不能は、やはり、津波のせいではなかった

動画を見ればわかるが、ポイントだけ整理しておく。

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これまで、津波の第2波(大きな波)が到達したのは、15時35分とされていた。だが、国会事故調は、東電が公表していなかった津波到達時の海側の写真を手に入れて分析した結果、津波は、15時37分に到達していただろうということが強く推定されると判明したという。

東電 15時35分

国会事故調 15時37分

この2分の差が、「原発が地震でやられていたこと」を推測する条件となっている。

さて見てみる。

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2011年4月9日。東電は先手を打って、津波の到達が15時35分だと主張した。この時は、メディアはこれに騙された。

「15時35分ごろ検知しております」

この「検知」という言葉にやられたのだ(後述)。

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それに釣られて、政府事故調も「第2波は同日15時35分頃に到達して」と記した。この表記の「ごろ」という表現もまた曖昧だ。結果的に津波が15時35分には原発に到達していなかったことは事実だ。

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メディアはこの画像とともに「午後3時35分」という言葉をつかって表現していたのだろうか。

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東電の中間報告でも「15時35分」に第2波が到達と書かれている。だがこれは真っ赤なウソであったということが判明した。

国会事故調の田中三彦さんがそれを解説している。

みなさんは事故直後から田中さんがUSTに出演して事故の解説を行い続けたことを知っているだろうと思う。僕も田中さんがUSTの前でマスクを外すのを見た記憶がある(おそらく正しいと思う)。記憶が確かであれば、田中さんは当初はマスクをして顔を隠さなければいけなかったということになる(が、間違えているかもしれない。どなたか僕と同じ記憶を持っている人がいたら教えて下さい)。

そんな田中さんが、いまや国会事故調の委員として、事故の根幹に触れることを証言していることが僕はほんとうに嬉しくて仕方がない。

こんな扱いである。

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なんだこの輝き方は。しかも話し方も上手になっているようだ。

田中さんはこう言っている。

『15時35分は波高計の時間』

波高計は、波の高さを測るために海上にブイのように浮かんでいるものだ。その波高計に第2波が到達したのが「15時35分」だというのだ。

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波高計は、原発の沖、1.5キロメートルにある。そこを通過した時間が「15時35分」なわけだ。
それを東電事故調も政府事故調も、「津波襲来の時間」としていたということが判明したのだ。
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波高計と原発の位置関係はこんな感じ。
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この「15時35分」に最も高い波が記録されている。
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こういうイメージだ。
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1.5キロ離れている場所から原発まで津波が到達するのには何分かかかる。
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実際には、「15時37分」あたり以降に津波は原発に到達した。
さらに、田中三彦氏は、横に並んだ1~4号機の関係性について、詳しく言及している。
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1号機についてだ。非常用発電機はA・Bの2つあるという。
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片方のAの発電機は「37分」より前にダメになっている可能性があるというのだ。
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それは、津波の第2波が到達する前に止まっていることを示唆している。
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これが、各号機の非常用発電機の停止時刻だ。
1号機のA系の非常用発電機の停止時刻は、午後3時35分から36分だという。
さらに田中さんは、第2波が到達してから、津波がどのように、1~4号機に襲いかかったかについて具体的なイメージをしている。そこに、東電が当時未公開だった、津波襲来時の海側の写真が重要な役割を果たしている。
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画像の右側から津波が入り込んでいるのがわかる。これはつまり、原発の4号機側から浸水したことを示しているとのこと。
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全体像をイメージするとこんな感じ。防潮堤はある程度機能している。だから防潮堤が薄い4号機側から浸水し始めたことになる。つまり、1号機の浸水には、4号機が浸水してからある程度時間を要したということになる。
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だが、最初に壊れたのは、1号機の非常用発電機だ。4号機のほうが後で壊れた、というのは、津波が襲いかかった順番にはそぐわない。
それが、1号機のA系統の非常用発電機が地震で壊れたのではないかという説の根拠になってるのだろうか。
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あくまで、推測にとどめている。
実際はどうであったか、もちろん僕には知る由もない。
僕が嬉しかったのは、田中三彦さんがとにかく輝いていることだ。
国会事故調の中継ではあまり表舞台に出なかった田中さんだけど、その役目をこのようにして果たしていた事が分かって僕はとても嬉しい。
テレビの編集のお陰で、いつものようなついつい長くなってしまうお話は聞けないことが残念だけれども、またいつの日かUstreamで田中節を聞きたいと思うのであった。
原発はなぜ危険か―元設計技師の証言 (岩波新書)