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東京電力テレビ会議の中身が国会事故調最終報告で明らかになった。武黒一郎氏が吉田所長に電話で命じで、海水注入を独断で止めようとしたことはすでに明らかになっているが、その際の言葉遣いまで明らかになっている。

幻影からの脱出―原発危機と東大話法を越えて―

▼東電副社長「お前(吉田所長)うるせえ。官邸がグジグジ言ってんだよ」。

国会事故調での受け答えは紳士的に見えた武黒氏だが、非常事態において、身内とのやり取りの言葉遣いはそうでもなかったようだ。

この武黒氏は、「国際原子力開発株式会社」という会社の社長をしている。

東京電力幹部8名 反省の意を込め「天下り」 全リスト

ちなみに、海水注入を停止させようとした武黒一郎東電フェローは、「国際原子力開発」という会社の社長に居続けていますね。

武黒一郎元東電フェローは、原発輸出の元締め「国際原子力開発」社長

国際原子力開発 - Wikipedia

『国際原子力開発株式会社(こくさいげんしりょくかいはつ)は、日本国内の電力会社9社、メーカー3社、産業革新機構が出資して、原子力発電新規導入国における原子力発電プロジェクトの受注に向けた提案活動、および関連する調査業務等を行う会社である。』

原発輸出という国策の陰で実質的に企業活動をしている会社の集合体です。

『経済産業省が音頭を取り、日本国外における原子力発電所の建設に関わる受注窓口の一本化を狙って設立された。』

国策なのですね。

『設立時点での株主構成は以下の通り。

電力会社
東京電力(20%)
関西電力(15%)
中部電力(10%)
北海道電力(5%)
東北電力(5%)
北陸電力(5%)
中国電力(5%)
四国電力(5%)
九州電力(5%)
メーカー
三菱重工業(5%)
日立製作所(5%)
東芝(5%)
その他
産業革新機構(10%)』

これも東京電力が出資している会社ですよねえ。

原発の輸出はメーカーの仕事ですね。それを取りまとめる会社に原発を所有する9電力が出資しているわけです。この武黒一郎氏のパターンは、メディアは批判的に大きくは報じません。

それはなぜか。原発輸出は国策だからです。

だけども、東電幹部の天下りを報じるならば、武黒一郎氏が原発事故の責任を逃れ続けていることもきちんと報じるのが道理ですが。さてどうなることでしょうか。』

現在、今後、テレビ会議の動画を公開するかどうか、報じられている。

東京電力は「原発輸出の撤退」報道に対して抗議するなど揺れていますねえ。

【ベトナム・インドシナ】東電、「原発輸出撤退」の報道を否定[公益]/NNA.ASIA

『日越政府案件であるため、安易な撤退は考えられないという。また、ベトナムなどの新興国に原発を売り込む「国際原子力開発」に、東電は筆頭株主として20%を出資しているが、現段階での資本引き揚げなどは考えていない。同社は2010年10月に官民出資で設立。原発を持つ電力9社と原発メーカー3社、ほかに産業革新機構が出資している。』

資本引き上げも考えていないのですね。

保有している20%の株式を売却して賠償金を捻出することが筋だと思うのですがねえ。

原発危機 官邸からの証言 (ちくま新書)