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東京新聞:原発比率 議論深まらず さいたまで初の聴取会:社会(TOKYO Web)

『運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂で、発注者の経産省資源エネルギー庁は契約額を明らかにしていない。』

この報道は、埼玉で行われた第一回「政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聴く会」の報道の一行だ。報道に大手広告代理店の名前が具体的に出てくることは非常に珍しい(実際他のメディアは一切触れず。田中龍作ジャーナルは触れている)。

その後、第2回が仙台で行われ、議事は紛糾した。

理由は、「抽選」で選ばれた9人の発言者の中に「東北電力社員」がいたからだった。

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ちなみに、時の政権は代理店と手を組んで国策のPRに努めてきた。

  • 自民党・・・電通
  • 民主党・・・博報堂

という図式がある(参考「電通と原発報道)

電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ

このように、代理店が国策のイベント(と呼ぶのは不謹慎だが)を支えていることは当然のこととして、認識しておくとよいと思う。

僕が最も気になったのは、この9人が「抽選」で選ばれているということだ。この「抽選」という言葉は大変便利でかつブラックボックスであることを示す言葉だ。そこに信頼性はない。「抽選」が正当であるかどうかを、報道を読む人間が知ることなどできない。

では紛糾した第2回意見聴取会の報道を読んでいく。

東京新聞:仙台聴取会 騒然 発言者に東北電と原発推進団体幹部:社会(TOKYO Web)

『2012年7月16日 07時11分
 政府は十五日、将来の原発比率について国民の意見を聴く二回目の意見聴取会を仙台市で開いた。抽選で選ばれた九人の発言者の中に、東北電力や原発推進団体の幹部二人が含まれ、「原発が不可欠」など従来通りの主張を展開し、会場から批判の声が上がった。』

東北電力社員と原発推進団体の幹部二人が含まれていたと。3分の1ということになりますね。

「原発推進団体」とはどこなんだろうか。

『 聴取会は、政府が提示した二〇三〇年時点の原発比率

(1)0%
(2)15%
(3)20~25%

の三案に対し、抽選で選ばれた各三人が意見を述べる形式。この日は進行側の手違いで、0%案四人、15%案二人、20~25%案三人だった。』

  • (1)0% 4人(本来は3人)
  • (2)15% 2人(本来は3人)
  • (3)20~25% 3人(想定通り)

ということですね。

そもそも、この(1)(2)(3)を3人ずつというのがおかしいんじゃないかと僕は思いますね。

何故ならば、人数の比率によって、意見を述べる人の数を割り振るのが「世論」を反映する方法だからですね。じっさいに、この(1)(2)(3)の人数はどれくらいなんだろうか(後述)

で、「進行側の手違い」とは一体どういうことなんだろうか。進行は博報堂の3人であるとされている。

▼参考:政府のアリバイ工作破たん 電力会社社員が意見述べる国民聴取会  : 田中龍作ジャーナル

『政府(国家戦略室)は進行を広告代理店の博報堂に丸投げし、博報堂は下請けのイベント会社に実働させる。博報堂の人間はわずか3人だった。』

この契約内容には、どのような政府の「意向」があったのか。その「意向」にそって博報堂は任務の遂行を行なったはずだからだ。

▼報道に話を戻して。

『 このうち、原発の新増設を前提とする20~25%案に対し、東北電力の岡信慎一執行役員(企画部長)は「会社の考え方をまとめて話したい」と切り出し、電力の安定供給などを理由に、原発は必要と自社の主張を述べた。』

これでは「東北電力PR大作戦」ですよねえ。

『また、原子力推進を目的に企業や商工団体などで組織する東北エネルギー懇談会の関口哲雄専務理事(元東北電力執行役員待遇)は「政府の案は再生可能エネルギーを大きく見積もりすぎだ」と、原発の積極的な活用を訴えた。』

ああ……。なんて人選なんだろうか。

『広く国民の意見を聴くはずの会が一転、原発推進団体の会と化し、参加者からは「被災者をばかにしているのか」など非難の声が上がった。司会者が「お静かに」を連発するが、会場の怒りは収まらず、一時中断した。』

こういうことを「不規則発言」とみなして、霞が関内の委員会においては、これまで、傍聴人が排除されたりしてきたのですよねえ。で、先日は傍聴人リストを警察に横流ししていたと。

▼参考:保安院が警察に傍聴人リスト無断提供の件 「詳細な説明を差し控えるよう要請受けた」枝野大臣も同じ回答ーーなんでもかんでも警察に情報を出せることになる可能性

「不規則発言」の「規則」は権力側にとって有利な「規則」であることを念頭に入れておく必要がありますね。もっともらしい言葉の多くは権力側にとって都合の良いものだったりします。「民主主義」とかね。

▼報道に話は戻して。

『会場にいた仙台市の男性会社員(35)は「推進の考えでも、一般の人の意見を聞きたかった」と憤っていた。』

すごくよく分かる、これはすごくよく分かるよ。

『 事務局によると、聴取会には百七十五人の参加応募があり、抽選で百三十人を選んだ。うち意見表明を希望したのが九十三人で、0%案が六十六人、15%案が十四人、20~25%案が十三人。』

先ほどの疑問の答えですね。

  • (1)0% 4人(本来は3人)(応募者66人)
  • (2)15% 2人(本来は3人)(応募者14人)
  • (3)20~25% 3人(想定通り)(応募者13人)

となります。

応募者の人数の比率は

  • (1)0% 5弱
  • (2)15% 1
  • (3)20〜25% 1

となっています。この比率に従って「9人」を割り当てることが「世論を反映」させることになるわけです。

それをむりやりに「1:1:1」としようとしたわけですから、それは不公平ですよねえ。

人数を反映させれば

  • (1)0% 5人
  • (2)15% 1人
  • (3)20〜25% 1人

がもっともよいわけです。あるいは

  • (1)0% 9人
  • (2)15% 2人
  • (3)20〜25% 2人

とかね。

繰り返しますが、「1:1:1」という比率で、発言者を割り振ろうという、博報堂のプラン自体が、どうあがいても原発推進を後押しする方法なのですね。

そういう「やらせ」世論誘導が行われているわけです。

『これほど差があるのに、バランスを取ろうとするため、0%を支持した人はいずれも宮城県の人だったのに対し、15%と20~25%案は東北電力関係者二人のほか、東京都の会社員二人、神奈川県の会社員一人と、いびつな発言構成となった。』

宮城県の世論は、原発ゼロということになりそうですねえ。

『 岡信、関口両氏は取材に対し、会社や組織からの依頼で応募したことを否定した。』

まず、この意見に対して信ぴょう性があるかないかはわからないわけです。

さらい、岡信慎一氏は「会社の考え方をまとめて話したい」と述べているわけで。利害当事者の東北電力の幹部として出席しているわけですからねえ。

『政府代表として出席した細野豪志原発事故担当相は「抽選で選ぶので仕方ない。福島で開催するときは一般の県民の声が聞けるよう選び方を考えたい」と話した。(東京新聞)』

この言い訳まで含めて、広告代理店は用意しているのではないか、と勘ぐることができるでしょう。

「抽選」の方法、意見社の人数比率の不公平さ、そういう当たりに批判を持って行かないようにすることが、政府側のポイントですよねえ。

しかし、人数比率を「1:1:1」にするあたり、姑息なやり方だなあと思いますよ。

河北新報 東北のニュース/エネルギー政策 仙台で聴取会 「やらせでは」批判噴出

『東北電は河北新報社の取材に「企画部門などに電子メールで意見聴取の開催を知らせたが、参加は求めていない。(企画部長は)個人として参加しており、やらせではない」と説明した。』

個人として参加している岡信慎一氏は「会社の考え方をまとめて話したい」と切り出して意見を述べているわけですからねえ。個人として参加していないわけですよね。

東北電力は論理的に破綻していますね。

「発言者に東北電社員、エネルギー聴取会」 News i - TBSの動画ニュースサイト

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博報堂が作ったシナリオ通りにやってるといった印象を受けますねえ。

これで、細野大臣は、広告利代理店のPR通りに振舞っているのではないかという疑惑が一段と濃くなって来ましたね。以前の駅前の広域がれき処理安全アピールも、僕は広告代理店に丸なげしたPRだと思っています(空想)。

▼参考:通販番組のごとく細野豪志・黒岩祐治らが「がれき」の安全を証明ーーだが証明されたのは彼らが偽物だということだった

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細野大臣は、その後、広域がれき処理に関しては、情報発信の手順がうまくなかったという旨の言い訳を繰り返しています。それはつまり、広告代理店の戦略の悪さを批判しているのではないか、と僕は思ったりします(空想)。

朝日新聞デジタル:電力会社幹部・他地域の人が意見発表 エネ聴取会が紛糾

『出席した細野豪志環境相は、8月1日に福島市で開く聴取会では発表者を地元住民に限るなど、運営を見直す考えを示した。』

つまり、仙台は踏みにじられたということですね。

『15日の会では、東北電力の企画部長が「せっかく当選したので会社の考え方をまとめて話したい」としたうえで「20~25%」が必要だと述べた。』

先程より、文字数が多いですね。「せっかく当選したので」という表現が加わっています。

『福島市で開く会については「福島は、特別しっかりと声を聞かないといけない場所。政府として工夫する責任がある」と述べた。』

つまり、第1回のさいたま、第2回の仙台は、練習台だったということですかねえ。で、本番は「福島」だと。

そういう意味では、福島の意見に注目させておいて、その他の地域での意見聴取会は、政府がやりたいようにやるよと。で、結果として、原発推進側の意見が結構強いというイメージを創りだそうと。そういうところに、意見者の比率「1:1:1」の戦略があるのではないかと。

仙台聴取会で発言者に東北電幹部- swissinfo

『発言したのは東北電の事業戦略の中心的役割を担う企画部長。』

肩書きの説明がされています。

まとめると、僕は、人数比率がこの異常な意見聴取会を可能にしている根本的な問題は「意見者の人数比率」にあると思います。この世論を無視した人数比率を大前提にして、東北電力のステークホルダーをできるだけ多く送り込むことが可能になっていますね。
仙台聴取会で発言者に東北電幹部 「やらせでは」会場騒然 - 47NEWS(よんななニュース)
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「だ~っ」
コントトリオ「細野くんとSPくん」珍道中ですね。

電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ


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