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現在原発比率の意見聴取会が行われています。「やらせ」という強い抗議を受けて、電力会社は意見できないということが決まりました。

ただし、ツイッター上で賢明な方から、「どうせ他の原子力ムラは意見を述べるんだろ」という指摘がなされています。

昨日のブログのコメントにて重要な情報がもたらされました。原発比率15%の選択肢は、再処理ひいては高速増殖炉の存続をうたっているのです。

コメントでご紹介いただいたのは、大島堅一さんのブログの情報です。

エネルギー政策の選択肢と核燃料サイクルの関係: 大島堅一ブログ

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大島堅一さんは、原発のコストが高いことを証明した優れた学者です。

▼参考:なんと使用済燃料を資産にカウントし電気料金に反映!総括原価方式を解説する番組動画(そもそも総研)

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※モーニングバードよりスクリーンショット
テレビではクールでシニカルな雰囲気を醸し出していますが、著書では冷静にそして論理的に反原発論を展開しています。

原発のコスト――エネルギー転換への視点 (岩波新書)

大島堅一さんは45歳と、反原発の学者の中ではかなり若い部類に入るのではないでしょうか。ツイッターも活用して優れた情報を発信しています。

大島堅一 (kenichioshima) on Twitter

さて本題ですが。

これは7月2日のエントリーです。大島さんはとうの昔に「原発比率15%の罠」を説明していたわけですね。

原子力比率15%の裏にひそむ、もんじゅ存続

ブログエントリー内に以下のPDFがあります。

▼[PDF]120702sentaku01.pdf

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原子力比率15%のところで、説明されています。

■原子力比率15%

  • 再処理 直接処分、再処理併存 六ケ所再処理事業の継続
  • 高速増殖炉 もんじゅ開発を継続(性能試験、定格出力運転)

以前から、このブログでも、使用済燃料政策の「併存案」に関する警鐘を鳴らしていましたが、これと「原子力比率15%」ががっちりつながっているというわけです。

ちなみに、原子力委員会の説明ではこうあります。

▼[PDF]エネルギー・環境に関する選択肢 原子力委員会決定「核燃料サイクル政策の選択肢について」(2012年6月21日)

『2)選択肢②、つまり、原子力依存度低減を基本とし、2030年時点で原子力発電比率を概ね15%程度まで下げる場合には、「再処理・直接処分併存」政策を採用するのが適切である。』

原子力委員会もこう述べているのですね。

このように「原子力比率」の裏には、再処理、高速増殖炉政策がベッタリとついているわけです。

冒頭で「どうせ他の原子力ムラは意見を述べるんだろ」という指摘を書きましたが、まさにその通りの展開になりそうですね。

意見聴取会後のマスコミ取材の中で、中部電力の社員は、

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35%案、45%案があれば、それを選択していた

と強弁していました。彼は電力会社の「原発を作れば作るだけ利益率が上がる」という生理に基づいて主張しているわけです。

マスメディアはこういった電力会社の発言を叩き、結果的に国民の目線を電力会社に向けさせました。

そして政府はそれにのっかり、信じられないほどスピーディーに電力会社を除外することを決めています。

『藤村修官房長官「組織の代表として発言しているなら遺憾だ」』

汚染がれき広域処理ではあれほど批判を受けても一切方針を変えない政府が、この問題ではころっと姿勢を変えたわけです。

名古屋では、もんじゅ運営の日本原子力研究開発機構が意見を述べている

意見聴取会では、電力会社以外の原子力ムラの人間が意見を述べています。

仙台では「東北エネルギー懇親会」の幹部、名古屋では「日本原子力研究開発機構」の人間が意見を述べたわけです。そう、「日本原子力研究開発機構」はもんじゅを運営しています。

不思議な事に、この2人がどんな発言をしたのかなどにはメディアは触れていません。

電力会社叩きの裏で、この「日本原子力研究開発機構」の人物がどんな発言をしたのかを紹介しないことは、メディア・コントロールの最たるものです。

原子力比率20〜25%の選択肢があるのはなぜか。

原子力比率15%を通すためであり、再処理と高速増殖炉の存続を可能にするためです。

中部電力の社員は、そういった国の意向を汲んで上手に振舞ったかのようですねえ。

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昨日のメルマガでも書いたように、この意見聴取会は「やらせ無し」でも原子力ムラの人間が選ばれるようなしくみになっているわけです。

▼参考:「やらせ疑惑聴取会」は、「やらせ無し」でも原子力ムラの人が選ばれるシステムだ

電力会社が抜けた意見聴取会で、どのような人物が選ばれるのか注意をはらっておきましょう。

最後に、この情報を教えていただいた「隠蔽のおじゃま」さん、ありがとうございました。