2012年8月2日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

原子力委員会委員長の候補の田中俊一氏の発言「原発はコントロールできる」発言について、批判をしています。

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▼20120802 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんです。では、小出さん今日もどうぞよろしくお願いします」

小出「よろしくお願いします」

千葉「え…今日は毎日新聞論説委員の二木一夫さんと一緒にお話を伺います」

二木「よろしくお願いしまーす」

小出「よろしくお願いします」

千葉「え…まず今日はですね、これをお聞きします。昨日国会の議院運営委員会で、新しくできる原子力規制委員会の初代の委員長候補となった、田中俊一さんがですね、『原子力は人類がコントロールできるか?』という問に対して、『油断してはダメだが、原発はコントロールできると思う』と答えていました。これを聞いて小出さんはどう思われますか。」

小出「はい。もちろん私は正反対の意見、です」

千葉「はい」

小出「で……田中さんはずうっと原子力の旗を振ってきた人、ですし、原子力発電所は事故を起こさないという立場で、原子力学会の会長もした…」

千葉「はぁ…」

小出「原子力委員会の委員長代理もしたという人なのです」

千葉「はい」

小出「それで、その彼が、福島第一原子力発電所の事故を…が起きたことを見て、謝罪の…え…緊急提言という声明文を出しました」

千葉「ええ」

小出「で、それはそれで結構、です。ただし、え……原子力発電が抱える問題というのは、単に原子力発電が事故を起こすか起こさないかというだけでは、ありません。え…もともとウランの核分裂を利用してしまえば、核分裂生成物という放射性物質を生み出してしまうことが避けられない、のです。え…その、核分裂生成物を無毒化する力も私たちは、持っていません」

千葉「はい」

小出「え…それもコントロールできるというふうに……おっしゃるのだとすれば、あまりにも科学に対する楽観的、あるいは傲慢な見方だと、私は思います。え…その上、原子力規制委員、規制委員会というものができるにあたって、法律が改正されたのですが。原子力基本法の中に、え…原子力を進める理由として、『我が国の安全保障に資する』という文言が、いきなり滑りこませるということが、ありました」

二木「そうですねえ」

小出「はい。安全保障というのはいわゆる安保と私達がずうっと呼んできたもので。いわゆる軍事の、軍事用語なのです。え……もともと、原子力というのは核と一体なもの…技術的にもそうなわけですし、政治的にも常に一体のものとして、動いて来ました。そういうことも含めて、人間がコントロールできるというふうに、彼が言うのだとすれば、あまりに軽率かなと私は思います」

千葉「うーん。日本は平和主義の国ですからねえ」

小出「はい」

千葉「まあ、核なんてのがなんで安全保障に資するのかということになるわけですけども」

小出「はい」

千葉「うーん。そういうお考えの方が、原子力規制委員会の初代委員長候補となってるわけですね」

小出「(苦笑)そうですね。で、まあ、彼は、少なくとも福島の事故に対して、自分たちがやってきたことを、謝罪するというふうに言ったわけですが。私は謝罪というのは行動を伴う…わなければ意味が無いと、思います。え…福島の事故を受けて、では、これから原子力発電所をどうやったらいいと思っているのかという、そのことをまず言わなければいけないと思うのですが。え…彼は透明性を確保する、というようなことを言ったのですね(苦笑)。そんなことは当たり前のことなのであって。え…原子力発電所を本当に動かしていいのかどうなのかということこそ、彼は表明しなければいけなかったと思います。」

二木「先生あの…まあ」

小出「はい」

二木「田中さん、あの…その時に他にもあの、まあ、今の大飯原発のですね」

小出「はい」

二木「安全基準、暫定的なものはまあ不十分だというふうにも指摘はしたんですけど」

小出「そうです。二木さんご指摘くださった通り、そう言ったんですね」

二木「ええ」

小出「それなら不十分なまま、動き出させてしまった大飯原発を、停止させるのか、どうなのかというその具体的なことを言わなければいけないと思います」

二木「ええ」

小出「私はもちろん、不十分だというのであれば、停止させると、言わなければいけないと思うのですが。多分彼はそれを言わないまま、原子力規制委員会の委員長を続けるという、事になるだろうと私は今、予測をしていまして。え…なかなか原子力ムラというところはしぶとい組織だと思いました」

千葉「うーん……。わかりました。え…次の質問に参ります」

小出「はい」

千葉「スタジオには沢山のリスナーの方からの質問が寄せられておりまして。え…こちらまいりましょう。え…兵庫県にお住まいの、ラジオネーム、シグナス鉄道さんというかたからです。福島…え…先日福島第一原発事故で大気中に放出された、猛毒の放射性物質ストロンチウムが、関東東北の10都県で検出されたと、発表されました。去年ストロンチウムは重いから遠くへ飛ばないと言っていた専門家のかたもいたんですけれども。実際は300キロ近く飛散していたことになります。そこで小出さんに質問です。まず、事故から1年4ヶ月が経過しました。あ、事故から1年以上が経過しましたけれども。ストロンチウムの検出にはこんなに時間がかかるものなんでしょうか。またストロンチウムの毒性について、改めて教えていただけないでしょうか。という質問です」

小出「はい。まずストロンチウムの毒性からお答えします。え…人間はこれまで様々な、ことを行なって、被曝ということを地球上にばらまいてきたのですが。その最大のものは大気圏内の核実験、でした。」

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続き:ストロンチウム汚染「これから海産物の汚染を気にするときにはセシウムだけではダメ。ストロンチウムの測定を、これまで以上にやらなければいけない」 小出裕章8/2(2)

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