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原発は「商売」 高速増殖炉は「軍事的」 再処理は「商売と軍事」が絡んでいる。 「ざまあみやがれい!メールマガジン」vol.273
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今回の話の要点はこうだ。

(1)原発・・・商売
(2)高速増殖炉・・・軍事的
(3)再処理・・・商売&軍事的

という視点の整理だ。

これを念頭に置いて読んでいくと、理解しやすいと思う。
まずは(1)の「原発」の話をする。原発は「商売」だ。

意見聴取会、そして討論型世論調査が終わった。結果は「原発比率 0%」の世論が7割だと判明し、さらに、討論をした結果「原発比率0%」に意見を変える人が多かったことがわかった。

つまりは、民意が「原発比率0%」であることが、改めて確認されたということになる。

この2つの事業を行ったのは、広告代理店の博報堂。あわせて1億数千万円の事業だ。広告代理店は、企業の代理をして広告を行う企業とされているが、このようにして「国の事業の代行」することも行なっている。

この「国の事業の代行」について、皆様の中で考えることはあるだろう。

今回の博報堂の代行に関しては、僕はこう思う。

そもそも、民意が脱原発であることがわかっていた上に、なぜ、「意見聴取会」や「討論型世論調査」を行う必要があったのか、ということだ。

通常の感覚では、そんなことは、わざわざこんなことをする必要もなくわかりきったことだった。だが、これを行なった。

国として、公に世論を調査し、それを公表することに意味がある、という考え方もわかるが、税金の無駄遣いだ、という考え方もある。

だが、公にこれを調査し発表することで、政府内、霞が関内での、世論共有をはっきりさせるという意味もあるだろう。

脱原発については、多くの反論もある。経済界全体は、この「原発比率」の3つの案全てに反対だ。理由は、再生エネルギーの比率が現実的ではない、ということだ。

それを言うならばそもそも、原発比率を今後高め続けていくという、3.11以前の原発プランもまた、現実的ではなかった、わけで。それを棚上げにして「再生エネルギー比率が現実的ではない」と叫び続ける経済界は、記憶喪失なのではないかと思う。

さてそんな中、やはり僕が想像した通りの発言が飛び出した。

枝野経産大臣の発言だ。

▼原発ゼロ、「経済にプラス」=再生エネで内需拡大―枝野経産相 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_490503
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『枝野幸男経済産業相は7日午前の閣議後記者会見で、原発依存度を2030年時点でゼロにすることについて「日本経済にマイナス(の影響)と思っていない。 やり方を間違えなければ、むしろプラスだ」と述べた。理由として、太陽光など再生可能エネルギー・省エネ設備の導入による内需拡大、技術開発に伴う国際競 争力向上を挙げた。

 政府は中長期のエネルギー政策で原発をゼロにする案を含め三つの選択肢を示しているが、経団連などはゼロ案に関し、電気料金上昇による経済成長抑制の恐れを指摘。再生可能エネルギーの大幅拡大にも現実的ではないとしているが、経産相は「実現可能」と反論した。 』 
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枝野大臣は、法律を理解している、理論家だ。原発事故直後は「直ちに人体への影響はない」と述べた。「ただちに」という言葉が彼の気質を表している。世論は枝野の発言を強く非難しているが、一方枝野氏はウソをついている自覚はない。論理的に突き詰めてウソにならないように気をつけて発言しているというわけだ。

そんな彼の気質の是非はおいておいて、今回の発言を見てみたい。

「日本経済にマイナス(の影響)と思っていない。やり方を間違えなければ、むしろプラスだ」

この発言が大きく取り上げられて報じられたわけだが、これは、経済界からの「原発比率はマイナス」という意見に対する反論として述べられていることに注意だ。

あくまで反論だ。

経済界は「マイナス」と述べている。これの根拠は実は明確に示されてはいない。それに、これの根拠を明確に示すことは大変難しい。日本経済は今後確実に縮小する中で、どこまでが「原発比率ゼロ」の影響なのかを明確に示すことが難しい、ということを考えてみても、「マイナス」であることの論理的な立証は困難だ。

そして、それに反論して枝野氏が

「やり方を間違えなければ、むしろプラスだ」

と述べている。

これもまた、何ら根拠はない。もし、経済がマイナスになった場合は「やり方を間違えていたからだ」と逃げられるわけで、きちんと自分の逃げ道を確保した、発言となっている。

こういうところが実に枝野氏らしい。

実際に「経済にプラス」という意味も、様々な視点で捉えることができる。「2030年に原発比率ゼロ」というプランがよいか悪いかは、脱原発派の中でも議論が分かれるところだが、それはさておき。

2030年を目指して、原発をゼロに持って行き、その間に、再生可能エネルギーやガスコンバインドサイクル発電などの技術革新を行うことは、「多角化」という意味で、経済界に安定ももたらす。

経済界といっても一枚岩ではない。

商社は、原発事故以降の、火力発電の設備増強で、多くの利益を手に入れているわけだ。太陽光発電においても、同様のことも言える。

1企業、例えば東芝や日立を念頭に置いて考えてみても、新しく産業を大きくする分野が増えるということは、収益構造の変化をもたらし、部門やグループ企業によっては、収益が大幅に向上するということも言える。これらの財閥出身の巨大企業1企業を全体的に見た場合、痛い話というより美味しい話、となる。

と長々論じてきたが、つまりは、エネルギー産業は「商売」だということだ。

次に(2)の「高速増殖炉」の話をする。「高速増殖炉」は軍事的な視点で見ると理解しやすい。

「高速増殖炉」は、国策だ。これは赤字を垂れ流し続けている。利益を生み出す構造が全くない。つまり「損をし続けるが、国としてはやっておきたいこと」ということになる。

こういった、世界中の国が失敗し続けている高速増殖炉は、軍事的な要素が多いと僕は思っていて。というのは、高速増殖炉がプルトニウムを生み出すから、という1視点からだけではない。

基本的にアメリカでもイスラエルでもそうだが、軍事的要素が大きい分野の技術革新は、最先端産業という性質を帯びている。衛生、サイバーセキュリティなど現在最先端の産業と呼ばれているものはどれも軍事的な要素を帯びていて、実際にそれは軍出身者によって革新が進んでいる。

そういう意味で、「高速増殖炉」は、軍事産業というニュアンスが強い産業なのではないかと僕は見ている。これを成功することで、他の産業にとっても技術的に貢献できるという発想だ。実際、世界で初めての原子炉は「高速増殖炉」だったわけで、核を持つイギリスにて運用された。

軍事という分野は、現在のアメリカの軍事予算大幅削減への動きを見ても、国を疲弊させる。なぜなら、巨額の税金が投入されるが、その見返りが計算しづらいからだ。当然赤字が増え続けることになる。そういう視点で見ても「高速増殖炉」の性質は、軍事と似ている。

3つめの「再処理」の話をする。

「再処理」は、「原発」と「高速増殖炉」が絡む話だ。どういうふうに絡んでいるのか。

・「原発と再処理」

再処理事業から国が撤退した時、青森県六ケ所の再処理工場に保管してある使用済み核燃料は、直ちに、電力会社に返却される。すると、電力会社はその使用済燃料を保管する場所がなくなり、原発事業から撤退せざるを得なくなる。

というのが一般論だ。

だが今書いていて、僕はふと思った。新たに、電力会社が「使用済燃料プール」を作ればいいのではないか。

こういう話は、各所から出てもいる。だが、その場所の確保に、国民が納得するかどうかという問題が新たに生じる。がそれはまた別の機会にするとして。

次は「高速増殖炉と再処理」について考える。

高速増殖炉で使われるプルトニウムは、「再処理工場」で使用済燃料から抽出され、濃縮されるものだ。だから「再処理」事業から撤退するのは、国として高速増殖炉事業から撤退するということを意味する。

つまり、「再処理」が、電力会社と国の利害が一致する場所ということになる。

こういうふうに見てみると、「原発」「高速増殖炉」「再処理」の位置づけが理解でき、そして、それぞれを行いたいのは誰か、ということが見えてくる。

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