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▼2012年08月20日18時10分:韓国原子力学会 ビル・ゲイツ氏と次世代原子炉開発 | Joongang Ilbo | 中央日報
『【大田聯合ニュース】韓国原子力学会は20日、米マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏と次世代原子炉開発に取り組むと明らかにした。
   同学会の張舜興(チャン・スンフン)会長(KAIST教授)とビル・ゲイツ氏が16日に米シアトルで、持続的な技術および業務協力推進について話し合った。』
韓国の原子力学会がビル・ゲイツと組んで、次世代原子炉を開発するという流れ。
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『 ゲイツ氏は米原子力ベンチャー企業テラパワー社の事実上のオーナーで、テラパワー社は劣化ウランを原料に最長100年間、燃料を補給することなく稼動できる進行波炉(TWR)を開発している。』
進行波炉ってなんじゃろなと。
▽参考:進行波炉 - Wikipedia
『現在広く使われている加圧水型原子炉(PWR)や沸騰水型原子炉(BWR)では、燃料に濃縮ウランを用いているが、進行波炉は、ウラン濃縮過程で多く発生する廃棄物である劣化ウランを用いることができる。増殖炉(en:Breeder reactor)の一種である。
燃料である劣化ウランに点火された後、その反応の波が、60年以上かけてゆっくりと進行する炉であることから、進行波炉と呼ばれている。
最初の理論は1958年にソ連のSavelii Moiseevich Feinbergが提唱し、1996年には「水爆の父」エドワード・テラーが論文を発表していたが、実用化に向けた研究は進まなかった。日本でも、東京工業大学原子炉工学研究所の関本博教授が、非常によく似た概念である「CANDLE」と呼ばれる燃焼方式を研究している以外にはほとんど知られていなかっ た。しかし、2010年3月に、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが出資するテラパワー社と東芝が共同で技術協力に向けた検討を始めたというニュース以降、日本でも知られるようになった。』
日本でも、東芝とテラパワー社が共同で技術協力を検討していたのですね。今はどうなってるんだろうか。
『 張会長とゲイツ氏は、人類のエネルギー問題解決のため原子力エネルギー問題の重要性に共感し原子力の競争力を高めるため第4世代原子炉開発で協力していくことを確認した。』
韓国は、アレバ社の部品を模造したり、大汚職が原子力業界で広がっていたり、原発が事故で止まったりと、ここんところいい話を全く聞かなかったのですが、斜め上の動きですね。
『 第4世代原子炉は現在稼働中の第3世代原子炉よりも持続可能性と安全性、経済性、核不拡散性を画期的に向上させた未来型の原子炉だ。』
できてもいないのに「画期的に向上させた」とはどういうことなんだろうか。
『 韓国の専門家グループは、テラパワー社が開発中のTWR技術に関する妥当性の研究を行うことになる。』
妥当性の研究なのか。技術協力をするのが妥当かどうかをこれから研究するということか。
『 ゲイツ氏はTWR開発のため2010年に日本の東芝グループと共同開発を推進しており、昨年は中国国営の中国核工業集団公司とも次世代原子炉開発で合意している。』
東芝の話はどうなってるんだろう(後述)
『張会長は、「韓国が第4世代の原子炉開発に拍車をかけていくものと期待している」と述べた。』
▼2012/08/20 09:27:ビル・ゲイツ氏と韓国の学会、原子炉共同開発で合意 Chosun Online | 朝鮮日報
『SFRは、原子炉から出る使用済み核燃料を再び燃料として使用できる次世代型原子炉だ。原子炉で核分裂が起こると高エネルギーの中性子が放出されるが、既存の原子炉では過剰な核分裂を抑えるために水で中性子のエネルギーの大半を吸収する。一方、SFRで冷却材として使われる液体ナトリウムは水よりもエネルギー吸収力が弱いため、中性子がエネルギーを維持することができる。高速・高エネルギー状態の中性子は、既存の原発が使用できない使用済み燃料棒のプルトニウムも核分裂させることができる。』
中性子のエネルギーを吸収しないため、そのエネルギーでプルトニウムも核分裂させることができる、というわけですね。
『 専門家たちは、SFRは使用済み燃料棒の放射能毒性を既存の原発に比べ1000分の1、体積は100分の1に減らすことができ、使用済み燃料棒の再処理問題と核兵器への転用のリスクを同時に解消できると見込んでいる。』
使用済み核燃料問題が世界中で解決困難とされる中で、こういうメリットを掲げて、新世代の原子炉の開発が進んでいると。
ただ、安全性についてはどうなのか。
『 だが、原発に使用されたナトリウムが水と反応すると爆発し、空気と反応すると火災が発生する問題が、商用化の障害となってい る。すでにSFRを開発した日本とロシアでも火災が起こり、きちんと稼動できていない状態だ。韓国原子力研究院は2030年の商用化を目指し、SFRの開 発を進めている。』
SFRとはナトリウム冷却原子炉、つまりもんじゅのことですね。韓国でももんじゅのような原子炉が2030年を目指して開発されていると。
結局、時代の要請に合わせて、古い技術を引っ張りだしてきた、というところでしょう。
まだ、当時の東芝との提携についての報道がネット上に残っていました。
▽参考 2010年3月23日 11:52:東芝、ビル・ゲイツ氏と原子炉開発へ | 日テレNEWS24
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ちなみに、東芝とビルゲイツの協力について、当時小出裕章さんは以下のように述べています。
▽参考 3月 25th, 2010:「ビル・ゲイツ氏と東芝が組み次世代原発開発か」、のニュースと小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)の見解 « スタッフブログ
『今回の報道は、まったく唐突なもので、TWRという記号が何の頭文字かすら私は知りません。
ただ、報道を見る限り、劣化ウランを燃料にする、そして東芝の4S炉と共通の技術の部分が多いとのことで、この炉は高速炉です。
東芝の4S炉は「4S=Super-Safe, Small and Simple」の頭文字をとったもので、電気出力1万~5万kWのごくごく小型のナトリウム冷却高速炉です。
しかし東芝の4S炉など、世界のどこでも動いていませんおそらくはナトリウムを冷却材に使うような原子炉は今後も動かないでしょう。今日(こんにち)原子 力発電に利用されているのはほとんどが軽水炉です。そうなったことは技術的な必然です。水は比熱が大きく冷却材としては最適ですし、透明です。また、放射 化に関しても、トリチウムが若干できる程度で済みます。』
反原発の小出裕章さんですら、軽水炉のほうがまだましだ、という意見のようです。
それにしても、なぜ、アメリカの企業は、自国の大富豪ビル・ゲイツのこの新型原子炉開発に手を貸さないんでしょうかねえ。なぜ、アジア諸国とばかりビル・ゲイツは手を組もうとするのか。
そういう目線でも、興味深いビル・ゲイツの動きです。
昨今の韓国の原子力行政を見ていれば、このような困難な新型原子炉を開発しないほうがいいのではないか、と思うのは僕だけではないでしょう。
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