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2012年9月6日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

2号機が最も放射能をばらまいたとする政府のシナリオについて解説しています。

この国は原発事故から何を学んだのか (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-2)

▼20120906 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんです。小出さん今日もどうぞよろしくお願いします」

小出「はい。よろしくお願いします」

千葉「今日は、毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」

藤田「ああ、藤田です。よろしくお願いします〜」

小出「はい。藤田さんこんばんは。よろしくお願いします」

千葉「…ではですね。小出さん今日はリスナーの皆さんからのメールで寄せられた質問が沢山ありますので。それをお聞きして参ります」

小出「はい」

千葉「え…まずはこちらの方ですね。え…神奈川県にお住まいの、ラジオネームゆうとままさんというかたからです」

小出「…(笑)はい」

千葉「え…福島第一原発の事故で、原子炉がめちゃめちゃに破壊された3号機4号機よりも、一見普通に見える2号機が1番放射能をまき散らしたと、政府が発表しているそうですが、私にはそれがよく理解できません。最後の防壁と呼ばれる原子炉建屋までがすっとんで、きのこ雲まで出して、大爆発した3号機が、1番放射能を遠くまで撒き散らすのではないかと思うのですが。なあーんで2号機なんでしょうか。教えてください、ということです」

小出「はい。今ご質問の中に、放射能を閉じ込める最後の防壁が原子炉建屋、とおっしゃっていたと思うのですが」

千葉「はい」

小出「え…。そうではなくて。最後の防壁は原子炉格納容器というのが、まあ基本的に最後のものです。」

千葉「はい」

小出「原子炉建屋自身は、もうあの、どうでもいいようなもの、でしかありません。それで、え…福島第一原子力発電所の事故の場合には、1号機、2号機、3号機、の3つの原子炉が溶けて、しまいました。で…溶けた炉心から出てきた放射能は、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器の中に、漏れて、あふれたの…です」

千葉「はい」

小出「で、1号機と3号機の場合には、格納容器、というものが、それなりに健全性を保って、いました」

千葉「ええ」

小出「だんだん圧力が上がってきて、まあ、あちこちから漏れてきたりしたのですけれども。でもベントという操作をやって、え…水、水で放射能をある程度捕まえた残りの、放射能を、ベントで外に出したということ、を、やりました。」

千葉「はい」

小出「ところが2号機の場合には、ベント…に手間取っている間に、15日の朝早く、大きな爆発音が、2号機のサプレッションチェンバーとよんでいる、まあ格納容器の一部なのですが。え…そこの場所で、音がしたと。そしてサプレッションチェンバーの圧力がすぐに大気圧と同じになり、格納容器の圧力も、その後すっと、たい、大気圧と同じまで減っていった。そしてあの周辺で大量のあの放射能を検出したということで、2号機だけは、原子炉格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁が、え…人間の制御を離れて壊れてしまったと、いうのが、日本政府の説明、です。え…ただし、本当かどうかは、実は分かりません。え……近づくことすらも出来ませんし。…本当にどうなっていたのかということを知るまでには、多分10年というような時間が必要になるだろうと思います」

千葉「ふーん。見た目の建屋とかではなくて」

小出「はい」

千葉「1番重要な、中の容器が、2号機の場合に、大きく損傷した、というふうに」

小出「そうです」

千葉「考えられているから、え…放射性物質の漏れが激しかったということになるわけですか」

小出「はい。日本政府の説明はそういうシナリオになっています」

千葉「うーん…わかりました」

小出「はい」

千葉「はい。続いてこちらの質問にまいります。こちらはラジオネームトムさんという方ですね。京都府にお住まいの方です。え…ある番組で見たのですが。数万年以上半減期のある使用済み燃料に、中性子をあてて、半減期を減らす取り組みが、J-PARCセンターというところでなされているそうなんですが。え…これは、どれくらいの見込みがあるんでしょうか、という質問で。え…J-PARCセンターというところが茨城県東海村にあるようなんですけれども。小出さん、いかがですか」

小出「はい。え……ちょっと長くなりますけれども。ち…昔、中世という時代に」

千葉「はい」

小出「人間が錬金術ということをやっていました」

千葉「ええ」

小出「え…スズを銀に変えられないかとか、亜鉛を金に変えられないかということで、様々な試みをしまして。もう、たいへん優れた人たちが活躍しました」

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続く:J-PARCセンター 使用済み燃料に中性子をあて、半減期を減らす研究「2つの大きな壁 膨大なエネルギーがかかる 放射能じゃないものを放射能にする」小出裕章9/6(2)