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2012年9月19日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

プルトニウム問題について解説しています。

マンハッタン計画―プルトニウム人体実験

▼20120919 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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※「たね蒔きジャーナル打ち切り「関西だけでなく日本中あちこちから、そしてまた世界中からこれほど広く愛された番組というのは本当に例が無いのではないか」小出裕章9/19(1)」からのつづきです。

水野「え…今日、質問させていただきたいこと、はですね」

小出「はい」

水野「小出さん、プルトニウムに、ついてです」

小出「はい」

水野「日本政府が2030年代に原発稼働ゼロを目指す方針を、まあ、結局閣議決定はしなかったそうですが」

小出「はい(苦笑)」

水野「まあその前にIAEA、国際原子力機関に伝えに行ったんですよね」

小出「はい」

水野「そうしたらIAEAの事務局長は、こういうことをおっしゃいました。『プルトニウムの扱いをしっかりと見ていきたい。』と言うんですね」

小出「はい」

水野「で、この、原発をゼロにして再処理をしない場合、プルトニウムが溜まっていく事を懸念している模様なんですが。このプルトニウムが、たまる、蓄積されるっていうのは、どんな心配があるっていうんでしょうか」

小出「え…原発、というものを動かしてしまう限り、その、原子炉の中にプルトニウムができてきてしまうことは避けられません。」

水野「はい」

小出「ただしそれをそのままにしておくのであれば、プルトニウム問題というのはほとんどおきません。」

水野「はい」

小出「問題は、」

水野「はい」

小出「え…その中から再処理という作業をしてプルトニウムを分離して取り出してしまうという、そのことによって生じます」

水野「はい」

小出「え…プルトニウムというのは原爆材料…そのものですので」

水野「原爆の材料そのものがプルトニウムなんですか」

小出「そうです」

水野「つまり核兵器の転用に、すぐつながるのがプルトニウムという物質だと思っていいんでしょうか」

小出「そうです。え…ですから、原子力発電をやるだけであれば、え…ただただその、放射能の中の1つとしてプルトニウムがそこにあるというだけですので。」

水野「はあーーー」

小出「原爆材料にならないのですが。」

水野「はい」

小出「日本の場合には、核燃料サイクルを、や、つくりあげて」

水野「はい」

小出「プルトニウムを取り出して。それを日本は原爆にはしないけれども、高速増殖炉の燃料に使うというようなことをずうっと言い続けてきた、のです。」

水野「はい」

小出「え…ただ、高速増殖炉は全く出来ません。え…実験炉というか、私達が、ん…原型炉とよんでいるまあ実験炉に毛の生えたような、もんじゅでさえ」

水野「はい」

小出「すでに1兆円のお金を捨てましたけれども」

水野「1兆円あれ捨てて、何にもできてないんですよね」

小出「はい。1キロワットアワーの電気も起こしていないという、ほんっとにどうしようもない…ものになってしまいました」

水野「それでもこれ廃炉にしないっていう方針が」

小出「はい」

水野「出てきましたよね」

小出「はい。それは高速増殖炉というものを1度でも少しでも動かすことが出来ると、超優秀な原爆材料になるプルトニウムが手に入るからなのです。」

水野「はあ……」

小出「はい。ですから今でも、もんじゅは、廃炉にはしないし」

水野「ええ」

小出「研究炉として残すというようなことになっているわけです…」

水野「残すって言ってますね。この意味がわからなかったんです」

小出「はい」

水野「研究炉として残す意味って」

小出「それは、超優秀、原爆材料が、欲しいからなのです」

水野「……はあ……。近藤さん」

近藤「はい」

水野「このプルトニウムの問題というのは、まったくエネルギー問題とは違う分野にも、関連してくるってことですか」

近藤「そうですねえ。ですからまあ、小出先生が、1,2,3,4とこう、原発推進の理由を、以前挙げてましたですけど」

小出「はい。」

近藤「そのなかに、いわゆる、核兵器へ向けてのこの…転用が可能だっていうこともあるんじゃないかという。うーん。まあここんところ…と直結する話ですよね。プルトニウムは」

小出「そうです」

水野「ふぅーん。これ、ただですね、あの、私の理解が間違っているのかもしれませんが。IAEAの天野事務局長が言っているのは。再処理を、していかないと、プルトニウムが、蓄積されて核兵器、核拡散につながるっていうことをおそれてるように、聞こえたんですよ」

小出「ん…多分それは水野さんの受け取り方が、違ってると思い、ます」

水野「あ…私が間違ってるんですね」

小出「はい。え…日本は、え……核燃料サイクルは進めるということを表明しています。核燃料サイクルというのは、再処理ということも含めてなわけで」

水野「はい」

小出「え…原子力を仮にゼロにしたとしても、核燃料サイクルというものをやってしまうと、え…すでに動いていた原子力発電所の燃料からプルトニウムを取り出してしまうことに、なるのです」

水野「はあー!」

小出「え…その始末の仕方が、もう全くわかっていませんので」

水野「プルトニウムの始末の仕方は、わからないんですか」

小出「そうです。原爆になるか、高速増殖炉の燃料にするかどちらかだったわけですけれども。高速増殖炉がもう実用化出来ないということは、もうこの間の歴史でハッキリとしてしまっている、のです」

水野「はい」

小出「そうであれば、再処理を断念するというのが、当然の選択のはずなのですが」

水野「はぁ…はい」

小出「日本というこの国では、再処理を相変わらずやりたいと言い続けて、いるのです。」

水野「ええ」

小出「ですから世界中が日本を不信の目で見ている、わけですし。IAEAにしても、本当にそんなことをやるのかと言って、注意を喚起しているわけです」

水野「はぁ…私政府の方針が、一応原発ゼロをうたいながら」

小出「はい」

水野「再処理をすると言ってるところが矛盾、がある」

小出「そうです」

水野「というのは、なんでこんなことになるんだろうと思っていたんですが」

小出「はい」

水野「そこには、この核兵器転用の疑いが持たれるという、そういう国際的な見方も絡まってるんですね」

小出「そうです。原発はもうやらないというなら、プルトニウムを取り出す意味も本当は、ない、のです。」

水野「そうですね」

小出「はい。それなのに取り出すということは、核兵器を作るんだろうというふうに、どの国で、国だって思う、のが当然なわけです」

水野「…はあー、そうした意味でも、あの、国際的な信用をこれ、失…まあまずまあ、今信用があるのかどうか私にはわかりませんが」

小出「(苦笑)」

水野「信用をより失ってしまうおそれがあると、」

小出「まあ」

水野「思わなきゃいけないんでしょうか」

小出「そうですね。原子炉を…原子力発電をやめると言いながら再処理をやるなんて言うのは、本当に論外なことだと、私は思います」

水野「はあ…はい。どうもありがとうございました」

小出「はい、ありがとうございました」

水野「はい、明日もどうぞよろしくお願いいたします」

小出「こちらこそよろしくお願いします」

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」

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