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2012年9月27日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。

小出裕章さんが、原子力規制委員会の委員の打診がきても「絶対にお受けしません」という理由について述べています。

原発再稼動の深い闇 (宝島社新書)

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※「ウラン原料 算出の寿命17年~70年「石油や石炭がなくなってしまうから次は原子力だというのは全くの間違い」小出裕章 9/27(2)」からの続きです。

千葉「次はラジオネーム、かれーにしょうゆさんというかたです。千葉県にお住まいの方です。え…もし原子力規制委員会に、への参加を打診されたら、お受けになりますか、小出さんは。出来ればお受けして欲しいと私は思っています、という質問なんですが、いかがですか」

小出「すいませんが、絶対にお受けしません」

千葉「ああ…。それは、やはり、日本の政府というものが信用出来ないからですかね」

小出「はい。もちろん政府は全く信用できませんし。議会すら私は信用していません。え…元々、日本の議会が、原子力基本法というものを作って、これからは平和利用に限るけれども、とにかくどんどん原子力をやるんだということにしてしまった、のです。そのもとで、原子力委員会、原子力安全委員会、様々な組織が作られて、きましたし。今度新しく原子力規制委員会というものになろうとしてるわけですけれども。全ては原子力基本法のもとで、原子力発電を進めるという大前提のもとに置かれている組織、です。何れにしても原子力を推進するという、方針に逆らうことは許されませんし、そのための手助けをしてしまう事になってしまいます」

千葉「うーん」

二木「そうするとあの、まあ政府の側に2030年代に原発をゼロにという方針示しましたけど。それについてはどのようにお考えですか」

小出「(苦笑)、2030年、元々は政府がパブリックコメントを求めて、2030年という時点でゼロにするのがいいのか、15にするのがいいのか、25にするのがいいのか、意見を言えと国民に求めたのですね」

二木「はい」

小出「その結果、ゼロにするというのが圧倒的に多かった。それも2030年ではなくて、即刻ゼロにするのがいいと、いう意見が、大変多かった、のですが。政府はまあ、思惑が外れた、のでしょうが。2030というその数字をまた使いながら、それは今度は2030年「代」と、言い始めたのですね。2030年代というのは、2039年の末までということですから。数字に直すなら2040年までということに、え…ま、言葉の詐術だと私は思いますけれども。時間をさらに流して、ゼロを目指すと、言い出した、のです。え…それも閣議決定を初めはすると言ってたわけですけれども。米国と財界からの横槍を受けて、閣議決定すらが、できない、ということになりましたし。次の総選挙でもし自民党が返り咲くようなことになれば、またまた原子力をどんどんやるんだということに、結局なってしまいます」

千葉「はい。え…では。もう1つ質問参ります。ラジオネームどないしょっとさんという方から、の質問です。え…放射線測定器を最近購入して色々計っているんですが。小出さんの『騙されたあなたにも責任がある』という本の中で、測定器を買って、例えば1時間あたりここで1マイクロシーベルトという数字が出た、大変だ、というような使い方をしてほしくない、とあるのですが。それはどんな意味からなのか、答えが書かれてなくて、気になっています」

小出「(苦笑)」

千葉「え…放射せ…放射能は、値が低いから安全だという測定器を持つことによる、間違った認識はしてほしくないという、小出さんの考えが込められているのかなと予想をしています。実際のところどうなんでしょうかという質問です」

小出「はい。はい。どうも言葉足らずの書き方になってしまっていたようで」

千葉「いえいえ」

小出「大変失礼しました。はい。ただ、私自身は放射線を測定するということを、自分の仕事にしている人間、ですが。え…その私が言うのは大変傲慢に聞こえるかもしれませんが。放射線を測定するということは、大変難しい仕事、です。それなりの知識も必要ですし。測る放射線の種類に合わせて、また特殊な測定器も、必要です。え…最近みなさんが沢山の、放射線測定器というものを、それぞれに買ってくださって。それぞれに測定してくださっているわけですが。え…あまり、その、測定した値というもの自身が、正しいと思ってほしくないという、意味で私はそこに書きました。例えば、10台の測定器を1つの場所に並べてスイッチを入れてみると、その10台は全て違う値を示すはずだと、思います」

千葉「はい」

小出「それをまた別の場所に持って行ってみれば、きっとまた、全部別の値を示すはずです。え…初めの場所で、1番高かった測定器が、今度は、1番低くなってしまうかもしれないという。そのぐらい大きな誤差のある、ものです。ですから、ん…出てきた数値が0.5であった、あるいは1であった、というその数値だけを、数値の絶対値をですね、え…あまり気にしないで欲しいと私は、思います。ですからお持ちの測定器を、今、この場所で測った、それを別の場所でまた測ってみた、さらにまた別の場所で測ってみたということをやって。どっちの場所が、高いのか、どっちが低いのかと、いうような測定の仕方は、多分、なにがしかの役に立つと、思います。そういうことを沢山の皆さんで、様々な測定機を使いながら、どこが汚染が高そうだ、低そうだという、そういうことに使っていただくのが1番いいと思います」

千葉「はい。わかりました。小出さん、まだまだお伺いしたいことがあるんですけど。ここで時間となってしまいました」

小出「はい」

千葉「これまでほんっとにどうもありがとうございました」

小出「とんでもありません。千葉さん、長い間本当にありがとうございました。」

千葉「いえいえ、こちらこそあの本当に」

小出「はい」

千葉「小出さんの話で、ほんっとうに大切なことを知ることが、え…できました」

小出「はい」

千葉「あの、ラジオの向こうでも、多くのお聞きの方々がそう感じていらっしゃると思うんですが。え…実はこんなメールも来ておりますので。これを最後に読ませていただきたいと思います」

小出「はい」

千葉「え…徳島県のラジオネームこくとうさんという方です。え…不幸な出来事との引き換えにはなりましたが、あの日の前と後では、原発に対しての知識が大きく増えました。小出先生の解説は、すごくわかり易かったです。また、無念さからか、時折言葉に詰まってしまうところも、印象的でした。知った以上は、責任をもって行動しようと思っています。小出さん、本当にありがとうございました。というメールを頂いております。小出さん最後に、リスナーの皆さんに何か一言、お願いします」

小出「はい。ありがとうございました。こういうリスナーの方々にめぐりあえただけでも、私は、うれしい、です。え…これで…今日で私は「たね蒔きジャーナル」という番組…からは、さようならをすることになりますし、「たね蒔きジャーナル」そのものも、明日を、最後に、無くなってしまうということに、なる、そうです。え…大変まあ、長い間、いい番組を守ってきてくださったスタッフの皆さんに、お礼を申し上げたいと思いますし。お付き合い下さったリスナーの皆さんにも、感謝したいと、思います。え…これからも、みなさんのご活躍を、お祈りしております」

千葉「あの小出さん」

小出「はい」

千葉「今後も情報発信していってくださいね、ほんとに」

小出「はい、ありがとうございます」

千葉「何度お礼を言っても言い尽くせない気持ちですが、ほんっとに、ありがとうございました」

小出「こちらこそありがとうございました。」

千葉「京都大学原子炉実験所助教の、小出裕章さんにお話を伺いました」

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