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平日3本発行を目指し、土日で取り戻します。
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「どのように国会報道が世論にインパクトを与えるのか?」
シリーズ第3号 2月5日
対イスラム国検証・農協改革自民内に反発・TPP交渉最終局面など
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新企画レポートも3回目。ご公表をいただきありがとうございます。
ファクトから一歩踏み込んだ「情勢」の重要性に一人でも多く気づいていただければと思います。
「現 在」の情勢を把握し「未来」を予測しておくことで選挙の準備が可能となります。重要なのはスピードです。統一地方選まであと2ヶ月。来年の参院選まで1年 半です。永田町はすでに参院選を視野に入れた動きになっています。有権者もそれを念頭に入れることで統一地方選に向けた意欲が高まるのではないかと思いま す。私が多くの人と教諭したいのは「未来」です。
民意はメディアによって形成されます。残念ながら真実によって形成されるのではありません。このメルマガではメディア報道がどのように民意を形成するのかについてウォッチしながら、未来の民意の動きについて予測していきます。
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では本文です。
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■本日の報道情勢を最初に整理。
対 イスラム国のヨルダンの強硬姿勢によって、多くの紙面や時間が「対イスラム国」関連に割かれている状況が続く。これらは政府の対イスラム国経人道支援にポ ジティブに影響する可能性があると見ておきます。外交ではTPP交渉が最終局面に入ろうとしています。与党内では、農協改革や集団的自衛権、戦後70年安 倍談話に関する議論が報道されていますが、報道ではこのレベルの協議を大々的に報じることはほとんどないです。よって民意には大きく影響は今のところ内 が、今後影響を与えうる可能性があるとみて理解しておくとよいでしょう
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■朝6時半のNHKニュース。
7つの見出しのうち3つがイスラム国関連でした。
▼2月5日NHK6時半ニュース見出し
・ヨルダン”軍事攻勢強める”
・”現地の地上部隊 すみやかに育成”
・”政府 中東安定へ支援増額方針”
・太平洋平地も積雪のおそれ
・台湾旅客機墜落 捜索続く
・「首相談話」与党内で議論活発化も
・公認監督人事 難航の可能性も
本 日は対イスラム国対応についての国会での質疑はトピックスに登っていない。中東での極度に不安定な状況が続けば、国内報道のこの傾向は続くだろう。農協も TPPもない。どちらもまだ競技中で確定事項ではないからだろうが、イスラム国関連の報道がなければ入ってくる可能性もあるのではないか。それほど報道は イスラム国に偏って、官邸に不利ではない形で行われているとも言える。民意に対しては政府へのネガティブな影響は少ないだろう。
ただしこれらは水面に現れる氷山の頭のようなもので、水面下では今後の選挙情勢を揺るがしかねない動きが多くある。これらをチェックしておくことで未来を想定しておくことが可能だ。
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■新聞報道各紙。
読売、朝日、日経について。
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ざっくりと理解。
読売、朝日ともに国会報道のスペースが小さい。どうしてもイスラム国関連の報道が強い。私個人の疑問は「有志連合とはなにか?」だが、当たり前のようにその点について言及している記事はない。これに関しては別メルマガで書こうと思う。
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▼周辺事態法の存続(読売)
読売のみ。2面で「周辺事態法を存続する」を扱う。今テーマは広く国民に影響する。
「複数の与党・政府幹部」が答えたとして、公明党に配慮し周辺事態法を存続させる方向性を報じている。自民が、公明党の統一地方選挙対策を尊重したことは 間違いない。それは自民党の統一地方選挙対策としてもベターな選択だろう。ただしあくまで選挙前の報道であって、さらに「方向性」の話だ。
・公明党山口代表「過去に特措法を作って対応したことが2例ある。なぜ特措法で対応したのか、よく吟味すべきだ」
・自民幹部「公明党が恒久法に反対を貫くなら、周辺事態法を改正し、後方支援の相手を米軍以外に拡大する」
13日から与党内協議がスタートする。与党協議の内容はちょこちょこと小さく扱われるだろう。出来る限り選挙への影響を小さくしたいだろう。
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▼憲法改正の発議のスケジュール(各紙)
首相が初めて憲法改正のは次のタイミングについて言及したと報道。来年の参院選の「後」だというがもちろん確定ではない。「総裁選の後」という説もこれま であった。どちらにせよ来年の参院選を視野に入れて永田町は動き出している。例えば、個々の議員活動も選挙運動の一環としての意味が出てくるだろう。統一 地方選挙の結果が参院選の地盤を形成するという視点で見ておくこと。
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▼対イスラム国政府対応検証(日経)
国会で民主党・細野が追及も、読売・朝日の扱いはほぼないに等しい。日経が4面でシンプルにまとめているが世論への影響は大きくないだろう。
・身代金の要求があった初めての映像で初めてイスラム国と認識したことについて。
辻本:
「(映像公開日の)1月20日まで交渉相手もわからなかったとすると、一体何をしていたのか?」
岸田外相:
「シリアに国境を接するトルコに人員を配置するなど様々な努力を続けた」
政府は人員の配置などで対応したとのことだが、国会の中枢はどのように対応していたのか。つまり日本版NSCはこの時点では機能したのかについて検証すると良いかもしれない。
・12月2日に後藤さん妻に犯人側から複数のメールが来ていたことについて
安倍:
「イスラム国側から我々政府に対する要求ではなかった」
こ れが事実だとすると、後藤さんの妻に対するメールに対して、個人的なやりとりだと政府は対応していたと見る。政府はこれについて直接介入していないことを 周知させつつ、責任をかわそうとしているとも言える。日経報道は「身代金の要求があったとすれば、要求額や交渉窓口など接触への糸口につながった可能性も ある」とした。これは海外企業の経済活動を促進させたい日経の報道姿勢を反映したものといえるだろう。意外なところで日経が良い仕事をしている。
さらに細野の質疑について。
細野:
「選挙で外相も地方を回っていた。情報を把握していたのか?」
外相・
「選挙の最中でも報告を受け承知していた」
報道によると、政府はこのタイミングで相手がイスラム国であるかもしれないという情報を持っていたが確定していなかったという。これは原発事故におけるメ ルトダウンに対する対応と同じだ。「可能性が非常に高い」ということでも「確定情報」とはならない。政府は「確定情報」でなければ対応しないということが わかる。未確定であることを踏まえて政府は選挙中に表にする必要はないと判断したと見て良いだろう。どこまで選挙中に情報を共有した上で対応できていたの かが今後の焦点となるだろう。そのために政府中枢はどのように対応していたのだろうか。
・2億ドルの支援表明
細野「既に身代金が要求していたら支援表明は人質を危険にさらす。二人の安全についてケーススタディーをしたのか」
政府はこの質問に対しては、かわした。どこまで具体的に検討したのかを明確にしなかった。
・米国務省が9月から掲載しているイスラム国に対する有志連合の参加国リストに日本が入っていると指摘。
辻本:
後藤さんのビデオテープで「邪悪な有志連合」と発言が会ったことを踏まえて「日本が狙われるリスクが高くなったとの認識を持っていたのか」と質問
外相:
軍事的な有志連合と人道支援を含む抗議な有志連合があるとしたうえで「抗議の有志連合に参加している」とした。また一連の交渉経過については「特定秘密に該当する情報が含まれうる」と発言した。
他国との外交機密であるから「特定秘密」に該当するのは当たり前の話だ。特定秘密保護法が思考された今、なにが「特定秘密」に当たるのかを知る良いタイミングとも言える。細かな追及で「特定秘密」に該当するものが何なのかを検証する必要があるだろう。
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▼農協改革(日経)
こ
れも読売、朝日は扱わず。日経が4面で扱う。与党内への反発が広がっていることを伝えている。4日自民党と政府が調整した内容に対して、自民党内の谷垣・
二階、公明井上の対抗する動きが伝えられている(後述)。スケジュールについては、12日の施政方針演説の直前まで「改革案の骨格」の決定はもつれる可能
性があると報じられている。
・4日 自民党の農林関係議員が改革案をまとめた。
農協改革のために安倍内閣は族議員の西川公也を農水大臣に任命した。この際に安部首相は「族を持って族を制す」と述べたとされが、改革案もまさに「族を持って族を制す」という方針で農林関係議員がまとめているとみてよい。
・4日、谷垣幹事長が改革担当の吉川・林と党本部で会談し「いろいろな意見を聞くように」と支持。
・4日、二階が西川公也農相・吉川と党本部で会談し「地方の農業をしっかり守り、農家のためにやって欲しい」と注文
・これらに先立ち、公明党井上幹事長が谷垣らと都内で会合。JA全中を法的根拠のない一般社団法人にする案について「法的な位置づけが必要ではないか」都市的。
・4日、参院自民党有志議員が緊急に勉強会。全中の一般社団法人化などに異論。
こ のように4日、自民党内は改革案を受けて反発の動きが同時多発的に出ている。今週中に「改革案の骨格」をまとめるとされているが、12日の首相の施政方針 演説直前までもつれ込む可能性もある。施政方針演説に「改革案の骨格」が反映されるからだ。北海道知事選など統一地方選に影響するファクターとして、12 日まで農協改革関連法道から目が離せない。
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▼TPP(日経)
今日は日経のみ。5面で扱う。実務者協議が一段落
した今、交渉の課題と今後のスケジュールについての扱い。本日までのまとめで大きな進展は報じられておらず大きなトピックスはないが「TPP交渉が良い感
じで進んでいる」という強いニュアンス。2月中の日米閣僚級会合を目指して、今一度実務者協議を行うことが報じられている。
・自動車部品関税について米国の撤廃時期が懸案
・牛豚肉で日本が大幅関税引き下げへ。セーフガード発動条件が懸案
・コメの輸入拡について譲歩が懸案
ちょこちょこ気になる報道がこれまでにも出ているので別のメルマガで整理したい。
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▼格差問題(日経)
日経9面。民意にすぐの影響は弱い。物価の上昇分に賃金が追いつかず、2014年は前年より2・5%減。3年続けて減少とのことだ。
少し前に報じられたが、民主党は岡田代表直属の組織を作り、格差問題で内閣を攻める方針。ピケティの「アベノミクスは格差を広げる」を盾にして国会論戦を 挑む。報道では連日取り上げられるトピックスにはまだなっておらず、未知数。読売はバラマキの可能性を指摘し民主党にネガティブな印象を与えている。
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■政党別の支持率の動きを分析する。
野党側。民主は辻本、細野らが目立ち、今後の追及次第では支持率をあげる可能性がある。共産党と社民党の存在感はまだ薄いが、集団的自衛権の話題が強くなれば存在感が出てくるだろうが法案提出は統一地方選後。共産・社民が存在感を強く示すのは5月以降となる。
格差問題について。野党各党の思惑が一致するところだが民主が姿勢を強めて一人勝ちを狙うだろう。ただし消費税の増税を延期している今、消費税批判がとて
も効果的かといえばそうでもない。内閣が「雇用率の上昇」を盾に野党側の批判をかわそうとする展開に、どこまで食いついて民意に訴えられる鏡どころかもし
れない。
集団的自衛権に関して。イスラム国対応の検証の際のテーマの一つであることと、与党内協議のリークを利用して行われる可能性がある。対イスラム国の「有志連合」の話題が長引くとすれば野党の追及の機会は増える可能性がある。
与党側。公明党が集団的自衛権の問題での存在感を高めるだろう。政権与党内で自民党を批判する動きをすることで野党側の論調をうちけす働きもあるとみる。 自民党は公明党をうまく活用して野党側の追及をかわそうという狙いもあるだろう。公明党の責任は重い。公明党は統一地方選前は集団的自衛権に関して内閣の 暴走に歯止めをかける姿勢を強調するだろう。野党側が存在感を示すのは統一地方選挙後になり、支持率をあげる要素は限定的になるかもしれない。
結論としては自民党の高支持率をキープ。公明党も限定的だが支持率をあげるだろう。そう考えると野党側が支持率を伸ばす余地はあまり多くないかもしれない。残った支持率のパイを野党側で競う展開となるだろう。
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■スケジュールを確認
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▼スケジュール
2月上旬
・TPP交渉の詳細報道出る。実務者協議を再度行い、2月中閣僚級会合へ。
・改革委と政府間で調整した改革案まとまる。今週中に与党内競技を行い「改革案の骨格」をあげる。
・対イスラム国政府対応の検証が国会で続く。
2月12日
・施政方針演説(農協改革の方針が盛り込まれる)
2月13日
・安全保障法制の与党内協議スタート。
2月中旬
・TPP閣僚級会合で米など重要分野が決定する?(中旬から下旬)
・統一地方選挙の枠組みが決まる?(特に北海道知事選)
2月下旬
・TPP閣僚級会合で米など重要分野が決定する?(中旬から下旬)
3月上旬
・【TPP】この辺りで全12カ国の閣僚会合開催で大筋合意?
・農協改革法案、派遣法改正案など法案提出。
4月12日
・統一地方選(北海道知事選挙など)
4月26日
・統一地方選
5月上旬
・安全保障法制の法案提出。
・ガイドライン策定へ。
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今回は以上になります。
座間宮
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