2014年6月2日から始まってるゼネコン鹿島建設と東京電力による福島第一原子力発電所の凍土壁の工事だが、「不可能」だと主張している専門家の声などを整理してみる。

特にGE技術者の「水という遮水物がなくなると・・・」は盲点だった。


座間宮ガレイの著書一覧


「施行性をかなり重視した選択」東京電力 松本純原子力立地本部担当部長

『東電は規制委 への説明で、「現場の作業環境、放射線を含めて施行性をかなり重視した選択」(松本純・原子力・立地本部担当部長)とする。被曝や汚染を考えると、今すぐ 施工するには粘土やコンクリートの恒久的な壁ではなく、ボーリングで穴をあけて管を埋め込むだけで済む凍土壁の方がよいとの立場だ。確かに作業員の安全対 策は重要だ。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=2 より)

建屋内の作業員の被ばくの軽減が必要という意見ですね。

「“やってみないと分からない”と見切り発車」畑明郎教授 環境政策論

 元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏がこう言う。
「安 倍政権は威勢良く啖呵(たんか)を切って着工したわけですが、もともと、何人もの専門家が凍土壁の工事は不可能だと指摘していました。ただでさえ全長 26.4メートルもある凍結管を1メートル間隔で1500本も埋設しなくてはならない難しい工事なのに、地震の影響で建屋の地下の配管が複雑に絡み合い、 デコボコになっている。埋蔵物が見つかった場合に避けて凍結管を埋設するのか、貫通させるのかといった方針を固めず、“やってみないと分からない”と見切り発車してしまった。こんな工事に320億円も税金を使うとは信じられない話です」
(http://nikkan-gendai.com/articles/view/life/150856 より)

埋蔵物が見つかった場合にどうするのかという方針が決まっていないのですね。実際に現在、ゼネコンの鹿島建設はこれで悩んでいると報じられていますね。

「規制委で今後議論」と報道

『ただ建屋内に汚染水がどの程度あるか正確に測定する方法や、トラブルや自然災害への備えなど課題も残っており、規制委で今後議論されます。』
(http://www.47news.jp/47topics/e/254224.php)

トラブル対策は、今後原子力規制委員会で議論していくのか。原子力規制委員会って工事の専門家はいないでしょう?

「汚染水問題先送り 無駄なお金」浅岡顕 元地盤工学会会長

『「凍土壁は結果的に汚染水問題の解決を先送りするもので、無駄なお金を投じることになる」と浅岡顕・元地盤工学会長(名古屋大学名誉教授)は指摘する。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=3 より)

地盤工学会ってのがあるんですね。その専門家は凍土壁へのお金は無駄だといってるのですね。

凍土壁の維持費 年間電力量は1万3000世帯分

『 Q 維持費は。

 A 東電は具体的な数字を明らかにしていません。年間の電力量は一般家庭の最大約1万3千世帯分に上るそうです。』
(http://www.47news.jp/47topics/e/254224.php より)

すごいコストですね。

おそらく東京電力も維持コストがわからないのでしょう。

「4つの建屋を止水できるのか」嘉門雅史・京大名誉教授(地盤工学)

「もともと私は、凍土壁は反対です」

『 そうなると、問題は止水だ。「7年間で高レベルの汚染水がたまる4つの建屋を止水できるだろうか」と嘉門名誉教授は話す。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=2 より)

4つの建屋の止水について疑問視していますね。

「水という遮蔽物がなくなったら・・・」佐藤暁 元GE技術者

『 元米ゼネラル・エレクトリック(GE)の技術者、佐藤暁氏は「水という遮蔽物がなくなると、建屋内は(透過力の強いガンマ線だけでなく)アルファ線を出す粉じんの飛散による被曝も心配する必要が生ずる」と話す。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=2 より)

これは重要な指摘ですね。凍土壁が完成したら原子炉に流入する汚染水が減る。となれば、遮蔽物がなくなるということなのですね。たしかに汚染水がなくなって乾燥したら、粉塵などによる被曝が心配です。

トラブったら「粘土による遮水壁の設置」汚染水処理対策委員会

『 7年後までに止水ができなければどうするか。仮設施設のままで凍結を続けるか。あるいは「比較的高い遮水能力を持ち、維持・管理が容易な粘土による遮水壁への入れ替えを行うことも検討すべきである」と汚染水処理対策委員会の報告書にある。
 逆に、何らかの原因で凍土壁がうまく機能しなかったらどうするか。この場合も同報告書は「粘土による遮水壁の設置を検討すべきである」とする。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=2 より)

何かあったら「粘土による遮水壁の設置を検討する」の一択なのですね。

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