2007年12月26日

( ^ω^)ブーンは踊る少女と踊るようです(前編)

5 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:42:01.91 ID:mpWJoE8W0
本当に立つとは

・短編
・某映画のパクリじゃね? →影響受けただけです
・閲覧注意な部分あるかも


6 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:43:08.57 ID:mpWJoE8W0
あと、

3の倍数のレスのときは三人称。
それ以外は基本一人称。
ただし、[]の中の場合は例外だったりする。

SF書きたかったなぁ

7 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:44:15.65 ID:mpWJoE8W0
1.

「(……よし……)」

監督が声に出さず、そう口を動かしたんで、内心ニヤリとしながら
俺は仰々しい、ミュージカルぶったアルトラなシーンで熱演をしてみせてやった。
カメラがちゃんと俺の姿を追う、おれは意識せずに気取ってやった。


俺は俳優。
それもトップで素晴らしい演技を持ってるんだ。

だからこそ、この見せ場は俺の独断場なわけだ。


「……カット! OKだ」

カントクがにっこりと俺に微笑みかけたんで、俺も大ニッコリ顔で返した。
そんでもって、急に疲れがドっときたんで、
ヒザに手を当ててハァハァ呼吸した。

また世界が震えるぞ。くそ人間どもめ、
おれとカントクのケツにキスをしな……そう思った――

・・・

・・・・  

8 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:46:35.33 ID:mpWJoE8W0
2.

( ^ω^)「はぁー、つまらんお」

おれが路地裏を歩いていた。今は夜で、他の奴なんかいやしない。
ファグをモクモク吸いながら歩いてたんだけど、そのうちボブホープをキメたくなったんで
さっさとシケモクをそこらに捨てると、ゥウムって唸ってまた歩き出したんだ。

( ^ω^)「金は持ってたかお……?」

おれはポッケを漁ったんだけど、ピーナッツほどもなかったんだ。
サイフは「キューブ」に置いてきちまったし、今更取りに戻るのもめんどい。
だからおれは、はぁぁぁって溜息ついてから、カツアゲをしなくっちゃなって結論に至ったんだ。

路地裏はゴチャゴチャしてて、ヴォミットの臭いがしてたからサッサト表通りに出たかったけど、
カツアゲをやるなら、ここでクモのようにエモノサンを待たなくっちゃならない。
だからおれはジっとしながら、暇つぶしに大好きなあの人のことを、つまり今日の昼のことを思い出すことにしたんだ。

世界を支配しているような、あの人のことをね。

・・ ・・・

昼間は撮影だった。踊るナントカってフィルムの予告編をやっていたんだ。
カントクとおれ、つまり映画監督と一流の俳優人間だけがその場にいた。
カメラを回すカントクを思い出したんだ。
そうそう、あの撮影部屋はブラディーに暑かった……。

9 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:49:11.06 ID:mpWJoE8W0
3.

(  ゚ ゚)「お疲れさん。昨日のシーンだけでも大変だったのに、ごめんね」

マスクを被った男が、カメラを壁に寄せながら、部屋の中のもう一人の人間に声を掛けた。
掛けられた方は、顔をパァーっと輝かせて首を振ると、捲くし立てるように喋りだす。

(;^ω^)「ぜ、全然ですお! もっとぼくを使ってくださいお、カントク!」
(  ゚ ゚)「そうか? まぁ、それはありがたいことだな」

"カントク"と呼ばれた男は、手をパンパン払いながら屈託なく笑った。その動作で、部屋中の埃が散り散りに舞う。
雑務撮影部屋は冷房は設置されておらず、空気もよくはない。しかし、急な撮影を手っ取り早く行うには都合のいい場所であった。
カントクはスイッチの切った映写機を壁に寄せると、そのままの足で、隅に佇んでいる木製の机へと足を運んだ。
机の上に無造作にバラまかれた、随分黒ずんで汚れたコピー用紙の束を全て拾い上げると、カントクは「ぅうむ」と唸った。
その紙はいわばメモ用紙のようなもので、これからの編集についてのアイデア、BGMの選曲などが無秩序に書かれている。
何度か瞬きをしてそれを眺めているうちに、カントクは書いていた当時の気分に浸っていった。
やがて大きく頷くと、その紙の束を持ちながらブーンの方を向いた。

(  ゚ ゚)「さて、これからは事務室で一人でやる。あとは私の脳味噌次第だな」
( ^ω^)「分かりましたお」

ブーンの同意を確認してからカントクは急ぎ足で撮影部屋を出た。
扉が閉まるのを見届けてから、ブーンはその場でゴロンと寝転がった。

( ^ω^)「あー、疲れたお」

しかし、ブーンの頭の中には既に、夜のサディスティックなプランが練られていた。



11 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:51:14.63 ID:mpWJoE8W0
4.

カントクが出て行った。つまり、おれは有給休暇の夜を取れるってわけだ。
おれはプランを練りに練って、何してやろうかニッコニコ顔で考えた。

手始めに今夜、おれは繁華街にでもいってメタドンやファナでもキメながら
歌でも歌って、プルしたどこぞのタートをレイプしてやろうとか、
そのあとはアグリーフェイスな浮浪者やらをブン殴ってやろうとか思ってたわけだ。
ラストにバーに直行して、プロンク煽ってからティドリーになりながら愛機のバイクに跨って、
ラリったまんまでモーターウェイを爆走してエンドってことにしようか。

「あんた、今予告編撮ったんだって?」

すると、ドアの方からカン高いキンキンな女の声がした。そんで、ヤレヤレって思った。
やっぱり、スキートのツンがそこに突っ立ってやがった。

( ^ω^)「それがどうしたお?」
ξ゚゚)ξ「別に? あんたが何撮ろうがこっちは関係ないし〜」

イチイチムカつく言い回しばっか使いやがる。だけどこいつもカントクのお気に入りだから、
強くは当たれない。一番のお気に入りはこのおれなんだけど、それはおれが猫被ってるのも関係してるんだ。
このスラトは「俳優人間」の中でもランクは上なんだ。あんまり関わりたくない人種だから、
さっさと死ねと思いながら受け答えしてやった。

( ^ω^)「はいはい、なら来なければいいのに」

12 名前: ◆tOPTGOuTpU [>>10 こないだ?] 投稿日:2007/12/23(日) 20:53:57.36 ID:mpWJoE8W0
5.

ξ゚゚)ξ「なーにがよかった。よ。バカじゃないの」

いつも思う。このプッシーは俺が言い返せないことを分かってやがる。
ネチネチと嫉妬を俺にアテ続けてやがるんだ。どうしようもない。
カントクにちょっとでも嫌に思われたら俺はいやだ。だが、このビッチが悪口を
カントクに直接言いやがったら絶対殺してやると誓ってる。それすらこのアマは把握してやがるようだが。
このスカートはカントクへの愛が足りないんだろぉな。でなきゃこんなことは出来ねぇ。
いつか殺してやる。その手術で完璧に整えられたとかいう顔も、カミソリで丁寧に変形させてやるさ。
そう考えてるうちに、さっさとドアを閉めてどこかへいきやがった。ほんと、意味のない奴だ。存在も。

( ^ω^)「死ねお」

そんでもっておれは、追いかけるワケじゃないけど、さっさと玄関の方に行ったんだ。というのも、あのアバズレが
あんまりにも鬱陶しかったから、気晴らしにバイクに乗って、さっさと繁華街へ行こうと考えてたわけ。

玄関は会議室と直結してて、そこで働いてる人間に「お疲れー」「お疲れー」なんて言いながらおれは出てった。
すると、空は鈍いシルバーなんだけど、雨は振らなそうな感じなんだ。いい感じだ。
雲が割れて光の皺が出てて、見ていてコーゴーした。それと臭いも激しいんだ。
鼻の奥にガツンてくる。これは、トルエンの啓示だ。ムラムラしてって、おれはさっさとモーターウェイを爆走したくなった。
おれは今一度建物――キューブの方を振り返った。相変わらずバカでかい、真っ黒なスタジアムみたいな場所だ。
あそこで俺は生まれ、そして仕事をしてる。あそこで一生を終えるのだろうか。
ま、いいや。たとえカントクの手駒だとしても、俺は楽しく生きてけるんだし……。
愛機のオートバイ「クロックワーク」に跨って、エンジンをブン鳴らした。
10000ccを越えるこの自慢のブツは、スタントマンいらずの俺にとっては身体の一部のようなもんだ。
ただし、上等なヤクを飲んでればの話だが。それにしても、メスカリンと一緒にキメると、すげえ心地良く飛ばせる。
走ってて、風に色がついていて、俺を巻き上げて空をダンスしながら道路をブっ壊してくれる。
気がついたときにゃシティセンターのネオンライトの下にいる。そしてすぐに足でバーへ直行、これを最高と言わず何という。

13 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 20:56:50.00 ID:mpWJoE8W0
6.

しかし、わざわざ「キューブ」に戻りドラッグを打つのは躊躇われた。その面倒よりも、疲れた身体での運転の方が気が進んだ。

( ^ω^)「よし」

ブーンは早速、愛機「クロックワーク」を飛ばして道を進んだ。
最初の方は慣らしとして、低速度で走る。風がゆるやかに頬に当たり、煙草の一本でも燻らせたくなる心地良さであった。
しかし、十分も経てば飽きが来てしまう。ブーンは欠伸をし終えると速度を急上昇させた。
エンジン音が唸るようにいきり立ち、同調するように風も牙を向いた。
ブーンは片頬を持ち上げて笑うと、更に速度を上げて道路を走りぬいた。何度も風に押し返されそうになる。
やがて高速道路に差し掛かり、無人のインターチェンジを一瞬で通り抜けた。

既に夕暮れの時間であった。太陽じかけのオレンジが、「クロックワーク」の車体と同化して吸い込まれていくようであった。
構わずバイクを飛ばし続け、夜が始まる前にはブーンは繁華街へ到着したのであった。
こうして、ブーンはドラッグ・バーの前にバイクを停めると、サっと路地裏に入り、吸いたかった煙草を何本も消費しながら夜を待った。
夜の繁華街は人間の行き来が激しくなる。それを待っていたのであった。

・・ ・・・

( ^ω^)「お……」

ブーンの回想が丁度終わりを告げた頃である。視界の隅に転がっていた黒い物体がノソノソを起き出した。
よくよく眺めると、それは三十を越えた辺りの浮浪者であった。
空の酒瓶を大事に持ち抱えながら、ブーンの姿に気付かずブーンの方へ、イソイソ歩いた。

今の時代で、浮浪者となる人間は例外なく異端の精神を持っていた。
何も考えずに暮らしていれば、衣食住が簡単に手に入る世の中なのだが、少しでも他人を出し抜こうとすると
それらは剥ぎ取られてしまうのである。感情の捌け口は、カントクの映画と合法ドラッグで賄うしかない。

15 名前: ◆tOPTGOuTpU [>>14 ゴメンネ] 投稿日:2007/12/23(日) 20:59:29.98 ID:mpWJoE8W0
7.

ホームレスになる奴なんて、バカしかいないのさ。
人間としての能が足りねえ。そのくせ、自分はゴタイソウな人間だと思ってやがるんだ(自分の姿を棚に上げて!)。
だから、ばかにプライド持った奴ばっかりで、「カントクの映画なんて」や「ドラッグなぞ非人間的だ」なんてノタマウ。
カントクの映画とドラッグ以外に、もうこの世界の娯楽なんかありゃしないってのにさ。

/ ,' 3「なんだお前は……ん、お前……見たことあるぞ」
( ^ω^)「お?」

面白いことを言ってきた。見たことあるだなんて。おれを知らない人間がこの世にいるのかい。

/ ,' 3「そうだ、あのくそ映画n……グヘッ!!」

おれはタマラずブン殴ってやった。血と唾とが入り交じった汚い液を口からブウウって吹きながらブっ倒れたんで、
そのままライドして、顔を重点的にボコボコ殴ってやった。時々髪を持ち上げては、ガンッてコンクリートに叩きつけた。
「ぐぇっ!」「ぐか」「やめ」なんて言葉が千切れたポップコーンカスのように出てきてるけど、とにかく殴った。
そのうち、ホームレス君の顔がブラディーに焼いたばかしのパンみたいになって、おれはそんで笑いながら、
今度は立ち上がってそいつのマクのポッケをゴソゴソ弄ったんだ。すると、一本しけたファグがあって、
「なんだこりゃ」って言いながらよく見たら、それはゴタイソウなおれの望んでた「USローストビーフ」だったんで、
おれはさっさと火をつけてそれをタァンと味わった。どうやらこの浮浪者はドラッグに関しては寛容らしい。
すると、煙がもうもう出てて、ダンダンおれもキマってきたんだ。ぶるるぅううってエンジンもオンになった。
ブルシットホームレスチャンの姿が、まるでぐにゃぁぁってダンスするんだ。
そんで、さらに気分が爽快になって、もっともっと殴ってやった。そいつの折れた歯を握って威力を高めてね。

/ ,' 3「ぉ……あ、あ」
( ^ω^)「はははぁあw」

トドメの一発に、手近にあった棒ッキレで頭をゴツンて食らわしてやったら、もう動かなくなった。
そいつの指にハメてあった指輪を抜き取って、おれは馬乗りのままドラッグの余韻をタァンと味わうことにした。

16 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:02:51.23 ID:mpWJoE8W0
8.

( ^ω^)「ふ〜」

気分もよくなってきた頃になって、おれはまた歩き出したんだ。
この指輪ってばかなり年代モノのビンテージらしくって、売ればかなり高くなりそうだ。
そんで、おれはこれを売ろうと考えたわけ。というのも、ちょうど結婚指輪欲しがってる奴がいたからね。

表通りに出ると、真っ暗闇の中でピカピカ光るネオンライトに照らされた世界が現れた。
おれは、そこを優雅に大通りを闊歩してやったのさ。

すると、ワーキャーワーキャーって騒ぐことはないけど、みんながみんな、つまり人間サマ方がおれを見るんだ。
というのも、おれってば、超有名人なんだけどちょびっとだけワイルドな部分もあるから、
戸惑っちまうんだろうな。マリファナのエフェクトがまだビィィィンって残ってるもんだから、
おれってばハッハッハッハって笑ってやってからまだまだ歩き出したんだ。

この繁華街――つまりシティセンターにはワーキングクラスの奴らしかいない。
というのも、まだまだこの国では階級社会ってのが残されていて、アッパークラス、ミドルクラス、ワーキングクラス……は、
なんと一緒の地域に住むことを許されちゃいないのだ。

でも、おれのような俳優人間……つまり、「人間以上」ともなれば、そんなことは関係ないわけで、
その気になればサッサトバイクを飛ばしてクイーンの居る町に行って、奴らのプライドをクックアップしちゃえる。

おれは肩がすれ違いそうになったりする陰気ヅラのワーカーをブン殴ったり、せせら笑ったりしながら
バー前に行って、バイクに乗ってさっさと飛ばした。
明日だ、明日にこのバーでタンマリキメ込んでやるんだ。

17 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:06:46.61 ID:mpWJoE8W0
9.

「キューブ」に帰るとブーンは、玄関から建物内に入り、笑顔で会議室で働いている人間に挨拶をおくった。
会議室といっても、巨大な樫の木で作られた楕円形の机と、それを取り囲むパイプ椅子が中央にあるだけである。
その机を利用して、スタッフ達がノートパソコンを広げてデスクワークをしている。

このホール状の会議室の隅には、木造り建築に相応しくないであろうものがいくつも配置されている。
ボンベと、それに蛇腹のケーブルで繋がれている、大きさは一般的なベッド程のカプセルである。

カプセルの両端以外の表面はガラスで出来ているため、中を窺い知ることが可能である。薄紅色の液体が内部にナミナミと
満たされており、その中には"俳優人間"が仮死状態のまま入水している。男女問わず裸体であり、この部屋には十人程が眠っていた。
彼らは酷使した身体を休めたり、改造直後の不安定な状態をやり過ごそうとしているのである。

俳優人間の「ベイビー」は、別の部屋にて育っているため、ここで眠っている俳優人間は仕事可能な"成人"だけである。

ブーンはスタッフに質問した。

( ^ω^)「ジョルジュはどこにいるお?」
( ^Д^)「彼はもう自室にいると思いますよ」
( ^ω^)「おっおっお、あの映画はまだまだかかりそうなのに」
( ^Д^)「なんでもペニサスさんが今日は無理らしく……」
( ^ω^)「"あれ"のせいかお。まったく、どうしようもないおw」

後輩の一人である「ペニサス」を嘲ってから、ブーンは寮棟へと足を進めた。

同じく後輩の、「ジョルジュ」に指輪を売りつけるつもりであった。

・・ ・・・

18 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:09:46.78 ID:mpWJoE8W0
10.

( ゚∀゚)「すっげー! これはいいモンっすね!」

ジョルジュがはしゃいだ。この嬉し様は、軽くフっかけても問題なさそうだった。
でも、こいつの"フィアンセ"のことを考えると、思わず同情したくなっちゃうんだ。
なんたって、こいつのフィアンセはね……。

( ^ω^)「800ポンドでどうだお?」
( ;゚∀゚)「え、そんなにッスか……? もうちょっと、もうちょっとだけ」
( ^ω^)「……。つべこべ言うなお。おれは先輩だお?」
( ;゚∀゚)「うっ……で、でm」
( ^ω^)「じゃ、成立だお」

こういうと、コイツとか他の後輩はみんなダンマリなんだ。おれはそれを確認してから、
ジョルジュのサイフを取ってありったけ札を抜き取ると(800ポンドには全然足りてないから、利子もつけなきゃ)
何も言わずに出てったんだ。ちょっとでも、面倒なことを起こせばブン殴ることにしている。

そのあと、おれは自室に戻って、「ア・デイ・イン・ア・ライフ」を聴きながら眠ったんだ。
頭の中では、麻薬をヤリまくってカクテルをガブ飲みする明日のことを思い描きながらね。
「I'd love to turn you on...」のフレーズとともにグースカだよ。

そのあと、おれは快適な目覚めをしてから、ジョルジュやら女スタッフやらにチョッカイかけまくって
夕方になるのを待ったんだ。あのバーは地面がオレンジ色にならないと開かないんでね。
もういいか、て頃になって、ようやくおれはバイクを飛ばした。
今日の天気もまた、なんともいい味を出してて、地面全体がオレンジになったのかってくらい、サンサンとしていた。
風がスマートにキマってて、おれってばさすがに事故を起こしそうになるくらい走り飛ばしたんだ。

でも、相変わらずシティセンターまでの道のりで誰も会うことは無かった。
この世界の住人は、職場と家をウロウロすることくらいしか出来ないからね。

20 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:13:49.94 ID:mpWJoE8W0
11.

( ^ω^)「……はぁー」

おれはバー前に着いたあと、喉を慣らすために軽くパイプを吹かしたんだ。
そんでおれは、「おれが今日も来てやったぞ」って大通りを闊歩しまくってからバーにご入店を果たしたってわけだ。

入ったところ、ストーンズのサティスファクションがBGMみたいだ。客は結構埋まってたがほとんど騒がず、椅子に座ってナルコティック・ドリンクを嗜んでる。
I can't get no...I can't get no satisfaction... まさに、"満足できねえ、満足できねぇ"ってね。
"人間"達は基本どうしようもないほど、元気のクソもない集団だが、なんとか、ティーンエイジャーだけは
マトモに会話できる能力を持ってるみたいだ。だがそれもコッチからすればムカつくほど退屈なもんだし、
ハンパなテンションは見ててイラつくんだ。話の内容はカントクの撮った映画についてばかりで、
俺の名演技についてもウットリとしてる。でも、あの娘がイカすだとか、あのポリ公殺すなんて話はしないんだ。

まずカウンターに向かった。死んだ魚のような目をしたバーマンに、ドラッグ・カクテルを頂く前に前菜でも頼もうて思ったんだ。
何をヤろうか。歩きながら考えた。「ダイアと一緒に空飛ぶルーシー」も久々にやりたいし、定番の「ボブ・ホープ」もキメたい。
鼻につくコーゴーしたサイケな匂いを味わってると、ニヤついてどうしようもない。早く飲みたくってウズウズする。
天井にはでかいモニターがついていて、昔のカントクが撮った名画が流れてるんで、もっと気分がよくなった。
永遠の流行ってのは、ヤクキメながらカントクの撮ったムービーを観ることらしいんだ。
ちなみにおれの流行は、百年前のロックンロールを聴くことなんだ。音がシンプルでもなくウザくもなく、いい具合でね。

( ФωФ)「新作前だからってことで、最近のムービーを洗ったんだ」
(-_-)「そうかい」

ふとこんな会話が聞こえた。壁際のボックス席でだ。大した声じゃないけど、他に喋ってる奴なんていないからよく響いた。

( ФωФ)「ペニサスの演技にはゾっとさせられたね」
このセリフにゃついつい俺も絡みたくなった。なぜっていやあ、ペニサスは新型の俳優人間なんだが、そのクセして顔は全然イケてないし、
カリスマなんぞ0なんだ。それに、こいつの言うような"ゾっとする演技"など、お目にかかったことは一度もなぁい。
典型的な失敗作だ。前作と、今編集中のフィルムでは準ヒロインの扱いなんだが、それがどうしようもなく疑問で、何度もカントクに聞きそうになった。

22 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:15:38.16 ID:mpWJoE8W0
読みづらいか、ちょっと待ってくれ、スラングの注釈持ってくる
改行もちょっと努力してみるわ

25 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:21:58.79 ID:mpWJoE8W0
ファグ=煙草
ボブホープ、USローストビーフ=マリファナ
ピーナッツ=小銭
ヴォミット=ゲロ
プル=ナンパ
タート、ビッチ、スカート、スラト、プッシー=売女
アグリーフェイス=ブサイク
プロンク=安酒
ティドリー=軽く酔う
シティーセンター=繁華街

改行むずい

26 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:23:07.54 ID:mpWJoE8W0
12.

( ФωФ)「次世代のフィルムはあの俳優が引っ張るだろう」

( ^ω^)「お……?」

ブーンは足を止めた。若者のその言葉を契機に、ついに進行方向をカウンターから標的の座るボックス席に移した。
肩を怒らせながら、談話をしている若者の背後に立つと、
ブーンは馴れ馴れしい様子で若者の肩に腕を回してから会話に無理矢理参加した。

( ^ω^)「どういう意見なんか、詳しく教えてくれお」

(;-_-)「!?」
(;ФωФ)「ブ、ブーン……」

自分の名を呼び捨てにされたことに対して、ブーンは巻き付けた腕に力を加えるという処置を取った。
身体の華奢な青年はミルミル内に苦悶の表情になり、呻き声をあげた。その青年の話し相手である方も、スッカリ萎縮してしまった。
ふとブーンは、テーブルの上に置かれてある一品に注目した。銀色の皿の上に乗せられているそれは、青かびチーズの欠片の山であった。
それはドープミルクにより生成されたチーズである。無意識のうちに、ブーンはそれを口に含んだ。

(;ФωФ)「ひぃっ……」

ブーンはこの界隈では、傍若無人な振る舞いをすることで有名である。したがって青年は、これからが悪夢であると充分過ぎるほど理解していた。
助けなど呼べるはずもなく、ただ悪魔になぶられるだけだ。そして今、その悪魔はトリップしようとしている。


(  ω )「ふ……ひ、ひ、ひ、ひ……」

悪魔は脳内での爆発を噛み締める。今のブーンには、もう青年たちなど目に入っていなかった。
頭のスクリーンに上映されているものは、昔自分が出演した映画のワンシーンであった。

29 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:25:32.38 ID:mpWJoE8W0
[13.]

・・・

「保安官さん……ほ……あぁ……ん……k――……ぁ……」

まるでダンダン動力を失ったゼンマイじかけの人形のような声が、砂漠に残響した。
発声主の男はそれを最期に息絶えた。砂と己の血でウエスタンシャツが、
フェルト帽が汚れることなど気にする余地もなかった。

保安官と呼ばれた男は周囲を見渡した。
掃除をしていないのか、木造の床には砂がまぶされている。小卓子や椅子は一つ残さず倒れている。
カウンターの奥にある棚のガラスは半壊していて、中にあった酒瓶は一つ残らず奪われていた。
グラスは砕かれて床にバラマかれており、
その破片の一つ一つが天井に吊るされたランタンの光を受けて、キラキラ輝いている。

次に人けを確かめた。今しがた息絶えた男はこの酒場の客のようであった。
店主は既に、隅にて壁に凭れて死んでいた。

そして店の奥にて、保安官の存在にまるで気を配らずに、金の勘定をしている二人組みが立っていた。


( ^ω^)「…………」

保安官と呼ばれた男――ブーンは、スイングドアの一片に手を置いて押し開けて、ブーツで店に踏み込んだ。
ジャリ……と、砂がブーツと床の木に挟まり擦れる音がした。その音を契機に奥の二人はブーンの方を睨む。

( -_-)( ФωФ)「………」

( ^ω^)「……」

32 名前: ◆tOPTGOuTpU [>>30 レスの26] 投稿日:2007/12/23(日) 21:28:28.24 ID:mpWJoE8W0
[14.]

その二人は悪党であった。馬屋で強盗を働いた後に、このバーへ逃げ込み更に犯罪を重ねたのであった。
店主を撃ち殺し、逃げ惑う客と踊り子を撃ち殺し、店を荒らすに荒らした。

ブーンが知らせを受け、この店にやってきたときには既に悪夢のような惨事に陥っていた。
ブーンは二人を睨み返した。憎悪で視界が何度も曇り、その度に研ぎ澄ました集中力で精神統一をする。

こうして、更に足を擦るようにして入り込んでいった。ふと、足元に何かが当たった。
それは割れたジョッキであった。
丁度持ち手の部分で、その輪がブーツの先端に引っ掛かった。

歩を進めたブーンに対し、悪党二人は移動せず警戒を深めた。手がソロソロと銃の仕舞われたホルスターへと這う。
依然眼光をブーンに突き刺しながら、今にも銃を引き抜こうとしていた。

( ФωФ)「手を上げろッ! 銃を使おうとしたら容赦なく撃つぞ」

悪党の一人が鋭く叫んだ。ブーンはその言葉を聞き、一呼吸置いてから両手を頭と同じ位置にまで上げた。
それを確認してから、ニタニタと悪党は笑い合う。

( -_-)「そのままでいりゃあ、命だけは助けてやるよw」
( ^ω^)「……」

無論、嘘であるが、ブーンは軽く頷いた。


悪党二人の緊張が、弛緩した瞬間であった。

33 名前: ◆tOPTGOuTpU [>>28 ありがとう] 投稿日:2007/12/23(日) 21:29:45.28 ID:mpWJoE8W0
[15.]

その一瞬を確認してから――ブーンは動いた。
ジョッキの持ち手が引っ掛かった足を、

( -_-)( ФωФ)「!?」

あらん限りに、蹴り上げたのだった。

二人は混乱した。何のために? 何をする……?
その混乱のせいで、二人は反射的に拳銃を引き抜く余裕を失ってしまった。
気付いた二人は慌ててホルスターに手をやった。それと同時に、

つんざくようなカン高い音が店中に響き渡った。


( ФωФ)「なっ……?」

天井に吊るされたランタンのガラスが砕かれた音であった。
ブーンの蹴り上げたジョッキの持ち手が、見事ランタンに命中したのだ。


(;-_-)「うわっ!」

砕けたガラスの破片群が二人に降り注いだ。
それらは悪党の身体を傷つけ血を流させ、撹乱させ――拳銃を落とさせた。

34 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:31:21.11 ID:mpWJoE8W0
[16.]

( ФωФ)「チっ……!」

舌打ちしてから、ヤット悪党は保安官へ目をやる。
だが、時既に遅く、

( ^ω^)「――!」

ブーンは拳銃を引き抜き発砲した。
(;-_-)「ぐっ……」
回避する余裕はない。


ダーン、ダーンという二発の銃声が空気を震わす。


……



( ФωФ)「ぁ……が……」

(;-_゚)「……!」


そうして悪党は口から血を垂らして
床に思い切り倒れ込んだのであった。
                   

35 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:33:07.77 ID:mpWJoE8W0
[17.]

悪党二人の死を確認してから、この酒場の騒乱の跡をブーンはもう一度見回した。
やはり、哀れな民間人の死体にばかり目がいってしまう。

ホルスターに銃を仕舞い込むと、ブーンは死者に向かい敬意を表した。

( ^ω^)「ありがとう……」


そうして呟いた後、自らのフェルト帽のツバに手をやった―――。


・・・

・・


 
                   

37 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:37:33.36 ID:mpWJoE8W0
18.

ブーンが自らの幻惑から立ち戻ったときには、哀れなティーンエイジャー二人は、
暴行を受けて倒れ込んでいた。

( メωФ;;)「ごっ……ゴぇ……ぁあ…」
(; _')「……」
(  ω )「ひひひひひ……」

己の拳に纏わりついている血をタンと見下ろすと、ブーンは引き笑い漏らした。
若者の一人は、顔中に殴打の跡が重複するほどに繰り返しつけられており、全体が腫れていた。
床には彼の血が垂れている。

もう一人の若者は首を手加減無しに締められたせいで、顔は異常なほど青白くなって気絶している。
若者の座っていたジャコビアン様式の椅子は、倒れて滑稽な姿を見せびらかしていた。

テーブルは倒れこそしないものの、乗っていたカクテルグラス、皿、コースターなどは全て床にぶちまけられた。
店主はそれに一瞥をやると、面倒くさそうに溜息をついた。しかし、ブーンを咎めるつもりも今すぐ掃除をするつもりも無かった。

その辺りで、ローリングストーンズの演奏が終了した。次に流れた音楽は、同種のクラシックロックであった。
まるでサイレンのような浮遊感のあるピアノのイントロからそれが始まった。

( ^ω^)「I Am the Walrus……素晴らしいお……」

I am he as♪ you are he as♪ you are me and♪ we are all together♪ 
……しゃがれたジョン・レノンの歌声がサイケデリックなメロディーに乗せられていく。

ブーンは段々、自分がハイになっていくのを感じた。
それは、あの妄想と映画の融合の主演を体験したときよりも素晴らしいものであった。

38 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 21:38:51.98 ID:mpWJoE8W0
19.

イキなもんだ、素晴らしいね。
ナイスな暴力を奮発してやった後のホンノリ疲れた身体に
上等なメロディーがユルヤカに染み渡っていく。
気持ちがよくって、振り切れちゃうほどハイになっちまう。

(; _')「……ぅ、あ……」

絞め殺してやったはずのナッピー野郎の一人が、まるで吐く寸前みてえな声を出した。
ぅうう……ぅうう……そいつの口は俺の足元に向いていた。
だから、そいつの顔を蹴っ飛ばして向きを変えてやった。

(; _')「かっ……」
( ^ω^)「吐くなら外で吐けお、オムツ野郎めw」

吐くなら、どうせ吐くんなら何もこの素晴らしいバーでなくてもいいだろう
アイアム・ザ・ウォルラスのかかってるこの空間は、まさに神なんだからな。
でもそいつはもう呻き声を出さなくなったので、ホっとした。

もう出てやろうか。今日はどうにも気分がのらなかった。
ヤッピー気取りのクズったれの
あのキチガイゼリフ「次世代のフィルムはあの俳優が引っ張るだろう」がこびりついてる。
俺はこのサイケ染みた空間を目で味わった。

オレンジのライトに照らしてる。壁にはサイケな渦模様が滲んでる。
観てるだけでスバラシクなれる。だが、ここでキメてる奴らはそんなの気にせずに自分の世界に引きこもっている。

45 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:06:25.05 ID:mpWJoE8W0
20.

それがどうにもウンザリだ。ここの奴らは結局ナマケモノなんだ。
げんに、そら見ろ。俺がアホーをありったけなぶってやったくせして、何の感想もねぇ、目もくれないんだ。

どうしようもないな、ヘンテコだ。出てってやろう。
そうと決めたんで入り口のウェスタンドアに手を掛けた。
すると俺を呼ぶ声がした。「ブーン、ブーン」てな。振り向いた。

( ^ω^)「誰だお?」

だが、誰も反応しねぇ。バカにしてんのか、そう思ったときだった。
俺は気付いた。地面を這ってる奴が俺を呼んだってことを。


( メωФ;;)「……ブーン……!」

( ^ω^)「……?」

おどろいた。こいつにそんな体力があったとは。
だが、話を聞いてやろうとは思わなかった。踏み殺してやろうと思った。だからズンズン近づいた。

( ^ω^)「そらw」
( メωФ;;)「ぐぇっ!」

俺の靴底がそいつの腹にめり込んだ、引き戻された、めり込んだ、引き戻された……
叩き付けた! ……引き戻して、今度は顔をゴロゴロ転がしてやった。
笑いが止まらない。次にこいつの汚いボロッコを狙ってやったんだ。

46 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:09:34.01 ID:mpWJoE8W0
21.

( メω;;)「……ぉ、ぉぁ……」

若者は嗚咽を漏らして痛みを表現していた。ブーンはその光景を見て笑い転げそうになった。
だが、ブーンはそろそろ飽きてきた
――時は残酷だ、こんなにクソ面白いもんを、ツマンなくさせちまう――と。

そろそろ殺してやろうとブーンは考えて、足を思い切り振り上げた。
一気に顔面に蹴り潰すつもりである。
照準を合わせているところで、フト若者は枯れた声で呟いた。


( メω;;)「お前には……お前にはな……」

( ^ω^)「お前?」

若者の言い方にブーンはピクリと反応するも、何とか衝動を抑えた。
「お前」呼ばわりするほどに、重要な話なのかと改めなおしたのである。


( メω;;)「お前は……お前にはな……もう、みんな飽き飽きしてんだよ」
( ^ω^)「………ッ!?」

飽きる。そのセリフにブーンは身が縮むようなショックを受けた。視界が麻薬とは別種の曲がり方をした。
カントクが自分以外の俳優人間を可愛がっているのを見ているときと、同じ気持ちになったのである。
ブーンはそれを思い出してから、プルプルと身体を震わせて、芋虫のように縮こまった若者を睨み下ろした。

49 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:13:04.61 ID:mpWJoE8W0
22.

このクソッタレの鼻を"割って"やろう。踵を落とした跡タバコをもみ消すようにグリグリさせて。
だが――

( メω;;)「そうだ、お前の演技にはな……!」
(;^ω^)「っ……」

――そんなセリフを言われたもんだから、ついつい息を止める勢いで止まっちまった。

どうしてそんなことを? そんなことを言われなきゃならない?
俺は、俺は撮影に関しては本気だ。手を抜いたことなど一度もない。
たとえカントクの目がないとこだって、いつだって。
だのに、だのに……「お前の演技には飽きた」?
何がだ、何が……
何がだ……

(;^ω^)「何がだお……」

( メω;;)「つまらない……嫌いだ、お前の……演技は……」

嘲り口調だ。ガーンと俺の頭に雷が落ちたような気分になった。
すっかり俺はそいつの話に聞きのまされてった。
「嫌い」て言葉が、ズキンておれの脳味噌にブッ刺さった。
異常だ、おかしいくらい、頭がグニャグニャする。

(;^ω^)「……嫌い?」

50 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:15:19.54 ID:mpWJoE8W0
23.

( メω;;)「そうだ、お前の演技は……二流で……つまんない……」

(;^ω^)「嘘だお…!」

嘘だ、そんなこと、生まれてから一っ言も言われてない。
いつも、褒められてる。カントクに、愛されてる。

だから、だから、そんなことは……ないんだ。
……つまり、つまり……コイツは何言ってるんだ……。
それに頭がズキズキ痛み出した。ぐわぁぁぁんってエコーもしている。

意味不明だ。どうしようもない。
一体、この感覚はなんなんだ。どの禁断症状よりも辛い、痛い、吐き気がする……

なんなんだ、なんなんだ。


( メω;;)「嘘じゃない……みな、思ってるさ。 ……カントクがただ耄碌しちまったってね」
(#^ω^)「なに……?」

( メω;;)「カントク……ボケちまってる。こんな二流俳優を……いつまでも……使うなんて」


(#^ω^)「―――!」

52 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:17:13.77 ID:mpWJoE8W0
24.

・・

・・・

(;;メω;;)「……ぁ……う……お……」

(#;^ω^)「はぁ……はぁ……はぁ……!」

ブーンが気付いたときには、這い蹲っていた青年は既にボロ布のようになってしまっていた。
もはや言葉を紡ぐことさえ出来ない。痙攣以外で身体の動かすことさえも。
ブーンの靴底は彼の血で滑るほどに汚れていた。皮膚もついている。

しかし、ブーンの当初考えていた暴力に比べると、幾分楽なものであった。

ブーンにはもう、それ以上の暴力を奮う気力が無かった。

ヨロヨロと出口へ向かう。


そうなったとしても、他の客は全く目もくれない。ただ、自分だけが自分だけの世界に浸っている。
それだけである。皆、ドラッグとカントクの映画以外には関心がない。一部のティーンエイジャーだけが、
僅かに他者との会話を嗜む程度である。ブーンは段々、歩いていく毎にこの世界に対する嫌悪感を募らせていった。

スイングドアを押し開けて、路地に出る。マスターは何も言わなかった。
ブーンはヨロヨロと、このバーのネオンライトを見上げた。

54 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:20:28.25 ID:mpWJoE8W0
25.

オレンジ……イエロー……オレンジ……イエロー……オレンジ……

ブラック……ブラック……


ひどく気分が悪い。一体何をされたんだ? 頭が砕かれたように痛む。
ガンガンズキズキって、痛い。このまま遊ぶ気にはなれない。
どこぞのホテルで休まないと……。靴も洗わないとな。
底がヌラヌラしてるし、奴の歯のカケラも混じってる。


ピー、ピー

いきなり、懐の無線機から電子音が鳴った。

(;;^ω^)「これは……」

それは簡単なメッセージで、「至急会議ホームに集まれ」とのことだった。そういえば、
この頭痛でバイクに跨れるか心配になる。だが、カントク直々の命令なんだ。絶対に行かないといけない。
ホテルはお預けだ。休暇も、これで取り上げられちまうんだろう。

クロックワークのエンジンを鳴らしてから、カっ飛ばした。
頭が痛いってので、首がめちゃくちゃ死にそうになった。
風がビュウビュウ俺を襲うもんだから、俺ってばまるで振り落とされそうになって、
その度に心臓のビートを強く叩き付けた。

55 名前: ◆tOPTGOuTpU [] 投稿日:2007/12/23(日) 22:22:05.79 ID:mpWJoE8W0
26.

ヴロロロロロってエンジン吹かして、俺は例の黒いドーム――「キューブ」に舞い戻ってきた。


(;^ω^)「はぁ……はぁ……」

今までこんな酷い運転はしたことなかった。それくらい、ひでえもんだった。
何せ頭痛がバンバン響いてるところにフラッシュバックもきやがったもんだから、目なんかクラクラになっちまいやがって
本気で死ぬかと思った。かぜもビュウビュウ、あうううううってなりやがって、クソまみれのオタンコナス以下だったんだ。


(;^ω^)「ぅぐっ……」

さっそく地面に足をつけた途端、膝がガクンてなりやがったもんで、俺はアワレなかんじでズリ落ちちまった。
痛いのなんの。捻ったなんてもんじゃなかった。それでも時間には間に合わせないと――なんと驚くべきことに、あと二分以内なんだ。
――てなもんだから、俺はまるで必死に歩くよたよたマリオネットみたいになりながら、玄関まで歩いてって
ノブを回して中に転がりこんだんだ。

中はあったかくって、ヒーターの匂いが鼻について、フワフワのカーペットが俺の身体を包み込んだ。

(  ゚ ゚)「やあブーン、遅かったじゃないか」

カントクのその言葉を聞いたもんで、俺はガバって起きだして、そんでもって無理矢理直立になった。

(;^ω^)「す、すみませんお!」



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