2008年10月28日 01:37
小説 容疑者Xの献身
小説『容疑者Xの献身』を読んだ。
映画を観て内容を知っていたのに、また泣いた。
この映画は、わりと小説に忠実に作られていますね。
愛とは。
なんだと思いますか。
誰かの為に、怒りや憎しみから人を殺すことがあったとしても、誰かを守る為だけに、人を殺せる人間なんているんだろうか。
例えば愛する人が殺されて、その復讐の為に殺人を犯す人は、実際にもいるんだろうけど。
もちろん殺人を肯定したりしない。
元夫を殺した花岡靖子は、どんな事情があったとしても、罪を償うべきだと思う。
だけど、あの話は、それでよかったんだろうか。
花岡靖子は自首するべきだったのか。
ちょっと真剣に考えてしまった。
花岡靖子が自首し真実が明らかになると、石神の罪はさらに重くなるし。
彼が望んでいたのはそんな未来じゃない。
でも彼も、この殺人が本当に愛だったのだろうか。
もし花岡靖子が自首しなかったとしたら、娘も含め、一生負い目を持って生きていくことになる。
忘れろと言ったって、忘れられるわけがない。
負い目という言葉が、適切かはわからないけど。
石神の行動がとてつもない愛だとも思うし、結果花岡親子を苦しめただけだとも思う。
やっぱり…なんて哀しい話なんだろう…
愛とはなんだろうか。
私の中で、恋の定義は『求めるモノ』。
愛の定義は『求めないモノ』。
恋は、相手と少しでも長く一緒に居たいとか、好きになって欲しいとか、自分だけを見て欲しいとか。
いろんなことを相手に求める。
愛は、相手が幸せであればただそれでいい、と相手には何も求めない。
そう思っていた。
実際はどうだろう。
でもきっとこの問いに答えを出せる人はいないんだろうな。
正確なんてどこにもないんだろうし。
『愛という方程式は解けない』
湯川学の考えに、賛成。
でも人間は、その答えのない方程式の答えを探して、人を好きになるのかな。