数日前、私の誕生日があった。

誕生日の数日前。

彼は私に、

「 当日、時間をくれないか。色々考えているから」

そう電話口で言った。

喧嘩続きの1か月であった為、ここのところ会っても言い争いになりまともに穏やかな時を過ごせていなかった。

「 もう会いたくない・・」

彼がそういい放ちその場から立ち去り、逃げ出した事もあった。

お互いの心が少しばかり離れているのをお互いに感じ取っていた。

そんな中、私の誕生日を迎えた。
少し気持ちが落ち着いた事もあり、私は彼と共に過ごす事を決めた。

彼は、私が行きたいと言った素敵なお店に連れて行ってくれシャンパンを片手に一緒にお祝いをした。

「 こうやって食事するのも2週間振りくらいだね。俺の誕生日は俺のせいで台無しになったし、お昼に会っても喧嘩ばかりで穏やかな時間が過ごせてなかった。

あんなに激しい大喧嘩をしても、俺はさっちゃんと一緒になりたい気持ちは変わらないんだよね。

やっぱり会えなくて寂しかったし、俺はさっちゃんに会ってないと駄目なんだ。」

彼は、私の顔を覗き込むように、何分間も目が合わせた。

「 さっちゃん。今日めちゃくちゃ可愛い。」

「 え?どうしたの?いつもと一緒だよ。」

「 いつも可愛いけどこんなに可愛かった?だって、こうやってさっちゃんの顔をじっくり見るの久しぶりだから。
しばらく見てていい? 」

照れ屋の彼がこんな事を言うなんて、私はとても驚いた。

酔ってるのかな・・・と思ったが、
お酒は2杯だしそこまで酔っている様子はなかった。

この1か月。
本当に大きな喧嘩を繰り返していた。

だけど、不思議と別れる事はないと考えなかったし別れる事も絶対にないと確信していた。

彼もまた同じ気持ちであった。

「 今日は家まで送るね。」

そう言う彼に私は甘えながら、
一緒に電車へ乗り私の家へと向かった。