2011年10月15日

革を染める

20111005-8


「つま先部分が、雨でシミになってしまったから、いっそのこと
 染められないだろうか?」
とご相談に来られる。

黒く、シミというかすでに革が変質している感じで、クリーニングを行っても
回復は無理な様子。
確かに、ここまできたら染めてしまってもよいかもしれません。

で、つま先のパーツだけが暗い色になりますと、下に重い印象になるので、
上のパーツも染めたほうが、ジョッキーブーツみないな印象にもなるでしょうし
と打ち合わせにより上下パーツを染めることに。

染める前に、汚れを散らす為にクリーニングを行いました。
予想通り、シミは頑として居座っています。

120111015-11


染めている段階では、革の艶はひけるので、艶を出した際の色の感じを
想像しつつ、色をいれてゆきます。

今回は「染める」という方法で行っていますが、通常の補色は、
表面をコーティングするといったニュアンスです。
部分的な擦れや、色褪せの場合は、周りの色と同じ色を作り、
塗布して馴染ませていきます。

一般に、革の表面の仕上げ方として、顔料仕上げと、染料仕上げがあります。
いわゆる顔料仕上げは革の表面を塗料で覆う仕上げ方法です。
染料仕上げは、その名の通り染料で染めます。

なので、顔料仕上げは革表面の傷やムラなども隠せてしまえます。
染料仕上げは、傷などは隠しきれませんが、その分、革らしい風合いを
保っています。

そこで、今回は染める方法で行っているのは、この広い面積を顔料のように
色をのせて仕上げてしまいますと、まったりした風合いになってしまいますし
また、ひび割れも懸念されますので染めることにしました。

しかし、染めるということは一発勝負となります。
一旦染めてしまうと後戻りは出来ない為、仕上がりをイメージしつつ、
また仕上げでクリームでの色の深まりも考慮しながら色を決めてゆきます。

201110115-8


20111015-12


つま先パーツが染め上がりました、塩梅をみるのにクリームで仕上げてみます。
頃合いは大丈夫そうなので、上部へと。

20111015-10

20111015-7


上部パーツは染まり具合が心配でしたが問題なく染まりました。

20111015-8


無事、終了です。
今回は、革の感じや、既に雨シミが深刻だったので染めるということで
お受け致しましたが、通常は部分補色となっております。

ではどんな感じの革だったら?と問われますと、触った感じと、
今までの経験値、勘といった範疇になりますのでお答えは難しいのですが…。





ampersandand at 00:04│ 靴修理