2012年06月18日

染めるのと塗るの

20120615-18


擦れの補色。
こんなに色が擦れて変わった事はないんだけど…とご来店。

革の染色、色付け方法としては大きく染料仕上げと顔料仕上げとがあります。
染料仕上げとは所謂、染めているということなので芯まである程度
染み込んでおります。
染めているので、革の表面の傷や、血管の跡や虫食われのあとなど
見え隠れしています。
その反面、革らしい表情や質感は良くあらわれていたりします。

顔料仕上げは、塗料を革の表面に塗布しております。
厚く塗りますと、もろもろの傷やなにやらは隠せます。

今回の靴は、顔料を吹き付けてアンティーク加工をしています。
その方法としては、スプレーガンの様なもので、ムラになるように
革に吹き付けてゆきます。
今回の靴ですと、オレンジ色っぽい茶色の下地に、ダークブラウンの顔料を
吹き付けているようです。

こういった仕上げですと、ムラにする為にその塗膜は薄く吹き付けていますので
擦れると簡単に下地が現れてきてしまうという結果になります。

20120615-28


補色の際は、色が剥げ難くする様に厚塗りしてしまいますと、
その部分だけまったりしてしまうので、ほどほどに補色を行います。
ただ、擦れ易いつま先等は、濃いめにします。
つま先は濃いめに仕上げたほうが、アンティーク感はでますので
所々でバランスをみて。

通常の顔料仕上げの革ですと、しっかりと塗膜が施されていますので、
軽い擦れであれば、靴クリームで補色できます。

染料仕上げは、同様に靴クリームである程度は補色できます。
また、染料仕上げは、染めているので、紫外線などで退色、
色褪せがし易かったりします。

どちらの革も善し悪しがあるという感じです。

ちょうど染めるものがあったので引き続き。
「オレンジ色のヒール」の巻

ヒール巻き革が傷ついたので巻き直しのご依頼。
20120615-3


before画像は撮り忘れましたので、すでに新しい革を巻き直して
表面の段差を擦ったモノが左、右が革を絞めた状態です、艶が出てきました。

20120615-2


染色します、左が染色後、右が前。
染色ですので、下地の革の横筋が確認できると思います。

こんな感じで、染色は下地がそのまま見えますので、この前段階の
ヤスリ掛けや表面の締めなどの下地作りをしっかり行っていませんと、
粗がそのまま見えてしまいます。
20120615-26


染めますと一旦、艶がひきますので防水も兼ね、
仕上げのコーティングを施し、磨いて完成です。

「買った時みたい〜」と喜んでいただけましたが、
街中そこかしこに存在しております溝は、
危険だとという事をお忘れなきよう…。







ampersandand at 18:50│ 靴修理