2013年06月21日

オールソール その弐 • したごしらえ篇

分解をしましたら、新たにコルクを詰め直します。
グットイヤーウェルテッド製法は、5.0mm厚ほどコルクを
詰めるスペースがあります。

ハンドソーンウェルテッド製法の場合は、2.5mmぐらいでしょうか。
コルクなどの、この「中もの」と云われる素材の厚みによって、
履き込んでいった際の、ウェルテッド製法のいわゆる
「沈み込み」と云われるサイズ感の推移は、
ハンドソーンウェルテッド製法の方が少ないといえます。
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Edward Greenの飾りの革シャンクも元通りの位置に戻します。
そして本底を取付けます。
この時に、それぞれ下拵えが異なってゆきます。
Edward Greenは、通常通りに本底を取付けまして、ウェルトをガイドにして
あらかた削り込みます。
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で、Enzo Bonafe。
こちらは、ウェルテッドとマッケイの合わせ技です。
ウェルテッドの部分は、Edward Greenと同様にウェルトをガイドに
削りことが出来ますが、マッケイ部分の丸コバは、取付けてから
削り込むのは手間取りますので、6割程仕上げてから取付けます。
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で、もうひとこしらえ。
今回は、ヒドゥンチャネル仕様ですので、「どぶ起こし」をします。
どぶ起こしとは、底縫いの糸を隠す為に、革を一旦捲り上げます。
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革包丁を1.0mmほどの厚みで差し込み(内側は厚く)、
すぃ〜と、三枚おろしのようにおろしてゆきます。
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濡れていますが、革を濡らすことで柔らかくなりますので作業し易くなります。
どぶの革厚は、厚からず薄からずがいい加減です。
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で、どぶ起こしですが、Enzo Bonafeは、踏まず部分が内側に絞り込んでいます。
ですので、どぶ起こしの際に革包丁を入れる角度が
靴の踏まず部分に手が当たってしまい、思う角度で差し込むことが
まだまだ私の腕では難しい気がしますので、
取付ける前に、踏まず部分だけどぶ起こしをしておきます。
ここは無理をせずに、確実な方法で行うことにします。
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ちなみに、どちらもつま先にビンテージスチール仕様ですので、
底縫いを掛ける前に、すでにスチールに厚み分を凹ませてあります。
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どぶ起こしができましたら、糸が収まる溝を掘ります。
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で、底縫いが掛かりました。
こちらは、Enzo Bonafeですので、前側がピッチの細かいだし縫いで、
踏まず部分は、ピッチの粗いマッケイ(アリアンズ)になっております。
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踏まず部分は中で縫われていますので、縫い目が中に見えます。
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ビンテージスチールをあとあと取付けるのであれば、
オールソールの際に、一緒にご依頼されることをお勧め致します。
お勧めする訳は、
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底縫いの前に、スチールの厚み分を凹ませ、さらに糸が収まる溝を
掘っていますので、糸を切らずにスチールを取付けられます。
これがをオールソール後に行いますと、スチールの厚み分を凹ませますので、
折角、縫いました底縫いの糸を切ることになってしまうという訳です。
*ちなみに、新品の靴や底縫いがまだ切れていない靴は、
 底縫いをなるべく切らないよう工夫して仕上げております。
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底縫いが掛かりましたら、再び起こしたどぶを、
接着材を塗布しまして伏せてゆきます。
この時も、伏せ易くする為に水を染み込ませます。
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つま先はこんな感じで、スチールがそのままセッティングできるように
凹スペースが出来あがります。
なんだか革底面が、濡れてシミになってるし、擦れて黒ずんでるし…
汚いなぁと思われていると思いますが…
次回「組み立て篇」に続く…。
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「分解篇」はこちら
「したごしらえ篇」はこちら
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ampersandand at 23:28│ オールソール