2014年04月01日

許可を得て、マルタンマンジェラの靴を痛めつける! その壱

マルタンマンジェラのオールソールとなります。
アッパーは、朱色の革にホワイト塗装の後、
ひび割れ加工なのか、履いていくうちにひび割れするようなデザインだったのか
不明ですが、ソールも同様です。
before
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レザーソールが割れております。
レザーソールがこうも割れるということは、
確か今まで当店ではなかったように記憶しておりますが、
しかも、そこまでソールは摩耗しておりませんし。

仮に割れるとしても、もう少し前側の踏付ける屈曲部分になると思うのですが、
カンペールでお馴染みの位置というと伝わるかと思いますが。
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まずは、分解してゆきます。
想定していた構造とは異なりました。

前側のソールが厚かったので、前側は二枚かと思っておりましたが…
ソールをペリペリ剥がしてゆきますと、一枚二枚三枚… 
3.5mmほどの薄めのレザーが前側はスペードソール的に三枚で、
カカト側は、二枚合わせといった構造。
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底縫いは、ちょうど割れている前側部分まで縫われております。
こうした構造から割れの要因として考えられることは、

• 薄いレザーソールが重ねてあること、
• 二枚目と三枚目の境目で割れていること、
• 底縫いの終わり部分(二枚目と三枚目の境目まで)で割れていること、
• 雨でしばしば濡れたようで、ソールが硬化している。

以上のことから原因を見つけようとしますと、乾燥してソールが硬化し、
底縫いで縫い留められている部分の三枚層部分と、
縫い付けられていない二枚層の部分の境目が
ソールの硬さ(屈曲)の違いで支点になり、
薄い一枚目のソールが割れたのではないかと思われます。

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ですので、ソール交換の際は、
通常通り、底縫いはシングル(カカト部分まで)で
縫い合わせてしまったほうがよいとお伝え致しましたが、
お客様のご希望として、外観はオリジナル通りがご希望ということでしたので
同じように途中までの底縫いとなりました。

ただ、ソールについては、オリジナル通りの
薄い三枚合わせのソール仕様では行いませんでした。
薄いソールの積層も、割れの原因と考えられますので、
外観やソールの厚みを変えずに、通常と通りの6.0mm厚の革底の
組み合せで再現しました。

今回補修で手間取ったのは、ソールのエイジング加工です。
塗装がひび割れ、地が表出し、白と焦茶のコントラストとなるのですが、
そのまま革底に白く塗装してから、表面を削りますと、
削って表出した地の部分は、革のナチュラルなベージュ色になってしまいます。

オリジナルは、塗装がひび割れている部分などに、雨水や汚れが
染み込んでいき、経年変化で黒ずんだりして
現状のようになっております、たぶん。
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ですので、まずはベース部分を焦茶に染めておいてから、
ホワイト塗装を行おうと計算していたのですが…。

コバインクや、ソールステインなどの通常の革底の染料で
下地を塗装し、ホワイト塗装を行いますと、
ペイントの溶剤に反応してしまい、下地が溶け出し、
ホワイト塗装がムラムラになってしまうのでした。

時間を置いて、二度塗りしてみてもダメダメです

どうしたものか…。

つづく。

ampersandand at 01:23│ オールソール