2014年06月17日

見栄えと耐久性のあいだで…。 YANKOのモカシン篇

見栄えを気にしなければ、治せる範囲は広がるのですが、
それを善しとするかは、人それぞれの判断となります。

今回は、YANKOのモカシン部分の裂け補修となります。
すでに某チェーン店で修理済みですが…いかんせん。
チェーン店では、ダメもとならというこで修理を行ったようですが
それにしても…という感じです。
BEFORE
0615-8
ほんとのダメもとなので、結果再発…。

で、リベンジ修理で当店に依頼を。
この際?見栄えは気にしないので治らないか…ということでしたので、
とりあえず修繕方法イメージの画像を作りましてメールで確認。

気にしないレベルが、私のイメージとお客様のイメージが
違い過ぎますと、仕上がってから

「え〜、凄い目立つじゃん…」

となっても悲しいので、特に今回は新たに縫製箇所が
出来ますので確認していただきます。

0615-60
モカシンの縫い穴が裂けているので、裂けている縫い穴を
新たに革で補いまして、縫い穴を作れる場合もありますし、
今回の場合はそれができないので、裏面から革を宛てがいまして
縫製を掛けます。

赤い点線範囲が、裏面に革を宛てる範囲、
黄色の点線部分がステッチのイメージ。
裂けている部分を跨ぐように縫い合わせます。
跨いで縫製するのがこういった修理のポイントです。

裂けている両サイドを縫製するだけのほうが目立たないのですが、
それでは裂けている部分に加重が掛かった際に開いてしまうので
すぐに再発してしまいます。

0615-20
裏面に宛てる革の周囲は、漉いて薄くしておきます。
そうすることで段差による足当たりと、脱ぎ履きの際に
捲れてくることを防げます。
AFTER
修繕は、右足の内外両側、指の付根部分となります。
0615-110615-100615-9
ご返却の郵送後、
「ちょっと補修箇所を探しました」とお言葉。

見栄えは気にしないので、と云われても
なんとか目立ち難く仕上げたいものですが、
補強や縫製が弱く、再発してしまうと意味が無いので
耐久性と見栄えのバランスをとって。
(画像は縫製箇所が確認できるように、画像補正を掛けていますので
実際はもっと目立たない感じになっています)

黒のシボ革に黒糸のステッチを細かく縫っていますので
その部分を凝視しなければ、そんなに目立たないと思います。
といっても、人それぞれの主観となりますが。



ampersandand at 00:24│ 靴修理