2015年01月12日

ヴィンテージスチールを取付ける まとめ篇

ビンテージスチールやハーフソールについて何度か記事を書いていますが
今読み返しますとなかなか分かり難い部分や、要領を得ない部分もあります。
また、ご依頼の際にしばしば尋ねられるFAQも踏まえ、
まとめてみましたのでご参考にして頂ければと思います。

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まず、はなしがややこしくなってしまいますので、
前提条件としまして、「新品の革底の靴の場合」を条件としたお話となります。
*ラバーソールには取付けられません。
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新品の靴底の補強方法として、3通りあります。

1.ハーフソール 2.500円
2.ヴィンテージスチール 3.500円
3.ハーフソール/ヴィンテージスチールの併用仕様 5.000円
*価格は予告無く変更する場合があります。

それぞれの補修方法のご紹介の前に、何も処置せずそのまま履き始めた場合、
徐々にどのような経過を辿るのかご紹介したいと思います。
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<ステップ1>

新品の靴の場合は、靴の返り、癖がついていないので
歩行の際に靴底が返らずに、つま先が擦れ易く真っ先に著しく減ってしまう。
歩き方により個人差はありますので一概には云えませんが、
ロングノーズ、ローファーは減り易い傾向にあるようです。

この段階でウェルトまで摩耗してしまっている方も…。
ダブルソールやスペードソールなど、革底が厚い場合は、
より靴が返り難いのでつま先が減り易いです。

例靴
トリッカーズ、オールデンなどのダブルソールなど

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→この段階で「つま先やばっ!」と思われて、スチールやハーフソールを
 検討される場合がよくあります。
 *ある程度摩耗した状態からのスチールの取付けは、追加費用がかかります。

革底は基本的に底縫いが掛かっております。
底縫いは、本体(ウェルトや中底)とソールを縫い付けておりますので、
底縫いが擦切れますと、革底は剥がれ易くなります。
(ウェルトとの隙間が開くなども起り易いです)

メーカーによっては、ウェルテッド製法の場合などは特に、
革底の接着は弱かったりしますので(ソール交換し易いように?)、
底縫いが擦切れると簡単に剥がれてしまったり致します。

*ですので、ある意味セメンテッド製法(接着のみ)の靴の場合は、
 縫っていない分、しっかりと接着している可能性が高いので
 剥がれ難いとも考えられます。

<ステップ2>

雨降りにより、路上に溜まった汚れた水を革の繊維組織ゆえに
毛細管現象で徐々にアッパーまで吸い上げてしまい、
屈曲部側面あたりまで到達しその部分に雨シミ(白く塩分)が発生!
その部分の革は放置すると徐々に硬化しひび割れし易くなります。

→底縫いが擦切れている状態で、びっしょりと濡れたりしますと
 なんとか固定している接着剤も水分で弛んでしまい、剥がれの原因に。

<ステップ3>
ようやく足に馴染んできて、とても履き易くなってきた矢先…
革底が摩耗しきって、ソール中央部分に穴が開いてしまい、
中もののコルクが欠落してしまい、中底の割れや変形を引き起こしてしまう。

→このまま履き潰すか、でも履き易いから安く治せるのなら
 お気に入りだし治そうか…と、ようやく修理を検討される方も…。
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と、ここまでがよくある革底の痛みの経過となります。
以上を踏まえまして、それぞれの補修についてのご案内となります。

1.ハーフソールのメリット

1231-30(画像はTOPY 3.5mm/通常はvibram2.0mm)
履き始めの著しいつま先の摩耗予防になる/滑り留めになる/
靴底からの吸い上げによる雨シミの予防になる/
底縫いの糸が摩耗により切れないので革底が剥がれない。
(摩耗したハーフソールは繰り返し貼り替え可能です)

デメリットではありませんが、つま先部分のゴムが
他の部分に比べ減り易い(それだけつま先部分が摩耗し易いということです)。
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ハーフソールの際に、ときどき尋ねられるのですが、削るんですよね?と。
恐らくハーフソールが収まる厚み分を、凹ますと思われているようなのですが
凹ますのでも削るのでもなく、「荒らす」という表現が
適しているかと思います。

靴底は仕上げのワックスや染料で表面がコーティングされておりますので
そのままですと接着剤が効きません。
ザラザラ面に塗布する事ではじめてそれぞれの素材に食い付き固定します。
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ですので、表面のワックスや染料を取り除くことと、
表面をザラザラにする意味で表面を荒らしてハーフソールを取付けております。
荒らしているので厚みはほとんど変わりないかと思います。
荒らす際も底縫いの糸に触れないように注意しています。

なお、革底は繊維素材ですので、接着剤の一回の塗布では
接着剤が染み込んでしまいますので、必ず時間をおいて二度塗りを
行ってから取り付けとなります。
そうすることで表面に接着剤が残り接着効果が高まります。
逆に厚塗りになってしまうとかえって剥がれ易くなるので注意ですが。

2.ヴィンテージスチールのメリット
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摩耗し易いつま先部分の減りが、ハーフソールに比べ長期間保護できる。

こちらもデメリットではありませんが、つま先以外はそのままですので、
底縫いの糸が擦切れる事や、革底なので滑り易いなどがあります。

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一般的にはビンテージスチールを取付ける際は、スチールが収まる厚み分を
革底を凹ませて削りますので、必然的に底縫いの糸を切ってしまいます。
当店では、なるべく糸を切らない深さに微調整しながら取付を行っております。


3.ハーフソール・ヴィンテージスチール併用仕様のメリット
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摩耗し易いつま先は、ヴィンテージスチールで保護、
その他の部分はハーフソールで保護できますので…最強です。


ハーフソールだけですと、摩耗し易いつま先部分のラバーが、
どんどん減ってしまうので、その部分をスチールで保護します。
(つま先があまり減らない方もいらっしゃいますので、その方は
ハーフソールの選択でも宜しいかと思います)

ハーフソールのつま先部分以外は、比較的なかなか減りませんので、
併用ですと、初期投資は掛かりますが費用対効果やランニングコストを
鑑みますと、ベストの補強かと思います。

この仕様も、適時部分交換することで、オールソールは今後必要ありません。
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なお、併用ですと画像でも分かるように、ラバーソール厚で
スチールが収まる凹み厚を確保できますので、革底は凹ます(削る)ことなく
取付を行うことが可能です。

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以上がそれぞれの補修概要となります。

こういった補修は、履いて摩耗してからでいいかな、
と思いがちですが、あとで補修するつもりであれば、履き始めに
補修(補強)をすることをお勧め致します。

底縫いの糸が擦切れてしまったり、底に穴が開く程擦り減ってしまってから
補修するんであれば、底の厚みが目減りしていない状態で保護したほうが
快適ですし、余計な補修費等も掛かりませんし、綺麗に仕上ります。
スマホを購入してから3ヶ月後に、画面の保護シールは貼りませんよね。

以上、長文になりまして失礼致しました。
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ampersandand at 15:03│ 靴修理