2015年03月31日

お洒落は足元から… ズボンがぷくっと篇

「ズボンがぷくっとなるのをなんとかなりませんか…」と。
正直わたし的には、そうなるものでしょうが…と思ったのですが
こだわりのシルエットがおありのようで、スマホ片手に
こんな感じでズボンからしゅっとしたラインで繋がるようにしたいのですと
モデルさんの画像を見せて頂きました。
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そのシルエットにされたいのであれば、ジョッパーブーツか
サイドゴアブーツじゃないと…。

ここまでで、なんの話か分からないと思います。
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ここの話です。
この部分がスリムなズボンを履くと、ぷくっと裾を押し出してしまい
シュッとしたシルエットのラインにならないということなのです。

尚かつズボンも、既製品の裾をより細く加工されたものを持参されていて
実際に履いて頂きましてぷくっ感を確認させて頂きました。
確かに云われていることは分かるのですが、ぷくっとはしょうがないのでは…
しかし、こだわりのシルエットにするべく、しばし方法を熟慮…。
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とりあえず、どのくらい詰めればいいのか履きながらつまんでみますと
このぐらいです、履き口で3.0cmほど詰めることとなります。

今回に限らず、ブーツなどで周囲を詰めたい、伸ばしたいと云うご要望を
頂きますが、なかなかどうしてズボンとは違い、靴の場合は
シャフトと云われる筒部分の縦方向と、足が収まる横方向の
2つのパーツでおよそ構成されております。

ですのでシャフトを詰めた場合、その境目の周囲の距離が合わなく
なりますのでなかなか難しいものがあります。
(丈(高さ)を詰めることはそんなに難しいことではないのですが)
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例えばこれがライニング(裏革)の無いワークブーツ、
エンジニアなどであれば、シャフパーツを本体と分解し、
詰めてからもとにもどせば良いと思うのですが、
今回のブーツですと、ライニングもありますし、ファスナーもついております、
尚かつ床ベロアですので色々と話がややこしいことに。
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普通は、シャフトのセンターの縫い割りで行うと思うのですが、
この場合、縫い割り部分で行うと不具合が色々と起りそうなので
サイド部分をカットして寄せることに致します。
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この部分で詰めたことがないのでどうなるのかが不安です。
ですので、ご説明の上、自己責任で行わせていただく事に。
詰められたとしても、フィットし過ぎて歩行の際にあたってしまって
痛くなるだとか、履き難いだとかが不明ですのでその辺のご了解も頂きました。
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サイドゴアのようにゴムを入れるという案もご相談中にでてはおりました。
カットした部分は本体部分も同じ部分でハギ、縫い目がありましたので
その部分と垂直位置を合わせましてデザイン的になるようにします。
AFTER
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この縫い合わせ方は、鞄でしばしば行われておりますが、
革を重ねたり、縫い割ったりする方法ですと段差がでてしまいます。
ですの、すっきりと見せるにはカット面を寄り合わせまして、
裏面から革の帯を縫いシロとして宛てがいましてそれに縫製致します。
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尚かつ、その帯を隠すように再度革の帯を宛てがい、履き口部分は
強度的に弱いので革でパイピング処理を行っております。
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試着して頂くまでどきどきでしたが、ジャストフィット!です。
履き心地も問題ないということでした。
サイドを詰めたことでのセンターのブレも大したこともなく
なかなか勉強になる事例でありました。




ampersandand at 00:30│ 靴修理