2016年03月01日

カンペール特殊部隊 潜入捜査篇

カンペールのオールソールは、断るお店が多いようですが
この特殊モデルですとその割合ももっと多くなるようです。

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こちらがカンペールでも選りすぐりの特殊部隊になります。
なかなか勇ましいですね。

特殊部隊が日に日に増員されますと、私ひとりで手に負えるか
心配になる次第です。
ときどき、ジョン•ランボーを助っ人に呼びたくなります。
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このモデルはなぜかいつも同時期に別々の方からご依頼が入ります。
カンペールあるあるです。
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これがなんで特殊部隊と云われるか…(私が勝手に云っているだけですが)
本体部分の10mm程度下側が、ガサガサしているのが確認
出来るかと思います。
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そのガサガサしている部分までこの特殊モデルはソールに
埋まっている仕様になっております。
ですので、この埋まっていた部分をどうするかが問題になります。
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スニーカーもこのような埋まっている仕様が多いので
その補修用に、10mm幅のスポンジ素材またはラバー素材のような
薄い帯状の材料があるにはあるのですが、当店では使用を見送っております。

また、その材料でも完全に埋まっている部分を隠す事ができず、
カカト部分は表出してしまったり、モデルによっては合わないなどがあります。

ただそれを使わない一番の理由としては、
その素材が割れてしまう可能性があるということになります。

薄い帯状の素材ですので、それを周囲に巻き付けますと、
屈曲部分などは伸縮を繰り返すうちに割れてきてしまったりが考えられます。

そのような仕様の市販の靴が割れている症状を見ておりますので
高い費用を掛けて治しても結果、痛んでしまう可能性があり、
かつ、部分的に補修も出来ない部位ですので導入を避けている次第であります。
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それではどうのように治すかですが、当店では革を巻き付け縫製し
埋まっている部分を補修してからソール交換を行っております。

本体の色や元のイメージに合わせ革を選び、それぞれの深さにより
革幅を決めて裁断を行います。
1足で1メートル以上の長さの革が必要になります。
革はそのままでは厚いので、丁度良い厚さに全体を漉きます。
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そして今度はフチ部分を折り込んでゆき、取付けた際に
後付け感がでないように処理を行ってゆきます。
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次にできたレザーパーツを本体の埋まっている部分に巻き付け
縫製してゆきます。
部分的に違う深さや、波打っているラインに合わせて
巻き付けていきますので、ガサガサは全て隠す事ができます。
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この方法に辿り着くまでは、当初、この縫製段階で針を1ダース近く
1足で折ったことがありました。

靴にはつま先やカカトなどには硬い芯材が入っておりますので
ぐるりと縫製するには厄介だったり致します。
またこのように縫うには、かなり無茶をして縫製しておりますので
縫製可能な設定を探り出すまでには… 苦労致しました。

なお、埋まっていたガサガサ部分や、ソールとの境目は
革が痛んでいる場合がありますので、その部分もこの方法ですと
しっかりと革と縫製で補強ができるのが利点でもあります。
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これでようやく下準備が終了となります。
通常のオールソールではこの部分の行程がありません。
ですので、手間と材料が掛かるこの特殊モデルの
オールソール交換費用はかなり割高になってしまいます。

また当店のこの補修方法ですと手間が掛かり過ぎ、
ほかの修理に影響が出てしまうので、
一時期この特殊モデルのオールソールはお断りしておりました。

しかしその後もお問合せが続き、しかも出来なくて
お断りしている訳ではありませんでしたので、
「そちらで修理を断られたらあきらめて捨てます」
と、云われてしまうと…
ということで現在は再開している次第であります。
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ただ、費用もお時間もかなり掛かりますので、
ご検討の方はその覚悟の上、お問合せ頂ければと思います。

次回「カンペール特殊部隊 怒りの脱出篇」をお送り致します。

そのほか、CAMPER 修繕事例はこちらです。

ampersandand at 12:25│ カンペール